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国際女性の日特集シリーズ
女性職員から見た、職場としての国連
~第2回 国連訓練調査研究所(UNITAR) 隈元美穂子(くまもと みほこ)所長~

革新的な研修プログラムの実施や調査研究を通じて、開発途上国の公務員や国連職員の能力開発を行なう国連訓練調査研究所 (UNITAR)。2014年1月に現職に着任したばかりの隈元美穂子所長に以下の質問をしました。

(1) 貴機関の所長になるまでのキャリアについて教えて下さい。

womans_day_2014_vol2_1米国にあるウエストバージニア大学を卒業して帰国し、九州電力株式会社企画部にて6年間勤務しました。そこで欧米諸国や東アジア、東南アジア諸国の電力会社に対する研修を実施し技術交流の促進を担当しました。仕事を通じて開発の仕事に興味を見いだし、退社し、米国コロンビア大学の修士課程に入り開発経済学を勉強しました。

その後外務省によるJunior Professional Officer(JPO)プログラム(外務省が、将来的に国際機関で正規職員として勤務することを志望する若手邦人を対象に、一定期間各国際機関で職員として勤務する機会を提供する制度)に受かり、最初の赴任地として国連開発計画(UNDP)のベトナム事務所に2年間勤務し、そこでプログラムオフィサーとして様々な環境のプロジェクトを担当しました。そこからUNDPのニューヨーク本部に異動し、そこで12年間気候変動適応のプロジェクトを担当しました。この間多くのアフリカへの出張を行いました。2010年にはUNDPサモア事務所にて環境部長として勤務しました。2012年にUNDPインドネシア事務所にシニアアドバイザーとして勤務を経た後、UNITAR広島事務所長に着任しました。

(2) ワーク・ライフ・バランスはどのように保っていますか?

バランスをとるのは非常に難しいと実感しています。1歳になる娘がいるので、母親としての役割を果たす重要性を常に感じています。幸いにして、主人が仕事を一時中断して娘の面倒を日中は中心に見てくれているので、とても助かっています。私は与えられた時間の中で効率よく仕事をこなし、仕事が終わってから娘が寝付くまでは母としての役割を充分に果たす事よう心がけています。でも、なかなか難しいです。時間がもっとあればと常に感じています。

(3) 国連で働く中で、女性であることが活かせた経験はありますか?反対に、女性であることが障害となった経験はありますか?

あらゆる国において女性は厳しい状況に直面しています。それは貧困層における女性の割合や、女性と男性の賃金の差等を見ても明らかです。自分が女性であり、かつ色々な宗教や文化の違う国に住む機会に恵まれたので、女性がどのような立場に置かれているかというのを色々な状況で直接見る機会に恵まれました。自分が女性であるということで、その状況をより深く理解できたと思います。また国連は女性職員の雇用を促進しているので、女性であるということで雇用機会のプラスになると思います。

その一方更なる努力が必要と感じたのは、アプローチの仕方です。一概には言えませんが、女性は男性に比較するとアプローチが控えめである場合があります。積極的に前に出る努力は常に必要だと思います。

(4) 貴機関では、世界各地で起きている女性をとりまく問題に対してどのようにアプローチしていますか?また、その活動を通して目指している、女性の社会でのあり方とは何ですか?

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アフガニスタン・イスラム共和国財務省とパートナーシップを進化させる協定書を締結

UNITARは訓練研修を通じて世界の色々な国の能力開発に携わっています。多くの女性の方々にUNITARの研修に参加していただき、様々な分野の専門知識を獲得し、他の人々とネットワークを作り、専門知識を現場で使用する際のフォローアップを支援することで、女性の社会でのさらなる活躍に貢献しています。開発は最終的には人の力で行うもの。女性と男性が平等に能力を開発していく機会に恵まれ、平等に社会の構築に貢献できる社会づくりに貢献したいと思っています。

(5) 貴機関の女性に関する人事政策について特徴的な点があれば、挙げてください。

女性の雇用は積極的に実施しています。例えば同じ経験で同じ能力の候補者が2人いた場合、一人が女性でもう一人が男性であった場合は女性の方が優先されます。ただし、性別は考慮される多くの要素のひとつです。一番大切なのは、その分野での専門知識を磨くことだと思います。

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アフガニスタン奨学プログラムの様子

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文化遺産プログラムの研修を実施

(6) 国際舞台で活躍したいと思っている女性に一言お願いします。

国連機関には多くの女性が働いています。様々な国の人々と仕事ができる最高に面白い舞台だと思います。仕事と家族と両立が可能か悩まれる方もいらっしゃるかと思いますが、国際舞台で活躍されている様々な女性が様々な形でがんばって両立されています。是非新世代の方々にもこの舞台に参加していただければと思います。

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広島県の湯崎知事と対談