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環境

32.気候変動に対する解決策の模索

気候変動はグローバルな解決策を要するグローバルな問題です。国連は科学の現状を検証し、政治的な解決策を作り上げることを先頭に立って進めてきました。2,000人の優秀な気候変動科学者が参加する「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、5年または6年に1回、包括的な評価報告書を発表していますが、2007年の報告書では、気候変動が実際に発生しており、しかもその主因が人間の活動にあることは明らかだとの結論が出されました。「国連気候変動枠組み条約」締約194カ国は、各国が気候変動を助長するガスの排出量を削減するための指針を提供し、その影響に対する各国の適応を支援するような協定の交渉を行っているところです。国連環境計画(UNEP)及びその他の国連機関は、率先して啓発活動に努めています。

33.気候変動への取り組み

国連は開発途上国がグローバルな気候変動の課題に対処する手助けを行っています。38の国連機関は、この問題に包括的に取り組むためのパートナーシップを結成しました。例えば、10の国連機関が集まって結成した地球環境ファシリティ(GEF)は、開発途上国のプロジェクトに資金を提供します。GEFはまた、気候変動枠組み条約の資金供与メカニズムとして、エネルギー効率、再生可能エネルギーおよび持続可能な輸送に関するプロジェクトに年間約2億5,000万ドルを拠出しています。

34.環境保護

国連は地球環境問題の解決に努めています。合意形成と協定交渉のための国際的な話し合いの場として、国連は気候変動、オゾン層破壊、有毒廃棄物、森林と生物種の損失、大気・水質汚染などのグローバルな課題に取り組んでいます。こうした問題への取り組みがなければ、市場も経済も長期的に持続できません。環境面での損失は、経済成長と人間の生存の基盤となる自然資源を枯渇させてしまうからです。

35.オゾン層の保護

国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)は地球のオゾン層破壊による被害への関心を高める上で、重要な役割を果たしています。モントリオール議定書の成果として、各国政府はオゾン層破壊を引き起こす物質を徐々になくし安全な代替物の利用への転換を図っています。こうして人々の紫外線への露出拡大が抑えられ、百万単位の人々が皮膚がんに罹患せずに済んでいます。

36.安全な飲み水の提供

第1次「国連水の10年」(1981~1990年)中には、10億人以上が生まれて初めて、安全な飲み水を手にすることができました。2002年までに、さらに11億人がきれいな水を利用できるようになっています。2003年の「国際淡水年」は、この希少資源を保護する必要性に対する認識を高めました。第2次「国際水の10年」(2005~2015年)のねらいは、きれいな飲み水を利用できない人々の数を半減させることにあります。

37.水産資源枯渇の防止

世界の主要な水産資源のうち、80%は持続可能な限界またはそれを越える乱獲状態にあります。国連食糧農業機関(FAO)は世界の漁業生産と野生漁業資源の状況を監視するとともに、各国と協力し、漁業管理の改善、違法漁業の根絶、責任ある国際水産物貿易の促進、および、脆弱な魚種と環境の保護に努めています。

38.有毒化学物質の使用禁止

「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(Stockholm Convention on Persistent Organic Pollutants)」は、これまで製造された中で特に毒性の強い化学物質を地球上から排除しようとするものです。172カ国が批准する同条約の対象となるのは、人間の命を奪ったり、神経・免疫系を損傷したり、がんや生殖障害の原因となったり、子どもの発育を阻害したりするおそれのある12の有害な農薬と工業用化学薬品です。その他、国連の条約や行動計画の中には、生物多様性の保護、絶滅危惧種の保護、砂漠化対策、海洋の浄化、有害廃棄物の越境移動規制などを支援するものもあります。