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開発活動の調整出典「国連の基礎知識」

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UN Photo/Eskinder Debebe

多くの分野で前進が見られたにもかかわらず、世界の経済社会構造を特徴付けているのは依然として富と福祉における大きな格差である。国内または国家間の貧困を削減し、不平等を是正することが、今日においてもなお国連の基本的な目標である。

国連システムは、さまざまな方法でその経済的、社会的目標の達成に取り組んでいる。政策分析を提供し、既存および新たな地球規模の課題に取り組み、開発計画や戦略について政府に助言し、国際規範や基準を設定し、開発計画のための資金を動員する。国連の各種の基金やプログラム、またその専門機関は教育、航空の安全、環境保全、労働条件など、さまざまな領域で活動している。こうした活動を通して、国連は世界中の人々の生活に深く係わる。

2008年、国連システムは開発やその他の支援活動に183億ドルを費やした。そのうちの62パーセントが開発関連の活動で、残りの38パーセントは人道に焦点を合わせた活動のためであった。それに加え、世界銀行や国際通貨基金(IMF)、国際農業開発基金(IFAD)もまた、貧困を撲滅し、開発をはぐくみ、世界経済の安定を図るために毎年何十億ドルも贈与や融資の形で提供している。

経済社会理事会(Economic and Social Council: ECOSOC)(www.un.org/en/ecosoc)は、国連とその実施機関の経済社会活動を調整する主要な機関である。理事会はまた、国際的な経済社会問題を審議し、政策勧告を作成する中心的な場でもある。理事会の任務としては、より高い生活水準、完全雇用、経済社会の進歩を促進すること、経済、社会、保健の問題についてその解決策を明らかにすること、文化、教育に関する協力を容易にすること、人権及び基本的権利の普遍的な尊重を奨励すること、などが含まれる。

開発政策委員会(Committee for Development Policy)は、経済社会理事会の下にあって、個人の資格で務める24人の専門家で構成され、新たな経済、社会、環境の問題に関する諮問機関としての役割を果たす。委員会はまた、「後発開発途上国(LDC)」を指定する際の基準を定め、その分類に属する国のリストの見直しを図る。

国連開発グループ(United Nations Development Group)(www.undp.org)は、国連システムの中にあって開発事業の管理や調整に関係する32の国連の基金やプログラム、機関、事務局の各部局で構成される。このグループは執行機関として、政策決定機関とそれぞれの実施機関との協力を強化する。

経済社会問題執行委員会(Executive Committee on Economic and SocialAffairs)」(www.un.org/esa/ecesa)は、事務局の担当部局や地域委員会から構成され、政策の策定と管理のための機関である。経済社会の分野で規範、分析、技術に関する作業に従事する国連機関の中で一貫性や共通のアプローチをもたらすことを目的とする。

国連経済社会局(Department of Economic and Social Affairs: DESA)(www.un.org/esa/desa)は、国連事務局内の部局の一つで、各国が経済や社会、環境の課題を解決できるように支援する。国連開発課題として知られる国際的に合意された目標の枠組みに中で活動する。この枠組みの中で、DESAは分析に関する支援を提供し、政策分析と調整を行い、社会、経済、環境の領域で加盟国に対して実質的かつ技術的支援を提供する。規範や基準を設定し、地球規模の課題に応えて共通の行動路線をとることについても加盟国を支援する。また、グローバルな政策と国家の行動を結びつけるとともに、研究、政策、実際の活動との間を結びつける重要な接点である。

5地域委員会(Regional commissions)は経済社会情報の交換や政策分析を行い、アフリカ(ECA)(www.uneca.org)、アジア太平洋(ESCAP)(www.unescap.org)、ヨーロッパ(ECE)(www.unece.org)、ラテンアメリカ・カリブ(ECLAC)(www.eclac.org)、西アジア(ESCWA)(www.escwa.org)の5つの地域に設けられている。多くの国連の基金や計画はそれぞれの関係国で開発のための支援活動を行い、またいくつかの国連の専門機関は、国家の開発事業に支援と援助を提供する。人的資源や財政資源が限られていることから、各種国連機関の調整と協力を高めることは、開発目標の達成に不可欠である。

国連の優位性

国連システムは、開発を進めることにおいてはユニークな強さを持っている。

  • その普遍性――政策決定が行われるとき、すべての国が発言する権利を持っている。
  • 公平性――国連は特定の国家もしくは企業を代表するものではない。したがって国連の援助には紐がつかない。そのため、国とその国民と特別の信頼関係を築くことができる。
  • グローバル・プレゼンス――国連は開発援助を行うために世界中に現地事務所を持ち、世界最大のネットワークを確立している。
  • 包括的任務――国連の活動は開発、安全、人道支援、人権、環境を網羅する。
  • 「連合国の人民」に対するコミットメント。