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先住民問題出典「国連の基礎知識」

世界のおよそ70カ国に3億7,000万人以上の先住民が住んでいる。彼らはしばしば差別に直面し、政治力や経済力から除外されている。そのあまりにも多くの人がもっとも貧しく、読み書きができず、極貧の生活を強いられている。先住民は戦争や環境災害のために避難を余儀なくされ、先祖の土地から追い出され、また物理的、文化的生存に必要な資源を奪われている。また、彼らの伝統的知識は彼らの同意や参加なしに販売され、特許がとられている。

先住民問題に関する常設フォーラム(Permanent Forum on Indigenous Issues)(www.un.org/ea/socdev/unpfii)は2000年7月に経済社会理事会によって設置された。経済社会開発、文化、教育、環境、保健、人権に関連する先住民問題を審議する。フォーラムは、専門的なアドバイスや勧告を理事会に行い、また理事会を通して、国連の計画や基金、各種機関に助言や勧告を行う。フォーラムは先住民についての理解を深め、国連システムの中で先住民問題に関連した活動の統合と調整を行い、先住民に関する情報を配布する。また、ミレニアム開発目標が達成されるような形で先住民問題が取り上げられる方法にも取り組んでいる。これは、実際に、多くの国では、先住民社会に注意を払うことが、2015年までにもっとも貧しい人々の数を半減させるという目標の達成に直接つながっているからである。

さらに総会は2005-2015年を「第2次世界の先住民の国際の10年(Second International Decade on the World's Indigenous People)」と宣言した。そのおもな目的は以下の通りである。

  • 非差別を推進し、法律、政策、資源、プログラム、プロジェクトの策定、実施、評価に先住民を参加させる。
  • 先住民のライフスタイル、伝統的土地や領土、文化的統合、集団的権利、その他彼らの生活に影響を及ぼす決定に先住民を完全かつ効果的に参加させる。
  • 先住民族の文化的、言語的多様性の尊重も含め、公平の視点から離れた開発政策の再評価を行う。
  • とくに先住民の女性、子ども、若者に焦点を合わせて、具体的なベンチマークとともに、先住民の発展のために目標を定めた政策、プログラム、プロジェクト、予算を採択する。
  • 先住民の保護と彼らの生活の改善を目的とする法律、政策、活動の枠組みを実施するさいには、あらゆるレベルで強力なモニタリング機構を開発し、かつ説明責任を強化する。

2007年、総会は「先住民族の権利に関する国連宣言(United Nations Declaration on the Rights on Indigenous Peoples)」を採択した。宣言は文化、アイデンティティ、言語、雇用、健康、教育の権利も含め、先住民族の個人、集団としての権利を規定している。宣言は、先住民族は自身の制度、文化、伝統を維持、強化し、自身のニーズと願望に従って開発を進める権利を持つと強調した。また、先住民族に対する差別を禁じ、彼らに関係するあらゆる事項について完全かつ効果的に参加できるようにすると同時に先住民族としての特色を維持し、経済社会開発に関する自身のビジョンを追求する権利も促進する。