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人権

23.人権の推進

総会が1948年に世界人権宣言を採択して以来、国連は政治的、市民的、経済的、社会的および文化的権利に関する数十件の法的拘束力のある協定の成立に貢献してきました。国連の人権機関は、個人からの申し立てを調査することで、拷問、失踪、恣意的な拘束、その他の侵害に世界の関心を集めるとともに、人権状況を改善するよう、各国政府に国際的な圧力を加えています。

24.民主主義の育成

国連は多くの国々の人々が自由で公正な選挙に参加するのを助けることにより、全世界で民主的な制度と実践を促進、強化しています。国連は選挙監視を含め、100カ国以上に選挙関連の助言と支援を提供しましたが、カンボジア、エルサルバドル、モザンビーク、南アフリカ、東ティモール、アフガニスタン、イラク、ブルンジ、コンゴ民主共和国、ネパールなど、歴史的な契機にかかわることも多くなっています。

25.自決と独立の推進

1945年の国連創設当時、世界人口のほぼ3分の1に当たる7億5,000万人は、宗主国の支配下にある非自治地域に暮らしていました。国連は80カ国以上が主権国として独立するのを支援しました。

26.南アフリカのアパルトヘイト撤廃

国連は武器禁輸から人種分離型のスポーツ大会を禁じる条約に至るまで、幅広い措置を導入することにより、アパルトヘイト(人種隔離)制度の撤廃に大きな役割を果たしました。1994年の選挙には、南アフリカの全国民が平等に参加し、多民族政府が樹立されました。

27.女性の権利推進

国連の長期的目標には、女性の生活を改善し、自立性を高めるためのエンパワーメントを図ることが含まれています。国連が開催した史上初の「世界女性会議」(メキシコシティー、1975年)は、「国際女性の10年」(1976~1985年)中に2回にわたり開かれた世界会議、および、北京での世界会議(1995年)とともに、女性の権利推進とジェンダーの平等促進に向けた課題を設定しました。1979年の「女性に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約」は186カ国が批准し、全世界での女性の権利推進に役立ちました。

28.ディーセント・ワークの推進

国際労働機関(ILO)は結社の自由や団体交渉権、強制労働、児童労働の廃止、職場での差別禁止など、労働に関する基準と基本的原則・権利を確立してきました。ILOの活動の中心をなすのは、雇用の促進、社会保障の普遍化、労使・政府間の密接な社会的対話です。

29.報道の自由と表現の自由の推進

すべての人々が検閲のない、文化的に多様な情報を得られるようにするため、国連教育科学文化機関(UNESCO)はメディアの発展と強化を助け、独立の新聞や放送局を支援してきました。UNESCOはまた、報道の自由の番人として、ジャーナリストの暗殺や拘留など、深刻な侵害行為を公然と非難しています。

30.障害者の権利推進

国連は、障害者の全面的な権利平等を先頭に立って提唱しながら、その社会、経済、政治への参加を推進しています。障害者は社会にとっての資源であることを国連は証明したばかりでなく、全世界でその権利や尊厳を高めることを目的とした初の条約の交渉にも取り組みました。「障害者の権利に関する条約(2006年)」は97カ国で批准されています。

31.先住民の窮状改善

連は、全世界の約90カ国に暮らす3億7,000万人から5億人の先住民が受けている不当な処遇の問題を前面に押し出しました。これらの人々は、世界で最も不利で弱い立場に置かれているといえます。2000年には16人編成の「先住民問題に関する恒久フォーラム(Permanent Forum on Indigenous People)」が設立され、開発、文化、人権、環境、教育、健康の各側面について、全世界の先住民の状況改善に取り組んでいます。