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通常兵器、信頼醸成および透明性出典「国連の基礎知識」

小型武器、軽火器と実際的な軍縮

すべての国は個別的もしくは集団的自衛に対して固有の権利を有し、国連憲章に従って武力を使用することができる。自国の軍隊もしくは治安部隊を武装することとは別に、ほとんどの国は、一般にある種の条件のもとに、民間の警備会社や市民による銃器もしくは武器の所有を許し、合法的な目的のためにはその使用を許可する。現在世界には所持を許可された銃器数は何億にも達する。そのおよそ3分の2を一般市民が所持している。これらの武器の合法的な年間取引額は数十億ドルを超え、不正取引額は年間10億ドル以上に達するものと信じられる。違法な武器の拡散を防ぐことが、小型武器のあらゆる問題を国際、地域、もしくは国内のレベルでコントロールするための第一歩である。

2001年、「小型武器非合法取引のあらゆる側面に関する会議」が国連で開催された。その結果生まれた「行動計画」の下で、加盟国は法制度と管理を改善し、小型武器の刻印、記録保持、トレーシングを強化することに合意した。不正な武器の取引を削減することが「持続可能な開発の2030アジェンダ」の中に組み込まれたことは、非合法的な小型武器 ―― と関連の武器を用いた暴力 ―― は開発に関連した問題であることの証明である。他方、国際連合は「国際小型武器管理基準(ISACS)」を発展させた。これは小型武器と軽火器の製造から廃棄までのサイクルを国家が管理し、それによってこれらの武器が犯罪者や武装グループ、テロリスト、その他武器を悪用する人々の手に入るリスクを軽減するための最新の具体的指針である。

弾薬

過去十年の間に60カ国以上の国々で弾薬の備蓄方法が不適切だったことから爆発する事件が発生した(www.un.org/disarmament/ammunition)。何千人もの人々が死に、全共同体の生活が破壊された。安全対策がほどこされていない、もしくは監視が不適切な国家の弾薬貯蔵は、また、弾薬が大量に不正マーケットへ流れ込む結果をも招くことになる。流用された通常の弾薬はますます簡易爆発物(IED)の組み立てに使われるようになっている。貯蔵の安全と武器と弾薬の管理を緊急の優先事項として強化するようにとの安全保障理事会の勧告と、国連が弾薬管理のガイドラインを作成するようにとの総会の要請を受けて、「国連安全管理計画」(https://www.un.org/disarmament/un-saferguard/)が設けられた。同計画は、「国際弾薬技術ガイドライン」(IATG)の普及を監視する。IATGは、弾薬貯蔵場所の安全を改善したいと考える国が任意に利用する詳細にわたる基準である。これらのガイドラインは弾薬の貯蔵の安全を強化する国の機関や産業、その他に役立つもので、ISACSとは十分な調整が行われている。

武器貿易条約(Arms Trade Treaty:ATT)

世界貿易のほとんどすべての領域が規則によって規制され、すべての国が合意による行動に従わなければならない。しかし、通常兵器の取引を規制するグローバルな規則はいまだ存在しない。2103年、総会は「武器貿易条約」(www.un.org/disarmament/att)を採択した。署名国は武器の取引を行う際には責任を示すことが求められる。すなわち、いかなる国際的な武器の移転においてもそれを承認する前に、その移転が紛争を悪化させ、人道法や人権法を侵害することにならないか、そのリスクを評価することが求められる。

対人地雷

対人地雷がこれまで以上に世界各地に拡散し、無差別に使用されていることが、国連の特別の注意を集めてきた。1995年、「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」(いわゆる残忍兵器禁止条約)運用の検討を行った結果、改定議定書IIが生まれた。改定議定書II は1998年に発効した。それによって、地雷の使用、移転、型式(自己破壊および探知可能)に関する制限が強化された。2016年12月31日現在、102カ国がこの議定書を受け入れている。条約には五つの議定書があり、地雷やブービートラップの禁止をはじめ、探知不能な爆弾破片、焼夷弾、盲目にするレーザー、爆発性戦争残存物を禁じている。ついで、国々はすべての対人地雷の全面的禁止に関する協定について交渉した。「対人地雷の使用、貯蔵、生産および移譲の禁止ならびに廃棄に関する条約=地雷禁止条約(Convention on the Prohibition of the Use, Stockpiling, Production and Transfer of Anti‒personnel Mines and on Their Destruction:Mine Ban Convention)」である。同条約は1997年に署名のために開放され、1999年に発効した。2016年12月31日現在、条約の締約国は162カ国であった。

二つの条約の実施によって、貯蔵されていた地雷は破壊され、地雷敷設国における地雷の除去も進み、新しい犠牲者の数も少なくなった。地雷、クラスター兵器残存物、その他の爆発性戦争残存物によって2014年には3,678人の死傷者が出た。2014年の一日につき10人の死傷者の事故率は、1999年の一日25人の死傷者に比べ大きく減少した。現地では、12の国連事務局部局、専門機関、計画や基金は、30カ国と三地域で積極的に地雷除去活動を続けている。

国連地雷対策サービス部(United Nations Mine Action Service: UNMAS)は(www.mineaction.org)国連の11の機関と協力して、クラスター爆弾も含め、地雷や爆発性戦争残存物の問題に積極的かつ調整の取れた取り組みを進める。地雷除去に限定すると、UNMASの活動は三つの幅広いカテゴリーを網羅している。すなわち、リスク緩和と地雷の除去、武器弾薬の管理、即席爆発装置(IED)の脅威の緩和である。UNMASは、安全保障理事会の委任を受けて、また事務総長による要請もしくは被災国の要請を受けて、しばしば人道的緊急事態に応えて、こうした脅威を軽減する活動を行う。UNMASは、平和維持活動の一環として、また人道的緊急事態もしくは危機の際には関係国に地雷対策調整センターを設置する。こうした情勢のもとでは、UNMASは地雷対策プロジェクトを計画、実施し、現地および国際の地雷対策サービスの提供者の作業を調整し、地雷除去、地雷危機教育、その他の地雷対策に関連した作業の優先度を設定する。UNMASはまた、地雷や爆発性戦争残存物に関連した条約や国際法律文書を支援する国連の活動の調整も図る。

通常兵器の登録

国家間の信頼醸成と安全に貢献するために、総会は1991年、「国連通常兵器移転登録制度」(https://www.un.org/disarmament/convarms/Register)を設立した。この任意の報告取り決めによって、参加国政府は7つのカテゴリーの主要通常兵器システムについて、その輸出入に関する情報を提供する。軍艦や戦闘戦車から戦闘機までを含み、さらに小型武器についても報告する。加盟国はまた国内生産による調達や軍事目的の保有に関するデータの提供も求められる。そうしたデータは編集され、年に1回、国連の公式文書として発行される。それは一般の人々も入手することができるし、また国連のホームページを通して誰でも閲覧できる。1991年に登録を開始して以来、2012年までに、173カ国以上の国々が、数回に及んで「登録」にデータを提出した。「登録」は主要通常兵器のグローバルな取引の95パーセント以上を掌握していると推定される。

軍事費の透明性

軍事問題の透明性を促進するもう一つのグローバルなメカニズムは、1980年に導入された「国連軍事支出報告制度」(www.un.org/disarmament/milex)である。この任意の文書は軍事要員、作戦と整備、調達と建設、調査研究と開発に関する支出をカバーしており、国連はこうした情報を集め、公表している。

爆発性戦争残存物(ERW)及び対車両地雷(MOTAPM)

対人地雷については重要な措置が採られてきたものの、他の爆発性弾薬によっても多くの人々が死傷している。こうした兵器は、不注意な接触もしくは意図的にいじることによって人々に危険をもたらす。とくに、危険性がよく理解されていない場合がそうである。数は少なくても大きな被害を与える。戦略地域に敷設されると、一個の地雷だけで道路を閉鎖しなければならないほどの損害を与え、日常の活動を中断させてしまうほどの威力がある。たとえば除去防止のための装置や最低限の金属内容など、他の性格を持つMOTAPMとの組み合わせで使用すると、その人道上の影響はきわめて深刻となる。

CCWの「議定書V」のもとに、武力紛争の当事国は爆発性戦争残存物を除去、撤去もしくは破壊しなければならない。また、爆発物の使用もしくは廃棄に関連した情報を記録し、保持、伝達しなければならない。また、一般市民や人道ミッションや団体の保護のために可能な限りの事前の注意を促す義務を有する。そうする立場にある締約国は、マーキング、除去、撤去、破壊、被害者支援について協力や支援を提供しなければならない。議定書Vは2006年に発効した。

「クラスター弾に関する条約(Convention on Cluster Munitions)」は、クラスター弾の使用、貯蔵、生産、移譲を禁止し、2010年に発効した。さらに、被害者やその共同体の適切なケア、リハビリテーションの協力や支援、汚染地区の除去、リスク低減のための教育、貯蔵弾の廃棄のための枠組みも確立している。

宇宙空間における軍備競争の防止

宇宙空間に関連する問題は、二つの異なるラインに沿って国際の場で討議されてきた。一つは宇宙技術の平和目的の応用で、他の一つは宇宙環境における軍備競争の防止である。これらの問題は、総会や宇宙空間平和利用委員会とその補助機関、ジュネーブ軍縮会議で審議されてきた。現在の宇宙技術の応用から得られる利益をより多くの人々が享受できるようにし、さらに多くの利益を提供できるように新しい技術を開発するには、将来の世代の人々が利用できるように宇宙空間の環境を保存、保護する必要がある。このことを目的に、委員会は2010年に「宇宙活動の長期持続可能性に関する作業部会」を設置した。作業部会は2年にわたってその活動を強化してきた。

「宇宙活動における透明性・信頼醸成措置に関する政府専門家グループ(GGE)」は、宇宙活動における透明性・信頼醸成措置の具体的な実施をいろいろな場で促進することを目的とするが、その2013年報告に載せられた勧告に従って、中国、ロシア連邦とアメリカは国連軍縮委員会の2016年実質会期でそれに関連する議題を提案した。

第70回総会の第一委員会は、宇宙空間における兵器の配置禁止を含め、宇宙空間における軍事競争を防止する幅広い問題に関しては意見の一致が見られないままであった。それにもかかわらず、もっとも有望な宇宙旅行国の中国、ロシア連邦、アメリカの3カ国は、透明性と信頼醸成措置の実施に関しては意見の一致を示した。

軍縮の地域的取り組み

国連は地域および小地域のレベルで行われる軍縮イニシアチブを支援し、域内の国家間の安全と信頼醸成措置を促進する。また、軍縮、軍備規制、不拡散のための国際ガイドラインや基準の実施についてこれらの国を支援する。地域の軍縮を進めるために、国連は政府機関や地域の取り決めと共同で作業を進めている。たとえば、アフリカ連合、欧州連合、アラブ連盟、米州機構(OAS)、イスラム諸国会議機構(OIC)、欧州安全保障協力機構(OSCE)、東南アジア諸国連合、太平洋諸島フォーラム、カリブ共同体、それに国際機関や地域機関、現地のNGOなどである。それに加え、アフリカ(www.unrec.org)、アジア太平洋(www.unrcpd.org)、ラテンアメリカ・カリブ海域(www.unlirec.org)にある三つの軍縮平和地域センターが、地域の安全と軍縮を促進する加盟国の努力を支援している。

軍縮広報・教育活動

国連は「軍縮広報計画」の枠組みの中で軍縮と不拡散に関する広報、教育活動を行っている。こうしたことは、軍縮と不拡散に関する出版物、特別行事、会議、セミナー、パネル・ディスカッション、展示会、軍縮問題に関する包括的なホームページなど、多様な活動を通して行われる(www.un.org/disarmament/education)。「国連軍縮フェローシップ計画」は1979年に始まったが、これまで160カ国以上の960人以上の担当官が研修を受けた。研修を受けた人々の多くは現在、それぞれの国で軍縮担当の責任ある地位についている。

軍縮におけるジェンダーの視点

紛争と武器による暴力はジェンダーに異なる形で影響を及ぼす。国連は、武器の回収と廃棄、地雷除去、事実調査の実施、訓練、また政策決定や和平プロセスへの参加など、軍縮のあらゆる側面にジェンダーの視点を取り入れることが重要であるとの理解を促進してきた。ジェンダーの視点は軍備縮小の領域を超えて求められている。例えば、不正な武器の取引の性差による社会的経済的影響から核兵器の性差による生物学的影響まで、さまざまである。2000年10月、安全保障理事会は、その画期的な決議1325(2000)のなかで、「軍縮、動員解除、社会への統合の企画に従事するすべての者に、女性および男性の元戦闘員のそれぞれ異なるニーズを考慮に入れるよう」奨励した。2015年に発表された国連安全保障理事会決議1325に関する「グローバルな研究」(https://wps.unwomen.org/)は、小型武器と暴力、ジェンダーとの関連性を強調し、性差による暴力と武器の取引との結びつきを認め、武器貿易条約に加入するようすべての国に要請した。武器貿易条約の7条(4)項は、性差による暴力行為を犯すために利用される武器のリスクを検討するよう締約国に求めている。

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