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国際人道法出典「国連の基礎知識」

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国際人道法は戦争の手段や方法を規制する原則や規則、それに文民、病人や負傷した戦闘員、戦争捕虜のような人々の人道的保護を扱ったものである。主要な文書としては、赤十字国際委員会の主催のもとに採択された1949年の「戦争犠牲者の保護のためのジュネーブ諸条約(Geneva Conventions for the Protection of War Victims)」と2つの1977年追加議定書(1977 Additional Protocols)がある。

国連は国際人道法の発達に先導的な役割を果たしてきた。安全保障理事会は武力紛争時における文民の保護、人権の促進、戦時における子どもの保護にますます関与するようになった。旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所(International Criminal Tribunal for the former Yugoslavia、1993年)とルワンダ国際刑事裁判所(International Criminal Tribunal for Rwanda、1994年)の設置は、説明責任の確保に貢献しているばかりでなく、人道法の強化と正しい認識の向上にも貢献している。このことは、関係国が実質的な国連の支援を受けて設置した3つの裁判所についても当てはまる。すなわち、シエラレオネ特別裁判所(Special Court for Sierra Leone、2002年)、カンボジア国内裁判所に設置された特別法廷(Extraordinary Chambers in the Courts of Cambodia、2006年)、レバノン特別裁判所(Special Tribunal for Lebanon、2007年)である。これらの裁判所は時には「合同」裁判所とも呼ばれ、常設の裁判所ではなく、すべての事件が解決され次第なくなる。

総会は、国連の政治的な場として、多くの国際条約の作成に貢献してきた。これによって、国際人道法の範囲と適用は大幅に向上した。たとえば、1948年の「集団殺害罪の防止および処罰に関する条約(Convention on the Prevention and Punishment of the Crime of Genocide)」、1968年の「戦争犯罪および人道に対する罪に対する時効不適用に関する条約(Convention on the Non-applicability of Statutory Limitations to War Crimes and Crimes against Humanity)」、1980年の「過度の傷害を与え又は無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の使用の禁止又は制限に関する条約(Convention on Prohibition and Restrictions on the Use of Certain Conventional Weapons which may be deemed to be Excessively Injurious or to have Indiscriminate Effects)」と5つの議定書(Protocols)、総会が1973年に採択した「戦争犯罪及び人道に対する罪の犯罪人の捜索、逮捕、引渡しおよび処罰における国際協力に関する原則(Principles of International Cooperation in the Detection, Arrest, Extradition and Punishment of Persons Guilty of War Crimes and Crimes against Humanity)」、2008年の「クラスター弾に関する条約(Convention on Cluster Munitions)」などがある。

総会はまた、1998年に国際刑事裁判所ローマ規程(Rome Statute of the International Criminal Court)を採択した外交官会議の開催を容易にした。この画期的出来事に先立ち、刑事裁判所準備委員会は、集団殺害、戦争犯罪、人道に対する罪について「犯罪の構成要件」をまとめた。これは国際人道法にとっての大きな貢献であった。