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2030アジェンダ出典「国連の基礎知識」

2000年9月にニューヨークで開かれた国連ミレニアム・サミットで189人の世界の指導者は「ミレニアム宣言」を承認した。ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals: MDGs)(www.un.org/millenniumgoals)は、2015年までに達成すべき期限を決めた、測定可能な八つの目標で、宣言実施のための行程表である。MDGsは、貧困を削減し、貧しい人々の生活を改善するための集団的行動のための枠組みを提供するものである。MDGsには8項目の明確な目標を超えて貧困と飢餓の解消や保健、教育、生活環境、環境の持続性、ジェンダーの平等などの改善で見られる進歩を測定する12項目の期限を定めたターゲットが含まれる。

2015年までに、グローバル、地域、国家、地方のレベルでの協調努力によって、すべての目標について大きな進歩が見られ、何百万という人々の生活が改善された。「ミレニアム開発目標報告2015」(https://www.un.org/millenniumgoals/2015_MDG_Report/pdf/MDG 2015 rev (July 1).pdf)に述べられたデータや分析は、目標にそった介入、健全な戦略、適切な資源、そして政治的意思があれば、たとえもっとも貧しい国でも劇的かつ未曽有の進歩を達成できることを証明した。同時に、多くの領域で成果は一様ではなく、不足していることも認めた。そうした状況のもとに、MDGsに関する事業はまだ終わっておらず、新たな開発の時代へと継続する必要があった。

MDGsおよび地球サミットによる成果とそこから学んだ教訓を踏まえて、2015年9月25日から27日まで「ポスト2015開発アジェンダ」採択のために開かれた国連サミットで、加盟国は決議20/1「われわれの世界を変革する: 持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択した。「2030アジェンダ」は、ミレニアム開発目標(MDGs)が達成できなかった事業に取り組む一方で、三つの側面、すなわち経済、社会および環境における持続可能な開発をバランスの取れた、統合された方法で達成することを目指す。それは、国連の活動の三つの柱の目標、すなわち平和と安全、人権、そして持続可能な開発の目標を単一のアジェンダに統合するという、この種の合意では初めてのものである。それは、経済や社会の問題に個別に焦点を合わせるというこれまでの開発へのアプローチからのパラダイムシフトを反映している。また、ミレニアム開発目標に比べ環境により大きな力が注がれている。

大胆かつ斬新、「2030アジェンダ」は2030年までに貧困を撲滅し、持続可能な未来を追及する。それは普遍的なアジェンダで、一つの「宣言」、2030年までに達成すべき「17の目標」(以下参照)、活性化されたグローバルなパートナーシップも含めた「実施手段」、「レビューとフォローアップ」のための枠組み、から構成されている。広範囲に及ぶ貧困、不平等の高まりと富、機会、権力の格差の問題から環境の悪化と気候変動がもたらす危機の問題まで、世界は今計り知れないほどの挑戦に直面している。2030アジェンダはあらゆる面で貧困を終わらせる行動計画を提供している。「だれ一人取り残さない」し、「もっとも取り残された人には最初に手を差し出す」。また、気候変動、防災、開発のための融資に関して2015年に開かれた他の三つの会議で採択された成果に基づいて事業を進める。