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人道支援と保護出典「国連の基礎知識」

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UN Photo/UNICEF/Marco Dormino

3つの国連機関、すなわち国連児童基金(ユニセフ)、世界食糧計画(WFP)、国連難民高等弁務官(UNHCR)が、人道危機の際に保護と援助を提供することで主要な役割を担う。

子どもと女性が難民や避難民の大多数を占める。厳しい緊急事態の際は、国連児童基金(United Nations Children's Fund: ユニセフ)が他の救援機関と協力して水と衛生施設のような基礎サービスの再建を助け、学校を再開させ、予防接種や医薬品、その他を家や土地を失った人々へ提供する。ユニセフはまた一貫して、子どもの保護のためにより効果的な行動をとるよう政府や交戦当事者に要請する。紛争地帯では、子どもの予防接種のようなサービスを提供できるように停戦について交渉することもある。そのため、ユニセフは戦争地帯で「平和地帯としての子どもたち(children as zones of peace)」の概念を打ち出し、また「休戦の日(days of tranquility)」や「平和の回廊(corridors of peace)」を創設した。精神的外傷に苦しむ子供のために特別援助計画を実施し、また同伴者のいない子どもたちが両親や近親者と再会できるようにすることも行う。2012年、ユニセフは79カ国で286件の人道的状況に取り組み、8億900万ドルの人道援助を行った。

世界食糧計画(World Food Programme: WFP)は、世界のほとんどの難民や国内避難民も含め、自然災害や人為的災害の何百万という被災者を対象に迅速かつ効率的な救援物資を提供する。WFPの財政的、人的資源のほとんどがそうした危機のために使われる。10年前、WFPが提供した食糧援助の3分の2が、人々の自立を助けることに使われた。今日ではWFP資源の4分の3が人道危機の被災者のために使われる。2012年、80カ国の9,720万人が350万トンの食糧援助を受けた。その中には国内避難民、難民、エイズによって孤児となった子ども、紛争や洪水、干ばつ、地震のような自然災害の被災者が含まれる。戦争または災害が発生すると、WFPはまず緊急救援活動を持って迅速に対応し、次いで生活や生計の建て直しを目的に円滑かつ効果的な復興のための活動を開始する。WFPはまた、UNHCRが管理するすべての大規模な難民給食活動のために食糧や資金を動員する責任も負っている。

開発途上国の農村人口は災害に対してもっとも脆弱である。これらの農村のほとんどがその食糧安全保障と生計を農業に依存している。したがって、農業、家畜業、漁業、林業についての国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations: FAO)の専門知識は、緊急救援や復興にとって不可欠である。FAOは、防災、災害の緩和、準備、対応について国々を援助している。FAOの「世界食糧農業情報早期警報システム(Global Information and Early Warning System: GIEWS)」(www.fao.org/giews)は、世界の食糧情勢に関する最新の情報を定期的に提供する。また、WFPとともに、人為的災害や自然災害のために食糧の供給が不安定な国の食糧事情についての評価も行う。これらの評価に基づいて、緊急食糧援助作戦が作成され、FAOとWFPによって承認される。災害後や複合緊急事態におけるFAOの活動は、農業生活の保護と復興を中心に進められる。FAOは、現地の農業生産を回復させ、それによって人々が食糧援助やその他の形の援助から抜け出し、自立を高め、救援や対処戦略の必要を軽減させることを目指す。

世界保健機関(World Health Organization: WHO)の支援プログラムは、緊急事態や災害の被災者の保健に関するニーズを評価することに焦点を合わせ、保健に関する情報を提供し、調整や計画策定を支援する。WHOは栄養や伝染病の監視、感染症の予防、予防接種、基本的な薬品や医療器具の管理、性と生殖の健康と精神の健康などの領域で緊急援助計画を実施する。WHOは緊急事態発生の国においてポリオを撲滅し、結核やマラリアの発生を食い止めるために特別の努力を行っている。

国連人口基金(United Nations Population Fund: UNFPA)もまた、緊急事態が発生すると迅速に行動する。混乱時には妊娠に関係した死亡や性的暴力が急増する。同時にリプロダクティブ・ヘルス・サービスがしばしば利用できなくなる。若い人々はエイズ・ウィルスへの感染や性的搾取に脆弱となる。そして、多くの女性は家族計画サービスを受けられなくなる。緊急事態においては、UNFPAは、危機にある地域社会のリプロダクティブ・ヘルスを保護し、これらの地域社会が危機的段階から再建の段階へと移れるように支援する。

国連開発計画(United Nations Development Programme: UNDP)は、自然災害の緩和、予防、事前対策などの活動を調整することに責任を持っている。復興計画の策定支援や援助資金の動員などをUNDPに要請する政府も多い。UNDPと人道機関はともに、復興および移行期や長期の開発に対する関心が救援活動の中に反映されるようにする。UNDPはまた、元戦闘員の動員解除、包括的な地雷除去、難民や国内避難民の帰還と再統合、政府機関の復旧などの計画を支援する。

提供された資源が最大限に活用されるように、それぞれのプロジェクトは地方自治体や政府の担当官との協議の下に進められる。UNDPは全コミュニティに即時の援助を行う一方で、恒久的な平和、発展、貧困撲滅のための経済的社会的基礎を確立するための支援を行う。コミュニティをベースにしたアプローチを通して、何十万人もの戦争や内戦の被害者に緊急かつ永続的な援助を行うことができた。現在、紛争の傷跡を残した多くの地域社会で、国連主導の研修計画や信用制度、インフラ整備が進められ、生活水準が改善された。