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人道支援出典「国連の基礎知識」

HUMANITARIAN ACTION

UN Photo/Evan Schneider

第2次世界大戦後における荒廃と大量の避難民を受けてヨーロッパで始まった人道援助活動を初めて調整して以来、国際連合は、単独の国家当局の能力を超える自然災害や人為的災害に対応できるように国際社会を先導してきた。現在、国連は緊急援助と長期支援の主要な提供者となり、政府や救援機関による救援活動の触媒となり、緊急事態の被害者に代わって発言する唱道者となった(https://www.un.org/en/sections/what-we-do/deliver-humanitarian-aid/index.html)。

この四半世紀、人道上の緊急事態の頻度、規模、重大さに圧倒的な変化が見られた。アフガニスタン、ブルンジ、コンゴ民主共和国、ソマリア、スーダンの危機については、ほとんど毎年、人道的支援へのアピールをせざるを得なかった。今世紀に入ってからも同じような事態が中央アフリカ共和国、チャド、イラク、被占領パレスチナ地域で見られた。現在、これらと同じ国やその他多くの国が紛争の中にあり、多面的な対応を緊急に必要としている。およそ120万人の人々が南スーダンから避難を求めて逃げた。そのうちの80パーセントが女性や子どもたちであった。これはアフリカにおける最大の難民移動であった。

人道上のアクセスが複雑さを増して大きな制約を受けるようになった。人道支援要員はその活動を妨げられることも多く、被災者が基本的サービスや保護を受けられないまま取り残されることもある。地雷や爆発性戦争残存物、簡易爆発物がアクセスを妨げ、紛争地域の脆弱な人々の命を脅かしている。他方、自然災害は気候変動によって頻度が増し、凶暴化し、厳しくなり、家庭や生活を破壊し、これまでの人道危機の影響をさらに悪化させている。

紛争が続発し、自然災害による人的、財政的損失も拡大している。こうしたことから、国連は二つのことを行っている。一つは、国連が主にその実施機関を通して被災者の緊急救援活動を行うことで、もう一つは、そうした緊急事態が発生しないようにより効果的な戦略を進めることである。

災害が発生すると、国連とその機関はまず緊急人道援助物資を輸送する。2013年11月、かつてなかったような強力な台風、台風ハイヤンがフィリピンに上陸し、7,354人に上る死者や行方不明者を出した。推定1,400万人が影響を受け、そのうちの540万人が子どもたちであった。400万人が避難し、100万戸以上の家屋が損害を受けた。国連は緊急救援活動を開始し、人の命を救う食料、保健器具、医薬品、その他の援助物資を空輸した。2014年4月の報告によると、被災地域全体の人道的状況は安定していることが示された。住宅部門のパートナーは12万世帯を支援し、それぞれの家屋を修復できるようにした。また、400万人以上の人々に食糧援助が行われた。被災農家には種子と肥料を配布し、生計を立てられるようにした。それによって年に80万人分の精白米を生産できるようになった。救援活動は他の突然発生する自然災害の際にも行われる。

例えば2015年4月と2016年、ネパールとエクアドルで発生したマグニチュード7.8の地震、それにジンバブウェで食糧危機の原因となった最近のエルニーニョによる干ばつなどである。

2016年、国連とその人道支援パートナーによる活動は新しい、進行中の危機に向けられた。こうした活動の結果、フィジーでは熱帯サイクロン「ウィンストン」の被害を受けた13万の人々が緊急避難所の提供を受け、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、トルコに住むシリア危機の影響を受けた190万人が食料援助を受け、イラクのモスルから避難した9,500人の子どもたちがポリオとはしかの予防接種を受けた。また、シリアでは510万人の患者が治療を受け、エチオピアの170万人の生徒が教材を受け取り、中央アフリカ共和国からの難民世帯の78パーセントは適切な居住施設に住み、ソマリアのガルカチョの北部、南部の避難民には3万リットルの水が配られた。また、ハリケーン・マシューの被害を受けたハイチで、極度の食料不足に苦しむ人々の73パーセントが食料援助を受け、南スーダンでは地雷や爆発性戦争残存物の脅威がなくなった土地は2700万平方メートルに達した。被占領パレスチナ地域の西岸に住む世帯の83パーセントが破壊もしくは損害を受け、緊急避難所と非食料品を受けている。

OCHAが管理する「国連中央緊急対応基金(Central Emergency Response Fund: CERF)」は、2016年に迅速な対応活動としておよそ2億8900万ドルを計上した。2015年の基金は迅速な対応活動に3億100万ドルの割り当てを行った。その額の4400万ドルも多い額がイエメンに割り当てられた。これは、その年末までに武力紛争によって人道状況が悪化し、2120万人のイエメン人、すなわち、5人に4人のイエメン人が人道援助を必要としていたからであった。

国連国際防災戦略(United Nations International Strategy for Disaster Reduction: UNISDR)(www.unisdr.org)のようなその他の手段を通して、国連は人道的危機を防止し、かつその影響の軽減を図る。2015年3月18日、日本の仙台市で開かれた第3回国連防災世界会議では、国連加盟国は「仙台防災枠組み2015‒2030(Sendai Framework for Disaster Risk Reduction)」(www.unisdr.org/we/coordinate/sendai-framework)を採択した。七つの目標と四つの優先事項を持つ。枠組みは現在、世界でもっとも災害を受けやすい国の一つであるフィリピンで政策の基盤となっている。「死傷者ゼロ」アプローチを促進するために国民にリスク情報を十分に提供し、かつ早期警報の発表と効率よい避難を確保する政策を進めている。こうしたことによって2014年の12月の台風ハグピトや2015年10月の台風コップの場合でも無事切り抜けることができた。

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