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開発と平和のためのスポーツの国際デー特集シリーズ
スポーツの力を平和と開発のために
~第7回~ 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日事務所

スポーツは、難民支援の現場においても積極的に用いられています。UNHCRは、難民キャンプでの生活改善や、相手に対する尊敬の意や公正の精神を難民の間で育む目的で、スポーツを取り入れています。2014年に初めて実施された「開発と平和のためのスポーツの国際デー」に際し、UNHCRからスポーツと平和・開発に関する事業について伺いました。

1. 貴機関におけるスポーツの位置づけ・方針はなんですか

2009年タンザニアで「Ekiden for Peace」が行われ、日本からは瀬古選手が参加した ©UNHCR/E.Wolfcarius

難民保護の現場において、スポーツの持つ力は大きいです。緊急支援の現場でも、長年存在する難民キャンプにおいても、スポーツは先の見えない避難生活の中に楽しい時間を生み出してくれます。
特に子どもにとっては辛い経験を一時的に忘れ、楽しく友達と関わる貴重な時間といえます。難民キャンプによっては、若者のグループが自らスポーツイベント(例:サッカートーナメントなど)を企画し、イベント全体を通しチームビルディング、ルールの遵守、相手を敬うことなどを学ぶ場ともなっています。

2. 著名人の活用・実施状況があれば教えてください

UNHCRの公式支援窓口「国連UNHCR協会」は日本女子サッカーリーグと連携し、難民に対する意識向上や寄付につながる支援活動を行っています。

「2013年開幕記者会見でパートナーシップを発表」
国連UNHCR協会は日本女子サッカーリーグと2013年2月にパートナーシップを締結。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支えるための広報・募金活動をサポート ©国連UNHCR協会

3. 貴機関が行うスポーツに関するプロジェクトをひとつご紹介ください

a. プロジェクト名

Giving is Winning programme(スポーツを通した難民支援 -与えることは分かち合うことー)

b. 目的

Giving is Winning programmeでサッカーボールを寄付されたミャンマーの学校 ©UNHCR

世界中の難民・避難民、また難民受け入れコミュニティを対象に、スポーツを通して「相手を敬うこと」「公正」などの精神を育むため。

c. 場所

UNHCRが活動の拠点を持つ地域の難民・避難民、また難民・避難民受け入れコミュニティを対象に実施。

d. 期間

2003年から現在も継続中。

中央アフリカ共和国でサッカーをする避難民の子どもたち ©UNHCR/A.Greco

e. 概要

UNHCRと国際オリンピック委員会(IOC)が連携し、スポーツのアスリートやオリンピック選手がスポーツに関連する道具(例:サッカーボール)や運動用のユニフォームなどをUNHCRの活動地へ届けるキャンペーン。

f. 評価・課題(これまでの成果を含む)

2014年1月には内戦によって影響を受けているミャンマーの学校20校がキャンペーンの対象に選ばれ、計13,000人の子どもたちがスポーツを楽しむ機会を得ました。

4. スポーツの活用について、今後の展望を教えてください

UNHCRの活動現場において、スポーツを積極的に取り入れていく方針です。

5. コメント(特に日本の若者へのメッセージや協力の呼びかけなど)をお願いします

突然教育の機会を奪われた難民の子どもたちにとってスポーツをする時間は貴重な学びの時間です。もし今あなたが、何の心配もなく勉強し楽しくスポーツを楽しめる環境にいるとしたら、どうか少しだけ難民の置かれた状況に思いを馳せてみてください。そして自分なら何が出来るかを考えて下さったら幸いです。

Syria's Refugee Children: Abdallah Football Team 【日本語字幕】(Youtubeより) (シリア難民の子どもたち -アブドゥラーのサッカーチーム-)