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制裁出典「国連の基礎知識」

安全保障理事会は、平和が脅かされ、外交努力が失敗に終わったときには強制的な措置として義務的な制裁に訴えてきた。近年制裁の対象となったのはアフガニスタン、朝鮮民主主義人民共和国、エリトリア、エチオピア、ハイチ、イラン、イラク、リベリア、リビア、ルワンダ、シエラレオネ、ソマリア、スーダン、アンゴラの「アンゴラ全面独立民族同盟(UNITA)」、旧ユーゴスラビアである。制裁には包括的な経済制裁や禁輸措置が含まれ、より具体的には武器禁輸、渡航やスポーツ交流の禁止、金融規制、外交関係の断絶などがある。

制裁の特質は武力の使用に訴えることなく、国家もしくは主体に圧力をかけることによって、安全保障理事会が求める要求を受諾させることである。従って、制裁は、理事会の決定を実施させる重要な道具を理事会に提供するものである。その普遍的な性格からみて、制裁を決め、監視するには国連がとくにふさわしいと言える。同時に、多くの国や人道機関は、高齢者、障害者、難民、子供を持つ母親など、社会の最大の弱者に制裁が不本意に与える悪影響について懸念を表明してきた。また、制裁が、被制裁国との貿易や経済関係を中断しなければならない第三国の経済に及ぼす経済的、社会的、政治的な負の影響についても懸念される。

制裁の方法と実施を改善する必要があることは、これまでにも増して認識されるようになった。安全保障理事会の決議の中に人道的例外事項を入れるとか、また制裁の対象をより明確にすることなどによって、制裁の負の影響を緩和することができる。いわゆる「スマートな制裁」が支持を得てきているが、これは国民一般ではなく、権力の座にある人々に圧力を加えることによって人道援助の費用を削減しようとするものである。たとえば、「スマートな制裁」の例としては、エリート階級の人々や最初に制裁の対象となる行動をとった主体の金融資産の凍結や金融取引を禁ずることなどがある。