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国連宇宙部出典「国連の基礎知識」

ウィーンにある「国連宇宙部(United Nations Office for Outer Space Affairs)」(www.unoosa.org)は、宇宙空間平和利用委員会とその小委員会の事務局を務め、開発途上国が開発のために宇宙技術を利用できるように支援する。宇宙部は、その「国際宇宙情報システム」を通して宇宙に関係する情報を加盟国に提供し、「宇宙空間に打ち上げられた物体に関する国連登録」を維持する。国連宇宙応用計画(United Nations Programme on Space Applications)を通して、宇宙科学と技術の利用方法を改善して、とくに開発途上国を中心に、すべての国の経済社会開発に貢献する。また、この計画のもとに、パイロット・プロジェクトを行う加盟国に技術的な諮問サービスを提供し、遠隔探査、通信衛星、気象衛星、衛星航法、基礎的な宇宙科学や宇宙法などについて訓練や研修計画を実施する。

宇宙部はまた、「国際災害チャーター(International Charter,“ Space and Major Disasters”)」の協力機関となっている。これは、国連の諸機関が、災害の対応に必要な衛星画像を要求できる機構である。また、「衛星航法システムに関する国際委員会(International Committee on Global Navigation Satellite Systems)」の事務局も務める。これは非公式な機関で、衛星ベースの位置決め、航法、時間調整、付加価値サービスを始め、全地球的な衛星航法システムの適合性や相互運用性について協力を促進する。同時にとくに開発途上国において、持続可能な開発を支援するためにより以上に利用されるようにする。

宇宙部は新たに設置された「国連防災緊急対応衛星情報プラットフォーム(United Nations Platform for Space‒based Information for Disaster Management and Emergency Response: UN‒SPIDER)」を管理する。UN‒SPIDER(www.un-spider.org)は2006年12月に総会が設置した機関で、すべての国や関連の国際機関や地域機関が、防災サイクルを支援するあらゆるタイプの宇宙ベースの情報やサービスを受けられるようにすることを目的としている。また、宇宙ベースの情報を利用した防災プランニング、リスク削減、緊急対応に関する支援を受ける国の数を増やし、宇宙ベースの技術の利用に関する方針を策定する。

宇宙部は、また、国連と提携する宇宙科学や技術教育のための地域センターや宇宙科学技術教育ネットワークに対して技術援助を行っている。地域センターは、加盟国と共同で、宇宙科学技術の能力を高める。また、宇宙科学技術を持続可能な開発のために利用できるように、科学者や研究員の技能や知識を向上させる。現在、4つの地域センターがある。モロッコとナイジェリアにある2つのアフリカ地域センター、インドにあるアジア・太平洋地域センター、メキシコとブラジルにある合同ラテンアメリカ・カリブ地域センターである。

宇宙部は「宇宙空間活動に関する機関間会合(Inter‒Agency Meeting on Outer Space Activities)」の事務局も務めている。会合は1975年以来毎年開かれ、国連諸機関間の宇宙関連の協力を強化し、活動の調整を図り、相乗効果を高め、あらたなイニシアチブを検討する。また、国連システムの宇宙関連活動の調整に関する事務総長報告を作成する。

会議

国連はこれまで宇宙空間の探査と平和利用に関する主要会議をこれまで3回開催した。すべてウィーンで開催された。最初の会議は1968 年に開催され、宇宙研究と探査がもたらす具体的な恩恵と非宇宙国、とくに開発途上国がどの程度の恩恵を享受できるかについて検討した。第2回会議(UNISPACE ’82)は、宇宙科学技術の現状についての評価を行い、宇宙技術を開発のためにどのように応用できるかを検討した。また、国際宇宙協力のあり方についても討議した。1999年に開かれた第3回会議(UNISPACE III)は、各国がとるべき多様な行動の概要を示した。すなわち、グローバルな環境を保全し、かつ天然資源を管理すること、人間の安全保障と開発、福祉のために宇宙技術をより以上に利用すること、宇宙環境を保護すること、宇宙科学とその恩恵への開発途上国のアクセスを増大させること、とくに若い人々を対象にした訓練と教育の機会を拡大すること、などが求められた。UNISPACE III はまた、自然災害の軽減、救援、防災のためのグローバル・システムの実施、識字率向上のための教育計画の改善と人工衛星関連のインフラ整備、地球に近い宇宙物体に関連した活動の国際的な調整、も求めた。

2004年、総会は、UNISPACE III勧告の実施状況の5年後の再検討を行った。総会が承認した行動計画は、持続可能な開発のためのグローバルな課題を支援するために、宇宙空間の利用におけるさらなる行動を求めた。UNISPACE III勧告の実施によって、「国連防災緊急対応衛星情報プラットフォーム(UN‒SPIDER)」や「衛星航法システムに関する国際委員会」が設置された。