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ジェンダー平等を実現しよう出典「国連の基礎知識」

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ジェンダーの平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。世界はMDGs(女児・男児間の初等教育への平等なアクセスを含む)のもとにジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに向かって進歩を遂げたものの、女性と女児は世界のいたる所で依然として差別と暴力の対象となっている。法的枠組みを通して女性の権利を行使することは、女性に対する差別を是正するための第一歩である。2014年現在、134カ国がその憲法で男女間の平等を保証し、52カ国がいまだこの重要なコミットメントを行わずにいる。全世界的には、女性の議会に占める割合は2016年に23パーセント増加し、この10年で6パーセントの上昇である。

20歳から23歳の女性で18歳になる前に結婚したと報告する女性の割合は1990年頃の32パーセントから2015年頃の26パーセントに下がった。女性器切除の慣行が集中している30カ国では、15歳から19歳までの少女の3分の1がこの処置の対象となった。あらゆる地域において女性と女児は介護から料理、洗濯まで無償労働の大半を行っている。毎日平均して自分の時間の19パーセントを無償活動のために費やしていると女性は報告している。男性の場合は8パーセントである。

SDG 5は、有害な慣行も含め、女性と女児に対するあらゆる形態の差別を撤廃することを目指し、また性と生殖に関する健康とその権利を持つものであることを確実にし、生と生殖に関する資源に十分にアクセスでき、男性と同じように政治、経済、公職に参加できるようすることを目的としている。

男女間の平等を促進することと女性のエンパワーメントは、国連活動の中核をなすものである。ジェンダーの平等の達成とすべての女性と女児のエンパワーメントは、すべてのSDGs を達成するために不可欠の手段であると認められている。質の高い教育への平等なアクセス、それに雇用、リーダーシップ、あらゆるレベルでの政策決定の平等な機会は、女性と女児の地位向上にとって主要な要因である。国連は女性の人権を積極的に促進し、武力紛争時や人身売買を通してなども含め、女性に対する暴力を根絶するために活動する。国連はまたジェンダーの平等や女性及び女児のエンパワーメントのためのグローバルな規範や基準を採択し、開発援助活動を通してなど、国家レベルでの実施やフォローアップを支援する。

メキシコ・シティ(1975年)、コペンハーゲン(1980年)、ナイロビ(1985年)、北京(1995年)で開かれた国際会議は、世界各国でのジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに関するコミットメントを強め、行動に活力を与えた。後者の第4回世界女性会議(1995年)では、189カ国の政府代表は「北京宣言」と「行動綱領」を採択した。これは、公的、私的生活のあらゆる領域で差別と不平等をなくし、女性のエンパワーメントを確保する目的のものであった。2015年、北京+20再検討会合(https://beijing20.unwomen.org/en) は達成された進歩を歓迎したものの、進歩は遅く、一様ではなく、依然格差や障害が残っていることに懸念を表明した。

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women)」(www.unwomen.org)は、女性と女児に対する差別を撤廃し、女性のエンパワーメントを実現し、かつ、開発、人権、人道活動、平和と安全のパートナーとして、かつ恩恵を受ける者としての男女間の平等を達成するために働く。また、女性の地位委員会のような政府間機関が政策、グローバルな標準や規範を作成するのを支援し、また、加盟国がこれらの標準を実施するのを支援する。そのため、要請があれば適切な技術的、財政的支援を行い、市民社会と効果的なパートナーシップを構築する。さらに、ジェンダー平等の達成に責任ある国連システムを維持し、国連全体が行う進歩を定期的に監視する。

女性の地位委員会(Commission on the Status of Women)(www.unwomen.org/en/csw)は、経済社会理事会(ECOSOC)のもとにあり、1995年行動綱領の実施状況を検討し、2030アジェンダのフォローアップに貢献する。女性の権利を促進し、あらゆる分野における差別と不平等を是正するために今後とるべき行動について勧告する。過去60年以上にわたるこの45カ国委員会の主な活動は、4回にわたって女性に関する会議を準備し、フォローアップを行い、また、女性の権利に関する条約「1979年女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(Convention on the Elimination of All Forms of Discrimination against Women)」とその1999年選択的議定書(Optional Protocol)の成立に向けて支援したことである。委員会の2015年会期は1995年以降の進歩とポスト2015開発アジェンダについて再検討を行った。

女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination against Women: CEDAW)(www.ohchr.org/en/hrbodies/cedaw)は1979年条約の順守状況を監視し、その選択議定書が付託する任務を行う。23人の専門家で構成される委員会で、締約国が提出する報告に基づいて、条約の実施に関して、締約国と建設的な対話を行う。その勧告は、女性の権利とこれらの権利を享受させる手段についての理解を深めることや、女性に対する差別の撤廃に貢献してきた。

事務局のほかにも、国連家族のすべての機関はその政策やプログラムで女性やジェンダーに関する問題を取りあげている。また女性のエンパワーメントはSDGs の中心課題である。