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子どもの権利と福祉の促進出典「国連の基礎知識」

子どもの死亡率は近年大幅に下がった。しかし、死亡率を2015年までに1990年の水準の3分の1に削減するというミレニアム開発目標を達成するにはなすべきことが沢山ある。2011年、690万人の子供たちが5歳の誕生日を迎える前に死んだ。それでも1990年の1200万人よりは少なかった。すべての子どもの死亡のほとんど3分の2は感染症によるものである。マラリア、肺炎、下痢、敗血症、はしか、エイズである。こうした病気は費用効率が高い、入手可能な治療介入によって阻止できる。栄養が十分でないことも子供の病気に対する抵抗力を奪って死亡を容易にしている。栄養不良はまた知的障害など、長期的な認知的問題や身体的問題をもたらす。このことは家族、地域社会、国家、そして世界にとって計り知れない損失である。幼児期を過ぎても、若者の生命や福祉は依然として脅かされる。彼らは教育を受け、参加し、危険から保護される権利など、その権利が否定されていることがはしばしで、脆弱な状態におかれている。

国連児童基金(United Nations Children's Fund:UNICEF= ユニセフ)(www.unicef.org)は、子どもたちの生存、発達、保護の権利を擁護する活動を行っている。「子どもの権利に関する条約」と「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約」の完全な実施を目指す。また、191カ国で、ユニセフは政府、国際機関、市民社会、若者たちとのパートナーシップのもとに、貧困、暴力、病気、差別など、子供たちが直面する障害を取り除くことに努めている。ユニセフの現在の優先テーマは子どもたちの生存と発達、基礎教育とジェンダー平等、HIV/エイズと子供たち、子供の保護、政策アドボガシーとパートナーシップである。これらの目的は、ミレニアム開発目標や2002年の子ども特別総会の成果文書「子どもにふさわしい世界(A World Fit for Childrenn)」の中で表明された目的とも一致する。

ユニセフは、誕生前から青年になるまで、子どもの健康のあらゆる側面に広く係わっている。妊産婦が出産前や分娩時に適切なケアを受けられるようにし、家族が家庭で子どもの病気に対処できるようにする。また、地域社会が最善の保健サービスを提供できるように指導する。ユニセフは、若い人たちがHIV/エイズに感染しないように情報を共有できるようにし、それによってHIV/エイズの危機を軽減する。また、HIV/エイズで両親を失った子どもたちが、その仲間たちと同じようなケアを受けられるようにする。そして、HIV/エイズに感染した女性や子どもが尊厳を持って生きて行けるようにする。

ユニセフはまた、世界的に予防接種の実施を進め、ワクチンの購入や配布から安全な接種までかかわる。ワクチン供給では世界のリーダーで、世界の子供の36パーセントはユニセフ提供のワクチンを受ける。現在、WHOとともに、「予防接種拡大計画」の6種のワクチン、結核、ポリオ、ジフテリア、破傷風、百日咳、麻疹のワクチンによる「普遍的小児予防接種」計画の目標達成に努めている。2011年には1億7000万人の子供たちが予防接種を受けた。世界の予防接種率は83パーセントに達した。ユニセフは、予防接種の機会を利用して、別の救命サービスも提供している。通常のビタミンAサプリメントや家族をマラリアから救うための殺虫剤処理済の蚊帳を支給している。

ユニセフは、就学前から青年期までの子どもたちを教育するさまざまなイニシアチブを支援して、教員を動員し、子どもたちの登録を行い、教育施設を準備し、カリキュラムを作成する。時には無から教育制度の再建まで行う。また、子どもたちが、たとえ紛争時にあっても、遊び、学ぶ機会を持てるようにする。スポーツとレクリエーションは子どもの進歩にとって教育と同様に重要である。妊産婦のために適切な栄養の摂取、出産後は母乳育児を奨励する。幼稚園や託児所での給水施設や衛生施設を改善する。また、若者を保護する環境を作り出すのを支援する。子どもの労働を禁じる立法措置を奨励し、女性性器切除を非難し、性的目的や商業目的で子どもを搾取できないようにする活動を進める。ユニセフは地雷認識キャンペーンを進め、子どもの兵士の動員解除を支援する。