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人や国の不平等をなくそう出典「国連の基礎知識」

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各国内及び各国間の不平等を是正する。SDG目標の一つは、すべての国の人口のもっとも貧しい40パーセントの人々の所得の伸びをその国の平均よりも速くすることである。2007年から2012年までのデータによると、このことは94カ国中56カ国で事実であった。しかし、このことは必ずしも大きな繁栄を意味するものではない。これらの国のうち9カ国がマイナスの成長率を経験したからである。貿易において開発途上国や後発開発途上国(Least Developed countries: IDCs)の優遇措置はより以上の貿易の機会を作り出し、不平等解決に役立つかもしれない。主な開発先進国はすでに関税分類品目に対して無税の市場アクセスを後発開発途上国へ提供している。無税の恩恵を受けている後発開発途上国や開発地域の輸出のシェアは2004年から2014年までに増加した。開発途上国に関しては79パーセントで、後発途上国では84パーセントであった。

SDG 10は所得の不平等の軽減を求めている。同時に、性、年齢、障害、人種、階級、民族、宗教、機会にもとづく不平等や各国内及び国家間の不平等の撤廃を求めた。また、安全かつ秩序だった、正規の移民を確保することも目指している。

LDCs、LLDCs およびSIDS

後発開発途上国(LDCs)、内陸開発途上国(LLDCs)、小島嶼開発途上国(SIDS)は、持続可能な経済成長と開発に対してもっとも厳しい制約に直面する国際社会の一部の国々を意味する(http://unohrlls.org/)。これらの国は重要な経済、環境、保健に関連した打撃にさらされているばかりではなく、そうした危険に耐え、対処するだけの能力をそなえていない。その結果、LDCやLLDCs、SIDSは、打撃を受けた際に、その開発の成果が覆される可能性に直面する。

後発開発途上国は低所得国で、もっとも厳しい構造上のハンディキャップを有する。とくに人的資本のストックが非常に低く、また生産も輸出ベースも狭い。制度面での能力も低く、国家の開発政策を作成、実施、持続させる能力は損なわれ、また、国際的なレベルでの政策論議に参加することもできない。

LLDCとSIDSはともにその地理的条件による課題との関連で定義づけられている。LLDCは開発途上国で、直接の海岸へのアクセスを持たない。これらの国は近隣諸国や沿岸諸国の貿易、運輸システムに依存しなければならない。しかし、これらの国は自国と同じように不安定である。そうした依存は、主要な消費市場から離れていることと相まって、輸送費やその他の貿易取引の費用を非常に高いものにしてしまう。その結果、競争力のある製品や輸出ベースを構築し、グローバルなマーケットと競合し、強い投資と経済成長を持続させ、社会的持続可能性や環境維持を促進する能力が限定される。SIDSは面積が小さい。陸塊の面からみても人口の面からみても、またはその双方の点からみて小さい。これらの国々もまた生物多様性の損失に大きくさらされ、また気候変動や自然災害の影響に不釣り合いなほどに耐えなければならない。生産物は限定され、輸出ベースはもっとも狭く、経済成長が不安定な国である。

LDCs、LLDCsおよびSIDS特有の開発課題を認めて、国連は10年に1回、これらの国々に関する会議を開催する。会議ではこれらの国々の開発を支援するコンパクトが採択される。こうした枠組みの中でもっとも新しいのが「LDCsのためのイスタンブール行動計画(2011-2020年)」、「LLDCsのためのウィーン行動計画(2014-2024年)」、「SIDSのためのSAMOAパスウェー(2014年)」である。これらの10カ年行動計画は、これらのグループの国々の目的を確立し、行動の優先度を明らかにする。これらのほとんどは目標や目的によって支援される。

小さな島々

その生態学的な脆弱性、小さな面積、限られた資源、市場からの孤立のために、SIDSはグローバル化の恩恵を受ける能力が限定され、また、そうしたことがこれらの国や地域の経済社会開発の大きな障害となっている。SIDSの持続可能な開発に関するこれまでの会議の成果文書には「バルバドス行動計画(1994年)」と「モーリシャス戦略(2005年)」がある。「モーリシャス戦略」は、気候の変化と海面水位の上昇、自然災害と環境災害、廃棄物の管理、観光・生物多様性の資源、運輸と通信、グローバル化と貿易の自由、持続可能な生産と消費、能力の強化と持続可能な開発のための教育、保健、知識管理、政策決定のための情報などの問題を取り上げている。

第3回小島嶼(SIDS)国際会議が2014年9月にサモアのアピアで開催された。テーマは「真正かつ永続的なパートナーシップを通じたSIDSにおける持続可能な開発」であった。300件近くのパートナーシップが会議で発表された。会議で採択された成果文書、「SIDS 加速された行動様式(SAMOA) Passway」(https://sustainabledevelopment.un.org/samoapathway.html)は、SIDSのための優先分野を述べ、持続する開発目標を達成しようとするSIDSの努力に対する緊急行動と支援をするよう求めている。