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パレスチナ難民出典「国連の基礎知識」

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UN Photo/Eskinder Debebe

国連パレスチナ難民救済事業機関(United Nations Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East: UNRWA)は、1950年以来、教育、保健、救済、社会的サービスをパレスチナ難民に提供してきた。総会は、1948年のアラブ・イスラエル戦争で住居や生計を失ったおよそ75万人のパレスチナ難民を緊急に救済するためにUNRWAを設立した。2010年末現在、UNRWAはヨルダン、レバノン、シリア・アラブ共和国、パレスチナの被占領地(西岸とガザ地区で構成)に住む470万人以上の登録パレスチナ難民に必須の基本サービスを提供していた。この10年、UNRWAの人道的役割の必要性は、この地域における度重なる紛争によってさらに強まった。

教育がUNRWAの最大の活動領域で、通常予算の60パーセント近くを占める。UNRWAは中東で最大の学校制度の1つを運営している。691校の学校、2万2,000人の教育スタッフ、48万3,000人の就学生徒(49.8パーセントが女子生徒)、10校の職業訓練センター、6,395カ所の研修サイト、3つの教育科学部、900人の養成中の教師、そして1,400人の学生教師で構成される。また、137の保健センターのネットワークを持ち、2009年には1,100万回の治療を行った。環境衛生プログラムは飲料水の質を管理し、衛生施設を提供し、難民キャンプで病気の媒介動物や野ねずみの防除などを実施する。

2009年、およそ25万7,000人のもっとも貧しく、自立できない難民が、食糧や住居の提供など、特別の生活保護手当てを受けた。他方、2009年の所得創出計画は、被占領パレスチナ、シリア、ヨルダンにおける零細企業や中小企業に対して、1,500万ドルに相当する1万2,000件以上の小口融資を行った。同じ年、およそ26万5,000人が特別手当を受けた。これは最低水準の栄養と住居を確保し、かつ自立を促すためのものであった。西岸やガザ地区の所得創出計画は、中小企業や小規模企業に対して3,000ドルから7万5,000ドルまでの融資を行った。受益者のほとんどは女性であった。

UNRWAのこれまでの努力によって、インフラ整備が進み、雇用が創出され、経済社会状態が改善された。地方の行政や執行機関を通して活動する他の国連機関とは異なり、UNRWAは難民に直接そのサービスを提供する。自身でその活動やプロジェクトを策定し、実施する。また、学校や診療所のような施設を建設し、運営する。国際社会は、UNRWAは中東情勢を安定させる要因だと見なしている。難民自身もUNRWAの事業はパレスチナ難民問題を解決するという国際社会のコミットメントの象徴であると見なしている。