気候変動の原因
石炭、石油、ガスなどの化石燃料の燃焼は、世界で起きている気候変動の最大の原因であり、世界の温室効果ガス排出量の75%超、すべての二酸化炭素排出量のおよそ90%を占めています。
排出された温室効果ガスが地球を覆うと、太陽の熱が閉じ込められます。これにより、地球温暖化と気候変動が引き起こされます。現在、観測史上最も速いペースで、地球の温暖化が進んでいます。
発電
世界の温室効果ガス排出の大きな原因は、化石燃料の燃焼による電気と熱の生成です。電力のほとんどは今なお石炭、石油、天然ガスを燃やすことでつくられており、それによって二酸化炭素と亜酸化窒素が発生します。これらは、地球を覆って太陽の熱を閉じ込める強力な温室効果ガスです。 世界的に見ると、風力、太陽光、その他の再生可能なエネルギー源から供給される電力は全体の1/4強にすぎません。これらのエネルギー源は、化石燃料とは対照的に、温室効果ガスや汚染物質をほとんど、またはまったく大気中に排出しません。
商品生産
製造業と工業は、主に化石燃料を燃やして、セメント、鉄鋼、電子機器、プラスチック、衣服、その他の商品を生産するためのエネルギーを生成しており、それによって温室効果ガスを排出します。鉱業やその他の産業の工程でも温室効果ガスが排出されます。建設業でも同様です。製造工程で使用される機械は、多くの場合、石炭、石油、または天然ガスで稼働します。プラスチックなどの素材は、化石燃料を元にした化学物質から作られます。製造業は、世界で最も多く温室効果ガスを排出している分野の一つです。
森林伐採
農地や牧草地を作るなどの理由で森林を伐採すると、温室効果ガスが排出されます。樹木が伐採されると、樹木に貯蔵されていた炭素が放出されるからです。毎年、約1,200万 ヘクタールの森林が破壊されています。樹木は二酸化炭素を吸収するので、森林が破壊されると、二酸化炭素の大気への放出をとどめる自然の力も低下します。森林破壊は、農業およびその他の土地利用の変化によって、世界の温室効果ガス排出の原因の約1/4 を占めています。
輸送手段の使用
自動車、トラック、船、飛行機のほとんどは化石燃料で動きます。そのため、輸送は温室効果ガス、特に二酸化炭素の排出の大きな原因となっています。中でも最大の原因は道路車両です。それらはガソリンなど、石油を原料とする物質を内燃機関で燃焼させるからです。しかし、船と飛行機からの排出量も増え続けています。輸送は、世界のエネルギー関連の二酸化炭素排出のほぼ1/4の原因を占めています。 さらに、輸送のためのエネルギー使用は、今後数年間で大幅に増加する傾向が見受けられます。
食料生産
食料生産は、さまざまな形で二酸化炭素、メタン、そのほかの温室効果ガスの排出を引き起こします。森林破壊や農業と牧畜のための土地の開墾、牛や羊による牧草の消費、農作物を栽培するための肥料の生産と使用、多くは化石燃料を使う農機具や漁船を動かすためのエネルギーの使用などが挙げられます。これらすべてにより、食料生産は気候変動の大きな原因となっています。また、食品の包装と流通も温室効果ガスの排出をもたらします。
建物への電力供給
世界的に見て、住宅と商業ビルは全電力の半分以上を消費しています。建物の冷暖房のために石炭、石油、天然ガスを利用し続けると、大量の温室効果ガスが排出されます。近年は、エアコン所有の増加による冷暖房用のエネルギー需要の高まりと、照明、電化製品、接続機器の電力消費量の増大に伴い、建物からのエネルギー関連の二酸化炭素排出量が増加しています。
大量消費
あなたの家がどのような住まいか、あなたがどれだけ電気を使うか、どのように移動するか、何を食べるか、どれほどモノを捨てるかは、すべて温室効果ガスの排出に影響します。衣服、電子機器、プラスチック製品などの商品の消費も同様です。世界の温室効果ガス排出の大部分は、人々の暮らしと関連しています。私たちのライフスタイルは、私たちの地球に甚大な影響を及ぼします。最も大きな責任があるのは最も富裕な人々です。世界の人口の最も豊かな1%が、最も貧しい50%よりも温室効果ガス排出について多くの責任を負っています。
国連の各種資料を基に作成
出典
本ページの原文(English)はこちらから