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条約の影響出典「国連の基礎知識」

締約国は、国内および国際の立法措置を通して、また関連の政策決定を通して、海洋法条約はこの分野における卓越した国際的な法律文書であるとして、一貫してその権威を主張してきた。その明白な権威は条約の主要条項のいくつかはほとんど普遍的に受け入れられていることでも分かる。たとえば、12カイリの領海の巾、200カイリまでの「排他的経済水域」に対する沿岸国の主権的権利と管轄権、また、200カイリまでの距離まで伸びる大陸棚もしくは、ある条件の下では、その制限を越える大陸棚に対する主権的権利などである。同時に、領海における無害通航、国際航行に使用されている海峡の通過通航、群島航路帯通過通行、排他的経済水域における航行の自由、こうした権利を確立することによって安定した航行が可能となった。

海洋法条約のほとんど普遍的な受諾が可能となったのは、「国連海洋法条約第11部の実施に関する協定(Agreement Relating to the Implementation of Part XI of the Convention)」が1994年に総会によって採択され、主に先進工業国の署名を妨げてきた海底に関するある種の障害が取り除かれたからであった。この第11部協定も今では広く受け入れられ、2010年12月現在の加入国は、140カ国であった。

条約はまた、その管轄権の行使において、海洋の科学的調査を規制し、認可し、実施する沿岸国の権利と海洋環境の汚染の防止、緩和、規制する義務、それに沿岸国の排他的経済水域の生物海洋資源の開発に参加する内陸国の権利について規定している。こうした規定も認められてきた。さらに、条約は、海洋における権利と義務の再定義を求める将来の文書についても、枠組みと基礎を提供するものとしても認められている。

この点に関して、1995年の「複数の水域にまたがる魚類および高度回遊性魚類資源に関する協定(Agreement on Straddling Fish Stocks and Highly Migratory Fish Stocks)」は、魚種資源の保存と管理のための法的レジームを設立し、海洋法条約のこれらの魚種資源に関連する規定を実施している。同協定は、魚種資源の長期的、持続可能性を確保し、その最善の利用を促進する措置を取るための協力を加盟国に求めている。協定は、漁業管理に対する予防的かつ生態系学的アプローチの適用および入手しうる最善の科学的証拠に基づく保存、管理措置の採用について規制している。締約国はまた、国家管轄権の下にある海域および隣接の公海におけるこれらの魚種資源にかんする措置について、その適合性を達成するために協力するよう求められた。2010年12月現在、協定の加入国は78カ国であった。