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調査と訓練出典「国連の基礎知識」

調査と訓練の形をとる学術活動は多くの専門化された国連機関によって行われている。この活動の目的はグローバルな問題についての理解を深め、かつ経済社会開発や平和と安全の維持のより技術的な側面を担当する人材を育成することである。

国際連合大学(United Nations University: UNU)(www.unu.edu)は、調査研究と人材の育成を通して、国連や一般の人々、加盟国が関心を持つ喫緊の全地球的問題の解決に貢献する。UNU は国連と国際的なアカデミック共同体との架け橋であり、国連システムのためのシンクタンクであり、とくに開発途上国の能力構築に努める機関である。また、対話と新たな独創的なアイデアのためのプラットフォームにもなる。UNUは40以上の国連機関と世界の何百という連携研究機関と協力する。

UNUの2015-2019年度の学術活動は三つの相互依存のテーマ別分野の中で行われる。すなわち、平和と統治、グローバルな開発と包摂、そして、環境、気候およびエネルギーである。グローバルなUNUシステムは東京にあるUNUセンターが調整し、以下の機関が含まれる。

  • 国連大学中南米バイオ技術プログラム(Programme for Biotechnology for Latin America and the Caribbean: UNU‒BIOLAC)カラカス(ベネズエラ)
  • 国連大学地域統合比較研究所(Institute on Comparative Regional Integration Studies: UNU‒CRIS)ブリュージュ(ベルギー)
  • 国連大学コンピューティングと社会研究所(Institute on Computing and Society: UNU‒CS)マカオ(中国)
  • 国連大学環境・人間の安全保障研究所(Institute for Environment and Human Security: UNU‒EHS)ボン(ドイツ)
  • 国連大学物質フラックス・資源統合管理研究所(Institute for Integrated Management of Material Fluxes and Resources: UNU‒FLORES)ドレスデン(ドイツ)
  • 国連大学グローバリゼーション・文化・モビリティ研究所(Institute on Globalization, Culture and Mobility: UNU‒GCM)バルセロナ(スペイン)
  • 国連大学サスティナビリティ高等研究所(Institute for the Advanced Study of Sustainability: UNU‒IAS)東京(日本)
  • 国連大学グローバルヘルス研究所(International Institute for Global Health: UNU‒IIGH)クアラルンプール(マレーシア)
  • 国連大学アフリカ自然資源研究所(Institute for Natural Resources in Africa: UNU‒INRA)アクラ(ガーナ)
  • 国連大学水・環境・保健研究所(Institute for Water, Environment and Health: UNU‒INWEH)ハミルトン(カナダ)
  • 国連大学持続可能な開発研究所(Institute for Sustainable Development: UNU‒IRADDA)アルジェ(アルジェリア)
  • 国連大学マーストリヒト技術革新・経済社会研究所(Maastricht Economic and Social Research Institute on Innovation and Technology: UNU‒MERIT)マーストリヒト(オランダ)
  • 国連大学世界開発経済研究所(World Institute for Development Economics Research: UNU‒WIDER)ヘルシンキ(フィンランド)
  • アイスランド拠点の研修プログラム:
    ‒地熱エネルギー利用技術(Geothermal Energy: UNU‒GTP)
    ‒水産技術(Fisheries: UNU‒FTP)
    ‒土地修復(Land Restoration: UNU‒LRT)
    ‒ジェンダー平等研究(Gender Equality: UNU‒GEST)
  • 国連大学政策研究センター(Centre for Policy Research: UNU‒CRR)東京(日本)
  • 国連大学政策主導型電子ガバナンスに関するオペレーティング・ユニット(Operating Unit on Policy‒Driven Electronic Governance: UNU‒EGOV)ギマランイス(ポルトガル)
  • 国連大学副学長欧州事務所(Vice‒Rectorate in Europe: UNU‒ViE)ボン(ドイツ)
  • 国連本部内連絡事務所(UNU Office at the United Nations: UNU‒ONY)ニューヨーク(アメリカ)

ジュネーブ拠点の国連訓練調査研究所(United Nations Institute for Training and Research: UNITAR)(www.unitar.org)は、訓練や調査を通して国連の効果を高めることを目的とする。「2030アジェンダ」を支援して研修や能力開発プログラムを実施して多国間外交を強化し、環境の持続性を進め、強靭性や人道援助を改善し、持続可能な平和を促進し、経済開発と社会的包摂を促進する。UNITARは研修方法や知識システムに関する研究を行い、また、災害リスク軽減や人道的緊急事態な重要問題に取り組む応用研究も実施している。また、オンライン学習や研修用パッケージ、ワークブック、マニュアル、研修冊子など、教育的手段の開発も行っている。

国連システム・スタッフ・カレッジ(United Nations System Staff College: UNSSC)(www.unssc.org)は、イタリアのトリノにあり、第二キャンパスがボン(ドイツ)にある。一貫した管理の文化を推進する目的で、機関間レベルでスタッフの学習、研修、知識の提供を行っている。在宅コース、通信教育、セミナー、戦略的交換を提供し、リーダーシップから管理開発まで、有能な国際公務員として勤務するために必要な技術的、機能的能力の開発を進める。2015年以降、スタッフ・カレッジのすべての学習、研修活動は、国連システムとそのパートナーが2030アジェンダの採択がもたらす課題に取り組むことができるようにすることに向けられている。

国連社会開発研究所(United Nations Research Institute for Social Development: UNRISD)(www.unrisd.org)はジュネーブにあり、現代の開発問題の社会的側面に関する学際的な研究を行う。研究者と研究機関のグローバルなネットワークを通して、開発政策やプロセスが異なる社会層にどのような影響を与えるかについて、政府や開発機関、市民社会組織、学者がよりよく理解できるようにする。最近の研究テーマは、ジェンダー平等、社会政策、貧困削減、ガバナンスと政治、社会的連帯経済である。