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平和構築出典「国連の基礎知識」

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UN Photo/Steen Johansen

国連にとって、平和構築とは戦争から平和への移行期にある国や地域を支援する活動を意味する。それにはそうした移行を支援し、強化するための活動やプログラムも含まれる。平和構築のプロセスは一般に元紛争当事者が和平合意に署名することから始まる。国連の役割はその実施を容易にすることである。国連は武器に訴えるのではなく、交渉によって問題の解決を図る。国連が継続して行うこうした外交的な役割も平和構築の一環とみなすことができるかもしれない。

また、各種の支援も含まれる。たとえば、平和維持要員の展開、難民の本国帰還と社会への統合、選挙の監視、そして兵士の武装解除や動員解除、社会復帰などである。平和構築の中心となるのは、新しい、正統な国家を建設することである。紛争を平和的に解決し、一般市民を保護し、基本的人権の尊重を確保できる能力を持つ国家の建設である。

平和構築には世界銀行を初め、地域経済委員会、非政府組織(NGOs)、現地の市民グループなど、国連システム内のさまざまな機関の行動が求められる。平和構築はボスニア・ヘルツェゴビナ、カンボジア、エルサルバドル、グアテマラ、コソボ、リベリアやモザンビーク、そして最近ではアフガニスタンやブルンジ、イラク、シエラレオネ、東ティモールでの国連活動で優れた役割を果たした。国家間の平和構築に関する最近の例としては、国連エチオピア・エリトリア・ミッションをあげることができる。

新平和構築の構造

国連の平和構築の構造は「平和構築委員会」、「平和構築基金」、「平和構築支援事務所」から構成される。これら3つの機関は共同で以下のことを行う。

  • 平和構築戦略を策定、調整する。
  • 国による平和構築努力のために国際的支援を集め、紛争国の平和を持続させ、かつ平和構築活動を率いる。
  • 戦争から恒久平和へと移行する国々を効果的に支援する。

「平和構築委員会(Peacebuilding Commission)」は31カ国で構成される政府間機関で、関連するすべての主体を集めて、紛争後の平和構築と復興のための統合戦略について助言し、提案する。その常設の組織委員会は安全保障理事会、経済社会理事会、総会のメンバー国、それに国連ミッションへの上位拠出国と軍事要員および文民警察の派遣上位国で構成される。

平和構築構造の第二の柱は「平和構築基金(Peacebuilding Fund)」で、紛争終結後の平和構築のための複数年に及ぶ常設の基金である。任意の拠出金によるもので、平和構築活動を始めるに当たって必要となる資金の即時提供を確保し、また、復興のための適切な融資の可能性を探る。基金は平和構築のための当座の資金を提供することを意図したもので、2010年2月現在、当初の目標額、2億5,000万ドルに対して3億3150万ドル近くのコミットメントがあった。同年11月に開かれたハイレベルの関係者の会合では、紛争から復興を目指す国において平和構築イニシアチブを支援する迅速かつ適切、触媒的な財源だとして称賛され、2011-2013年度事業計画に対して21カ国から5,300万ドルの誓約が見られた。

「平和構築支援事務所(Peacebuilding Support Office)」は平和構築委員会を支援し、平和構築基金を管理し、平和構築活動を進める国連機関の調整を図る事務総長に役務を提供する。