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条約の下に設置された機関出典「国連の基礎知識」

海洋法条約の下には、海洋法のさまざまな側面を取り扱う3つの機関が設けられている。

国際海底機構(International Seabed Authority)(www.isa.org.jm)を通して、締約国は、「国の管轄権以遠の海底並びに海床およびその底土層」と定義づけられた国際海底地域にある深海底鉱物資源に関係した活動を組織、管理する。1994年に発足し、ジャマイカのキングストンに置かれている。2002年、海底機構は、この鉱区における多金属性団塊の探査と開発に関する規則を採択した。

開発契約の標準的条項を載せた規則の採択に続き、深海底における多金属性団塊の開発のための最初の15年契約が登録された先行投資者によって2001年に署名された。これらの先行投資者とは国営企業もしくは多国籍の共同事業体で、条約の採択前に鉱区で探査活動を行って経済的に開発可能な多金属性団塊の埋蔵区域の位置を決定し、エンタープライズ(事業体)を例外として、採鉱の許可について他の申請者よりも優遇扱いをされる者である。エンタープライズ(事業体)は国際海底機構の下に設立された機関で、条約に述べられているように深海底で活動を行う。また、採取された鉱物の輸送、精錬および販売も行う。企業の機能は現在、海底機構の法律技術委員会によって実施されている。

国際海洋法裁判所(International Tribunal for the Law of the Sea)」(www.itlos.org)は、条約の解釈もしくは適用から生じる紛争を解決するために設立され、1996年に活動を開始した。締約国が選ぶ21人の裁判官から構成され、ドイツの海港ハンブルクに置かれている。2001年、裁判所は訴訟を起こす最初の申請を受け取った。

2013年6月現在、21件の紛争が裁判所に付託された。事件のほとんどは条約に違反して拿捕されたとする船員や船舶の早急な釈放を求めたものであった。いくつかの事件は生物資源の保存に関するものであった。たとえば、ニュージーランド対日本およびオーストラリア対日本のミナミマグロの資源量に関する事件である。また、ある事件は、アイルランド対イギリスの事件のように、陸にある発生源からの汚染防止に関する事件で、使用済み核燃料を再処理する工場から出る汚染を訴えたものであった。これら21件の事件のうち、2013年6月現在で裁判所の訴訟事件一覧表に載っている事件は2件である。1つは、オイルタンカーに関するパナマ対ギニアビサウの紛争で、他は、小地域漁業委員会が勧告的意見を求めたものである。

大陸棚の限界に関する委員会(Commission on the Limits of the Continental Shelf)(http://www.un.org/depts/los/clcs_new/clcs_home.htm)の目的は、沿岸国の陸地の海面下部分がその海岸線から200カイリを超えて伸びている場合、大陸棚の外側の限界を設定することに関して、海洋法条約の実施を支援することである。条約は、領海の基線から200カイリまでを大陸棚を構成する最低限の法的な幅としている。条約の第76条の下に、大陸棚が200カイリを越えるような場合は、沿岸国は、特定の科学的、技術的方式によって申請し、それによって法律上の大陸棚の外側の限界線を設定することができる。委員会の第1回会期は1997年に国連本部で開かれた。条約の締約国によって選ばれる21人の委員は個人の資格で務める。全員、地質学、地球物理学、水路学、測地学の専門家である。委員会は2001年12月に締約国であるロシア連邦から最初の申請を受けた。