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開発と平和のためのスポーツの国際デー特集シリーズ
スポーツの力を平和と開発のために
~第4回~ 国連開発計画(UNDP)の取り組み

UNDPは、多くのスポーツ選手を起用して、ミレニアム開発目標(MDGs)の柱である貧困の半減などに人々の賛同を促す活動を行なっています。2014年に初めて実施される「開発と平和のためのスポーツの国際デー」に際し、UNDPからスポーツと開発に関する事業について伺いました。

1. 貴機関におけるスポーツの位置づけ・方針はなんですか

スポーツを通じて、開発課題や地球規模の課題への関心を深めていただけるよう、広報・啓発活動などでもスポーツを活用しています。今年で11回目の開催となったサッカー・チャリティー試合「貧困との闘い(Match Against Poverty)」のほか、2010年のFIFAワールドカップではソニーと連携して、カメルーンで試合のパブリック・ビューイングとHIV/エイズの検査を同時に実施しました。

2. 著名人の活用・実施状況があれば教えてください

UNDP親善大使としてシャラポワ選手が、ベラルーシを訪問し、テニスを行なう若者と交流 (C)UNDP

UNDP親善大使として、サッカー界のジネディーヌ・ジダン氏ロナウド・ルイス・ナサリオ氏ディディエ・ドログバ氏イケル・カシージャス氏マルタ・ビエイラ・ダ・シルバ氏、テニス界のマリア・シャラポワ氏が活動しています。写真のシャラポワ氏は、MDGs達成に向けた取り組みの促進を国際社会に呼びかけることのほかにも、UNDPと協力し、シャラポワ財団を通してチェルノブイリ事故の影響を受けた地域で、若者向けのプロジェクトの支援を行っています。2010年には同地域で若者向けのスポーツや運動を支援するプロジェクトの拡大のために、25万ドルを寄付しました。

3. 貴機関が行うスポーツに関するプロジェクトをひとつご紹介ください

第11回貧困との闘い(C)UNDP

a. プロジェクト名

サッカー・チャリティー試合「貧困との闘い(Match Against Poverty)」

b. 目的

ミレニアム開発目標(MDGs)に対する意識を高め、困難な課題に直面する国のプロジェクト等支援のために資金調達をしています。

c. 場所

世界各地。これまでの開催地は、バーゼル(スイス)、マドリード、デュッセルドルフ、マルセイユ、マラガ(スペイン)、フェズ、リスボン、アテネ、ハンブルク、ポルトアレグレ(ブラジル)、ベルン(スイス)。

第11回貧困との闘いで、ボールを取り合うUNDP親善大使のジネディーヌ・ジダン氏(C)UNDP

d. 期間

2003年以降、ほぼ年次で開催(年によっては年2回開催)。

e. 概要

UNDP親善大使で、サッカー界のスターであるジネディーヌ・ジダン氏とロナウド氏が中心となり、サッカー・チャリティー試合「貧困との闘い(Match Against Poverty)」を開催しています。詳細はこちら

f. 評価・課題(これまでの成果を含む)

サッカーファンをはじめ多くの方に地球規模の課題に関心を持っていただくよう啓発をし、収益金は毎年、困難な課題に直面しているさまざまな国での特定のプロジェクトの支援に充てられています。趣旨に賛同する、世界のトッププレーヤー(引退選手も含む)も参加し、世界各国で試合が放映されるなど、非常に影響力のあるイベントとなっております。

4. スポーツの活用について、今後の展望を教えてください

UNDPは、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を目的とした官民連携のプロジェクトを推進しています。2010 FIFA ワールドカップの開催期間中には、アフリカ地域代表国のカメルーン共和国とガーナ共和国で「パブリック・ビューイング・イン・アフリカ(Public Viewing in Africa)」が実施され、HIV/エイズの蔓延防止の大切さが現地の人々の間に浸透しました。このプロジェクトにはソニー株式会社(カメルーン共和国、ガーナ共和国)、国際協力機構(JICA)(ガーナ共和国)が協力しました。

また、UNDPではサッカーのチャリティマッチ「貧困との闘い(Match Against Poverty)」を今後も継続していきます。開発と平和の定着に向けたスポーツの活用が、各地で推進されていくことになります。

5. コメント(特に日本の若者へのメッセージや協力の呼びかけなど)をお願いします

スポーツは世界どこでも同じルールで交流できる点で、ユニバーサルな言葉といえます。ぜひスポーツを通じて広く世界に関心を持ち、開発と平和のために何ができるのかを一緒に考えていきましょう。