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高齢者出典「国連の基礎知識」

世界は今人口転換の歴史的にユニークかつ不可逆の過程の真っただ中にある。出生率低下と平均余命の上昇によって、世界のいたるところに人口の高齢化が見られる。2050年までには5人に1人が60歳以上になるであろう。国際社会は、グローバルな高齢化のプロセスをより大きな開発という文脈の中に統合し、より幅広い「ライフ・コース」と社会的に包摂的な枠組みの中で政策を策定する必要を認めるようになった。DESAの「国連高齢化プログラム(UN Programme on Ageing)」(www.un.org/development/desa/ageing)は、「高齢化に関するマドリッド国際行動計画(Madrid International Plan of Action on Ageing)」の三つの優先目標、すなわち高齢者と開発、高齢者の健康と福祉の増進、望ましい、支援可能な環境の整備、についての目標達成を可能にし、促進することである。

グローバルな高齢化の課題や機会に応えて、国連はこれまでにもいくつかのイニシアチブをとってきた。

  • 第1回高齢者問題世界会議(first World Assembly on Ageing, ウィーン、1982年)は、「高齢化に関するウィーン国際行動計画(Vienna International Plan of Action on Ageing)」を採択した。行動計画は雇用と所得の保障、健康と栄養、住宅、教育、社会福祉の領域でとるべき行動を勧告した。行動計画は、広範にわたる能力を持つが時には医療必要とする多様かつ活動的な人口グループであるとして高齢者をとらえている。
  • 高齢者のための国連原則(United Nations Principles for Older Persons)。この原則は国連総会が1991年に採択したもので、自立、参加、ケア、自己実現、尊厳の五つの領域における高齢者の地位について普遍的な基準を設定した。
  • 第2回高齢者問題世界会議(Second World Assembly on Ageing、2002年、マドリッド)は、21世紀のための高齢者に関する国際的な政策を策定した。会議は「高齢化に関するマドリッド国際行動計画(Madrid International Plan of Action on Ageing)」を採択した。それによって加盟国は「高齢者と開発」、「高齢に到るまでの健康と福祉の増進」、「望ましい、支援可能な環境の整備」という三つの優先すべき領域で行動するとのコミットメントを行った。

2014年5月、人権理事会が、高齢者による人権享受に関する独立専門家を初めて任命した。