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会期出典「国連の基礎知識」

総会の通常会期は毎年9月に、少なくとも1日の作業日を含む最初の週から数えて第3週目の火曜日に開かれる。総会議長および21人の副議長、それに六つの主要委員会の議長の選挙は、通常総会の始まる少なくとも3ヵ月前に行われる。総会議長は、地理的に公平に選出されるように、毎年、アフリカ、アジア、東欧、ラテン・アメリカとカリブ海域、西欧とその他の諸国の五つの地域グループから持ち回りで選ばれる。さらに通常総会以外にも、安全保障理事会の要請、国連加盟国の過半数、または加盟国の過半数の同意を得た1加盟国の要請があれば特別総会が開かれる。これまで人口と開発(2014年)と世界の薬物問題(2016年)に関して第29回特別総会(UNGASS)および第30回特別総会がそれぞれ開かれた。また、常任理事国、非常任理事国の別なく9カ国の賛成を得た安全保障理事会の要請、加盟国の過半数、または加盟国の過半数の同意を得た1加盟国の要請があった場合、24時間以内に緊急特別総会を招集することもできる。 各通常総会の初めには、しばしば国家元首もしくは政府首脳による一般討論演説が行われ、その中で各加盟国は緊急を要する国際問題について自国の見解を表明する。

年間を通じ、国連の通常の活動は主として総会が与える任務、すなわち総会が採択する決議や決定に表明される加盟国多数の意志に基づいて行われる。その活動は、軍縮、平和維持、開発、人権のように特定の問題について調査、報告させる目的で総会が設置する委員会やその他の機関、総会が招集する国際会議、それに国連事務局、すなわち事務総長とそのスタッフである国際公務員を通して行われる。

ほとんどの議題は以下の六つの主要委員会(Main Committees)のいずれかで審議される。

  • 第1委員会(軍縮と国際安全保障)
  • 第2委員会(経済と金融)
  • 第3委員会(社会、人道と文化)
  • 第4委員会(特別政治問題と非植民地化)
  • 第5委員会(行財政)
  • 第6委員会(法律)

議題によっては総会の本会議で直接審議されるが、ほとんどの議題は主要委員会のいずれかに割り当てられる。決議や決定は、主要委員会が勧告したものも含め、通常12月に総会が休会に入る前に総会の本会議で採択される。決議や決定は投票もしくは無投票で採択される。

総会の決議や決定は、一般に出席し、投票する加盟国の単純過半数によって採択される。国際の平和と安全の問題に関する勧告や主要機関の理事国の選出、予算問題など、重要な問題に関する決定は、3分の2の多数を必要とする。投票は記録による投票、挙手、もしくは1国ずつを口頭で直接確認する点呼方式によって行われる。総会の決定は加盟国政府に対して法的拘束力を持つものではないが、重要な国際問題に対する世界の世論の重みや国際社会の道徳的な権威を備えている。