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安定のための融資出典「国連の基礎知識」

多くの国は、内外の要因によって自国の国際収支、財政の安定、債務返済能力が大きく損なわれると、国連の専門機関の1つである国際通貨基金(IMF)(www.imf.org)に助けを求める。IMFはこうした問題の解決のために助言や政策勧告を行い、しばしば経済改革計画を支援して加盟国に資金を提供する。

国際収支に失調をきたすと、加盟国は一般にIMFの財源を利用する。そうした加盟国は、他の国の通貨もしくは特別引き出し権(Special Drawing Rights)の形で、自国通貨額に相当する額の準備資産をIMF から「購入」するのである。IMFはこのローン運用に手数料を徴収し、加盟国は特定の期間にわたってIMFから自国通貨を再購入することによってローンを返済する。

2010年、IMFは低所得国(LICs)に対する支援を高めた。これはこれらの国において経済状態の性格が変わり、またグローバルな経済危機の影響によってその脆弱性が増したことを反映してのことであった。2014年には、LICsに対する融資を2倍以上にして170億ドルにまで拡大されると見込まれる。通貨基金の財政支援をより柔軟なものにして、LICsのニーズによりよく合わせられるようにするとの幅広い改革の一環として、IMFは「貧困削減・成長トラスト(Poverty Reduction and Growth Trust)」を設立した。3つの新しい譲許的融資の窓口、すなわち拡大クレジット・ファシリティ、スタンドバイ・クレジット・ファシリティ、ラピッド・クレジット・ファシリティを持ち、2010年1月に有効となった。2013年4月、これらの文書はIMF支援をより柔軟に適用できるように改善された。

IMFの主なファシリティは以下の通りである。

  • スタンドバイ取り決め(Stand-by Arrangement:SBA)一時的、短期もしくは周期的な赤字に対して中期的な国際収支の支援を行う。
  • フレキシブル・クレジット・ライン(Flexible Credit Line:FCL)すべての潜在的もしくは実際の国際収支上のニーズに対処する。
  • 予防的流動性枠(Precautionary and Liquidity Line:PLL)健全な経済の基礎的条件と制度的な政策枠組みを備えているものの、一定の脆弱性を抱えているためにFCLを利用できない国の危機を回避し、ニーズを満たすため。
  • 拡大信用供与措置(Extended Fund Facility: EFF):長期的性格やマクロ経済および構造問題から生じる国際収支問題の解決のために支援を提供する。
  • 拡大クレジット・ファシリティ(Extended Credit Facility:ECF)構造的性格の非常に根深い国際収支の問題を抱える低所得国に対して、持続可能な貧困削減を目標に、より長い支援を提供する。
  • スタンドバイ・クレジット・ファシリティ(Standby Credit Facility:SCF)国の内外に起因するショックもしくは政策ズレなどによる短期の資金および調整のニーズを抱える低所得国に対して柔軟な支援を行う。
  • ラピッド・クレジット・ファシリティ( Rapid Credit Facility:RCF)自然災害、商品価格の変動、もしくは近隣諸国の危機によるショックから生じる緊急の資金調達に直面している低所得国に対して一括前払いで限定的な条件のもとに迅速な金融支援を提供する新しい譲許的なファシリティである。
  • ラピッド・ファイナンシング・インストルメント(Rapid Financing Instrument:RFI)切迫した国際収支上の問題に直面するすべての加盟国に限定された条件のもとに迅速な金融支援を行う。

健全な政策を進める重債務貧困国の債務救済のために、IMFと世界銀行は「重債務貧困国(HIPC)イニシアチブ」の下に、その対外債務の負担を持続可能なレベルまで緩和する特別の支援を有資格国に提供している。両機関は現在、HIPCイニシアチブを補足するために開発された「マルチ債務救済イニシアチブ( Multilateral Debt Relief Initiative:MDRI)」をともに支援している。

サーベイランスは、IMFがそれぞれの加盟国の一般的な経済情勢と政策を包括的に分析し、加盟国の為替政策を評価するためのプロセスである。IMFは、個々の国との年次協議によるサーベイランス、年に2回の多国間サーベイランス、地域グループとの話し合いによる地域サーベイランス、予防的取り組みの強化サーベイランスを行っており、それ以外にもプログラム・モニタリングを実施している。それは、IMF資源の利用がない場合でもIMF によるモニタリングを加盟国に提供するものである。

IMFは、財政および通貨政策の策定と実施、機構の整備、統計データの収集と効果的活用など、加盟国に対して幅広い領域で技術援助を行っている。また、ワシントンD.C.のIMF本部とアブダビ(アラブ首長国連邦)、ブラジリア、大連(中国)、プネ(インド)、シンガポール、チュニス、ウィーンにある地域センターで、加盟国の担当官の研修を行っている。