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調査と訓練出典「国連の基礎知識」

調査と訓練の形をとる学術活動は多くの専門化された国連機関によって行われている。この活動の目的は、われわれが直面するグローバルな問題についての理解を深め、かつ経済社会開発や平和と安全の維持のより技術的な側面を担当する人材を育成することである。

国際連合大学(United Nations University: UNU)(www.unu.edu)の使命は、調査研究と人材の育成によって、国連や一般の人々、加盟国が関心を持つ喫緊の全地球的問題の解決に貢献することである。UNUは国連と国際的なアカデミック共同体との架け橋であり、国連システムのためのシンク・タンクであり、とくに開発途上国の能力育成に努める機関である。また、対話と新たな独創的なアイデアのためのプラットフォームにもなる。UNUは40以上の国連機関と世界の何百という連携研究機関と協力する。

持続可能な開発に貢献するにあって、UNUは5つの領域に焦点を当てている。すなわち、平和・安全保障・人権、人間および社会・経済の開発とグッド・ガバナンス(正しい統治)、グローバルヘルス・人口・持続可能な生活、地球変動と持続可能な開発、科学・技術・イノベーション・社会、である。学術活動は東京にあるUNUセンターや世界の各地に設けられている研修センター、プログラムを通して行われる。これらの機関には以下のものがある。

  • UNU-BIOLAC – 国連大学中南米バイオ技術プログラム(Programme for Biotechnology in Latin America and the Caribbean)、カラカス(ベネズエラ)。バイオ技術と社会。
  • UNU-CRIS – 国連大学地域統合比較研究所(Institute on Comparative Regional Integration Studies)、ベルギーのブリュージュ。ローカル・グローバル統治、地域統合。
  • UNU-EHS – 国連大学環境・人間安全保障研究所(Institute for Environment and Human Security)、ボン(ドイツ)。環境と人間の安全保障。
  • UNU-FNP – 国連大学人間・社会開発のための食料・栄養プログラム(Food and Nutrition Programme for Human and Social Development)、イサカ(米国ニューヨーク州)。食糧と栄養の能力育成。
  • UNU-FTP – 国連大学水産技術研修プログラム( Fisheries Training Programme)、レイキャビク(アイスランド)。大学院漁業研究と開発。
  • UNU-GTP – 国連大学地熱エネルギー利用技術研修プログラム(Geothermal Training Programme)、レイキャビク(アイスランド)。地熱の研究、探査、開発。
  • UNU-IAS – 国連大学江東研究所(Institute of Advanced Studies)、横浜(日本)、持続可能な開発への戦略的アプローチ。
  • UNU-IIGH – 国連大学グローバルヘルス研究所(International Institute for Global Health)、クアラルンプール(マレーシア)。医療制度の効率、新たに発生・再発生の病気、非感染性疾患と管理政策、健康に関する情報技術、気候変動と健康。
  • UNU-IIST – 国連大学国際ソフトウェア技術研究所(International Institute for Software Technology)、マカオ(中国)。開発のためのソフトウェア技術。
  • UNU-INRA – 国連大学アフリカ自然資源研究所(Institute for Natural Resources in Africa)、アクラ(ガーナ)。自然資源の管理。
  • UNU-INWEH – 国連大学水・環境・保健研究所(International Network on Water, Environment and Health)、オンタリオ(カナダ)。水、環境、人間の健康。
  • UNU-ISP – 国連大学サステイナビリティと平和研究所(Institute for Sustainability and Peace)、東京(日本)。サステイナビリティ、平和と国際協力。
  • UNU-LRT – 国連大学土地修復研修プログラム(Land RestorationnTraining Programme)、レイキャビク(アイスランド)持続可能な土地管理と劣化した地力の回復。
  • UNU-MERIT – 国連マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(Maastricht Economic and Social research and Training Centre)、マーストリヒト(オランダ)。新技術の経済、社会への影響。
  • UNU-WIDER – 国連大学開発経済研究所(World Institute for Development Economics Research)ヘルシンキ(フィンランド)経済社会開発。
  • UNW-DPC – 国連水の10年・能力育成プログラム( UN-Water Decade Programme on Capacity Development) ボン(ドイツ)。 国連水関連機関機構の枠組みに中で協力する国連機関やプリグラム。

国連訓練調査研究所(United Nations Institute for Training and Research: UNITAR)(www.unitar.org)はジュネーブにあり、適切な訓練や調査を通して国連の効果を高めることを目的とする。国連に派遣された外交官や国際問題の仕事に従事する国家公務員を対象に多国間外交や国際協力についての研修や能力育成プログラムを実施する。また、経済社会開発や平和と安全の維持の分野の幅広い研修プログラムも実施している。毎年、能力育成やE-ラーニング、成人の研修、などを含め、研修方法や知識システムに関する研究を行っている。また、教材の開発も行っている。たとえば、遠距離学習パッケージ、ワークブック、ソフトウェア、ビデオ研修パックなどである。UNITARの経費はすべて政府、政府間機関、各種財団を中心とした任意の拠出金によってまかなわれる。

国連システム・スタッフ・カレッジ(United Nations System Staff College: UNSSC)(www.unssc.org)は、国連が直面するグローバルな課題に対応できるように国連諸機関のスタッフが技能と能力を育成できるように支援する。そのために、機関間の協力を強化し、一貫した管理の文化を推進し、継続的な学習とスタッフ開発を支援し、戦略的なリーダーシップを育成する。事業のテーマ別領域は、リーダーシップ、国レベルにおける国連の一貫性、モニタリングと評価、経済社会開発、紛争予防と平和の構築、スタッフの安全と保安、スタッフのオリエンテーション、学習方法と知識管理、実践共同体などである。

国連社会開発研究所(United Nations Research Institute for Social Development: UNRISD)(www.unrisd.org)はジュネーブにあり、グローバルな研究者と機関のネットワークを通して、開発政策やプロセスが異なる社会層にいかなる影響を与えるかについて、政府や開発機関、市民社会組織、学者がよりよく理解できるようにする。最近の研究テーマは、ジェンダー平等、社会政策、貧困削減、ガバナンスと政治、企業の社会的責任などである。