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よくある質問

ポスト2015持続可能な開発アジェンダ

ミレニアム開発目標(MDGs)とは何ですか。

極度の貧困の半減からHIV/エイズの蔓延防止、普遍的な初等教育の実現まで、幅広い課題をカバーする8つのミレニアム開発目標(MDGs)は、国連加盟国が2000年に採択したもので、いずれも2015年を達成期限としています。MDGsはグローバルな貧困対策として、史上最大の成果を収めています。これらの目標は、世界的、国内的な優先課題の設定と現場での活動の促進を助け、認識を高め、現在も全世界の開発活動の包括的枠組みとなり続けている幅広いビジョンを形成することで、大きな変化をもたらしました。貧困の削減、安全な飲み水に対するアクセスの改善、スラム住民2億人の生活改善に関するMDGsの具体的目標は、いずれも達成されました。小学校に通う子どもの数は史上最高に達し、男女間の格差も解消されました。幼児死亡率は劇的に低下し、マラリア、HIV/エイズ、結核対策への焦点を絞った投資により、数百万人の命が救われました。

ミレニアム開発目標は2015年に達成期限を迎えますが、その後はどうなりますか。

約束を果たすための強力なリーダーシップとアカウンタビリティがあれば、MDGsへの取り組みで見られた前進を世界の大半の国々で加速、拡大することができ、2015年までにMDGsの具体的目標をさらに多く達成することが可能になります。MDGsの具体的目標の達成に向けて見られている前進は現在も、そして将来的な開発目標の下でも、より多くの人々の生活改善につながります。ですから、MDGs達成に向けた歩みを早めることと、ポスト2015国連開発枠組みの準備を進めることは、いずれも同じ取り組みの一部といえます。

MDGsの先に目を向けると、私たちが望む将来の構築のためにすべきことは多く残っています。貧困や飢餓、健康、ジェンダー平等、水、衛生その他多くの問題について存在するギャップには、2015年以降も関心を向ける必要があります。2015年以降に向けた国連の持続可能な開発アジェンダは、MDGsを通じて達成された前進を土台としながら、根強く残る格差や、人間と地球が直面する新たな課題に取り組むことになります。

ポスト2015アジェンダはどのようなものになりますか。

新たな開発アジェンダでは、環境を守りながら、経済的、社会的な福祉を改善することで、、持続可能な開発を進展させるとともに、包摂的な成長や平等、平和と安全、ガバナンス、人権といった問題に取り組む必要があります。世界各地のすべての人々とすべての社会にとって妥当な、大胆で意欲的、かつ普遍的なアジェンダとしなければなりません。また、各国の能力は異なるという認識に立ちながら、すべての国々が共有する共通の責任により、人間と地球にグローバルな変革をもたらすものとする必要もあります。ポスト2015アジェンダは、達成された成果と改善すべき領域という両面で、MDGsの実施で得られた経験に基づくものとなります。測定可能な指標を開発できる範囲で、期限付きの目標を設定し、具体的でわかりやすく、行動を鼓舞するアジェンダを策定しなければなりません。

持続可能な開発アジェンダはどのようなスケジュールで策定されますか。

持続可能な開発アジェンダは、MDGsが2015年の達成期限を迎えた時点で導入し、切れ目のない移行ができるよう、準備を整えておく必要があります。この数年間で、国連事務総長やポスト2015アジェンダに関するハイレベル・パネル、国連開発グループ、持続可能な開発ソリューション・ネットワーク、持続可能な開発目標に関するオープン・ワーキング・グループ、持続可能な開発資金に関する政府間専門家委員会による報告書をはじめ、多種多様な報告書やイベント、プロセスがポスト2015開発アジェンダの策定に活かされています。

国連総会議長が2013年9月に開催したMDGsに関する特別イベントでは、事務総長が国連加盟国に対する報告で、ポスト2015アジェンダの策定に向けた暫定的決定をいくつか通知しました。特別イベントの閉幕にあたり、世界の指導者は、人々の生活を改善し、将来の世代のために地球を守るための意欲的かつ長期的なアジェンダの策定を求めました。

世界の指導者が参集し、ポスト2015開発アジェンダ採択を採択することになる2015年9月のサミットに向け、政府間の討議が続く中、事務総長と国連システムは、加盟国への支援を続けてゆきます。協議や重要な報告書その他、2014年中のプロセスの成果は、2014年末までに事務総長が発表予定の「統合報告書(“Synthesis Report”)に盛り込まれます。事務総長が加盟国に提示するこの報告書は2015年9月のサミットに至る交渉のたたき台となります。

今後も、新たな持続可能な開発アジェンダに関する合意と、その最終案作成に向けた討議が続けられる中、事務総長と国連システムは、加盟国を引き続き支援します。

リオ+20会議の成果文書で承認された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、ポスト2015開発枠組みとどのように関係してくるのですか。

リオ+20国連持続可能な開発会議(2012年6月、リオデジャネイロで開催)の成果文書『私たちが望む未来』で、各国は、貧困の根絶と人間開発の推進に向けた行動を強化するうえで、MDGsがあげた成果を認識しました。そして、グローバルな性質を有し、普遍的に適用できる一連の持続可能な開発目標を策定することにより、MDGsの成功をさらに重ねていくことで合意しました。リオ+20を受けて、国連総会がこの目標を策定するために設置した30人編成のオープン・ワーキング・グループは2014年7月、一連の持続可能な開発目標案を国連総会に提出しています。また、加盟国は、ポスト2015枠組みへの貢献として、持続可能な開発と技術共有の改善に向けたオプションのための資金調達を検討するため、持続可能な開発資金に関する政府間専門家委員会も設置しました。専門家委員会は2014年8月、報告書を提出しています。さらに、リオ+20では、国連が持続可能な開発に取り組む主要なプラットフォームとして、持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラムも設置され、最近では2014年7月に会合を開いています。加盟国は2013年9月、これら補足的機構をすべて、MDGs達成に向けた前進を加速、審査するための継続的な取り組みに取り込むためのロードマップに合意しました。

ポスト2015持続可能な開発アジェンダは、どのような協議プロセスを経て策定されるのですか。

ポスト2015持続可能な開発アジェンダの策定に向けた作業は、政府や民間セクター、市民社会団体、学界、若者を巻き込んだオープンで包摂的なプロセスを通じ、すでに開始されています。現在までに、全世界で100回を超える協議が行われています。オンライン・プラットフォームの「私たちが望む世界2015」は、グローバルな対話で人々を結びつける一方、最も重要な問題に関する意見を求める調査「MY World」は、190か国以上の数百万人から投票を受け付けています。こうした市民社会からのインプットは引き続き、世界の指導者がポスト2015開発アジェンダを採択する予定の2015年9月のサミットに向けた多くのイベントや報告書、プロセスに盛り込まれています。

事務総長のハイレベル・パネルとは、どのようなものでしたか。

国連事務総長のポスト2015に関するハイレベル・パネルは2012年7月、各国政府の指導者や、市民社会と民間セクターの代表を含む27人のメンバーで結成されました。その任務は、将来の開発アジェンダについて事務総長に助言を行うことにありました。ハイレベル・パネルは、大胆ながらも実際的な開発ビジョンを事務総長に提示しました。このビジョンは、MDGsの加速とポスト2015年に関する作業を取り扱う事務総長報告書に盛り込まれましたが、国連加盟国は2013年9月、この報告書を検討しています。パネルの報告書は国連総会でもすべての加盟国に提示されたほか、持続可能な開発目標に関するオープン・ワーキング・グループにも提出されています。

パネルの提案は、5つの変革をもたらすシフトを中心に据えています。これによると、新たなアジェンダには、あらゆる人々を含めなければなりません。また、豊かさを追求し、格差を解消する一方で、気候変動や環境破壊がもたらす人類への脅威に取り組むためには、持続可能な開発をアジェンダの核としなければなりません。雇用の創出と持続可能な暮らしも優先課題です。平和と安全、暴力からの自由も欠かせません。パネル提案はさらに、この変革志向のアジェンダを支援するため、新たなグローバル・パートナーシップの形成を求めています。

持続可能な開発ソリューション・ネットワークとは何ですか。

事務総長が発足させた持続可能な開発ソリューション・ネットワークは、全世界の学術的、技術的専門知識を活用し、貧困の解消、社会的包摂の向上、持続可能な開発の達成という課題に取り組むための道のりを明らかにすることにより、国連の開発枠組みを支援しようとするものです。このネットワークは、MDGsに関する事務総長特別顧問を務めるジェフリー・サックス教授による指揮のもと、すでにいくつかの作業結果を提示していますが、今後も引き続き、現場で実施可能なソリューションを提供してゆくことになります。