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潘基文(パン・ギムン)事務総長が訪日、アフガニスタン東京会合に出席

2012年07月13日

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が2012年7月7日から9日にかけて、日本を公式訪問しました。任期2期目に入って初の訪日で通算6度目の訪問となりました。今回の訪日の主な目的は「アフガニスタンに関する東京会合」への出席です。

7月7日(土)夕方に成田空港に到着した潘事務総長一行は、都内のホテルに到着後、アフガニスタン会議来賓のために開かれた玄葉外務大臣主催レセプションに出席。翌日の会合に参加する各国政府、国際機関の代表らと挨拶を交わしました。

ちょうどこの日は七夕。日本の夏の風物詩を事務総長に楽しんでもらおうと、国連広報センターのインターンが七夕飾りを用意して迎えました。事務総長はインターンのリクエストに気さくに応じ、日本語を交えて短冊に次のように記しました。“Let us work together to build a world where everybody can live full of LOVE(愛), PEACE(平和), HAPPINESS(幸福), PROSPERITY(繁栄), and HUMAN RIGHTS(人権)”

翌8日(日)、事務総長はアフガニスタンに関する東京会合のオープニングにてスピーチを行い、「アフガニスタンの開発とガバナンスに関する優先課題と、同国のミレニアム開発目標(MDGs)に向けた取り組み」が、同会合の主眼であると述べました。そして、「アフガニスタンは現在、援助への依存から脱却し、機能する主権国家として国民や国際的パートナーとの関係を正常化するための移行期にある」としつつ、移行にあたっては「アフガニスタンの人々に、より良い未来が訪れるという長期的見通しを与え、アフガニスタンが見放されるのでないかという不安を和らげるべきだ」と強調しました。事務総長は、国際社会がアフガニスタンへの支援を継続していくことの重要性を改めて訴えました。

-事務総長のスピーチ(日本語)はこちら
-事務総長のスピーチ(英語)はこちら

この後、事務総長はヴェスターヴェレ・ドイツ外相と個別会談を行った後、野田総理大臣と会談を行いました。事務総長は、アフガニスタン東京会合を開催した日本政府への感謝を伝えたほか、東日本大震災の後も、南スーダンおよびハイチへの自衛隊施設部隊の派遣、開発途上国への貢献を積極的に行っていることは、国際社会への前向きなメッセージであると述べました。

-野田総理との会談の概要(日本語)はこちら(外務省ウェブサイトへ)

この日事務総長は、アフガニスタンのカルザイ大統領との会談に臨みました。この中で事務総長は、「5月のシカゴ会合でアフガニスタンの治安部隊の将来について各国の公約がまとまり、今日、東京会合で社会・経済への国際社会の支援がはっきりと示された。2014年以降も、国際社会はアフガニスタンのパートナーであり続けることを再確認した」と述べました。そして、「信頼される民主的な選挙をアフガン当局が実施できるよう、国連は支援する用意がある」ことを改めて表明しました。

この後、事務総長一行は日本にある国連諸機関の代表とランチ・ミーティングを行いました。国連大学のオスターヴァルダー学長が主催したミーティングには、広島や兵庫など遠方からの参加者も含めて22名が集まり、日本における国連の諸活動や国連に対する人々の関心や期待について意見交換がなされました。

-日本にある国連諸機関はこちら

続いて、事務総長は日本記者クラブで記者会見を行いました。事務総長による記者クラブでの会見は4年ぶりとあって、100名を超える内外の記者が集まりました。冒頭スピーチを行った事務総長は、アフガニスタンをはじめ南スーダン、ハイチ、ミャンマーなどの国々に対する日本の支援、また、先頃開催されたリオ+20を含め持続可能な開発における日本のリーダーシップを高く評価するとともに、軍縮から防災、平和構築、紛争予防、貧困削減、そして人間の安全保障に至るまで、日本がリーダーシップを発揮し続けていることに謝意を表しました。

深刻化するシリア情勢については、国連シリア監視団(UNSMIS)が現在活動の変更を余儀なくされているとし、最近行った安保理への報告で「ミッションをできるだけ続け、政治的な解決に向けて当事者が動き出した時に生まれたチャンスを活かせるよう準備しておくべき」と指摘したことを明らかにしました。

続いて行われた質疑応答では、アフガニスタンとシリアに関する質問が相次ぎました。まず、アフガニスタンについて、政権の腐敗と非効率なシステムに対するドナー国の懸念や2014年に予定されている国際治安支援部隊(ISAF)撤退後の国連の役割について質問が出ました。それに対し、事務総長は「国連は今後も長期的な観点からアフガニスタンへの関与を続け、継続してアフガニスタン政府と協力していく姿勢を強調しました。

非公式の統計によると15,000人以上の市民が犠牲になったと言われるシリア情勢に関する質問に対して、「安保理決議によりシリアに監視団を送ったが、その後、安保理は一致した行動をいまだに取れない状況にある。安保理はコフィー・アナン国連・アラブ連盟合同特使の6項目提案を支持したのだから、これを実施しなくてならない」と事務総長は述べ、あらゆるツールを使ってシリアの人々の苦難を終わらせようとする国連の断固とした立場を示しました。

このほか、中国の軍事的脅威および領土拡張への動きに対する懸念、中国が安保理決議に違反して朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)に軍用車を送った疑いに対する国連専門家パネルの対応について、および安保理改革に関する最近の新たな提案などについて、集まった記者から熱心な質問が相次ぎました。

-事務総長による冒頭発言、および質疑応答の日本語(全文)はこちら
-事務総長による冒頭発言、および質疑応答の英語(全文)はこちら
-動画はYoutube の日本記者クラブ専用チャンネルで見ることができます。

その後事務総長は、会合に出席している緒方貞子・外務省顧問カル・パキスタン外相サーレヒ・イラン外相と個別に会談を行うと共に、アフガン市民社会の代表らとも意見交換を行いました。

同日夜、玄葉外務大臣と共に会談、共同記者会見、そして夕食会に臨みました。会見の中で事務総長は、アフガニスタン東京会合を主催した日本政府への感謝を述べると共に、南スーダン、ハイチにおける日本の国連支援を高く評価しました。また、ミャンマー、シリア、朝鮮半島問題、リオ+20(国連持続可能な開発会議)など、国際社会の主要な課題についても広範囲に両者の間で意見が交換されました。

-玄葉外務大臣との会談後の記者発表(英語)はこちら
-玄葉外務大臣との会談後の記者発表(日本語)はこちら(外務省ウェブサイトへ)

翌9日(月)、事務総長は訪日を終え、成田空港からニューヨークの国連本部へと出発しました。

訪日中、事務総長は「6回目の訪日を2期目の早い時期に実現できたことを嬉しく思います」と繰り返しました。日本が国連の大切なパートナーであることを改めて実感させる言葉と言えるでしょう。今回の訪日はアフガニスタン会合への出席が主な目的ではありましたが、各所でのスピーチには東日本大震災からの復興に取り組む日本への励ましのメッセージが込められていました。

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事務総長が日本に到着したのはちょうど七夕。国連広報センターのインターンが七夕飾りで出迎えました(7月7日)©UN Photo/Eskinder Debebe
「アフガニスタンに関する東京会合」には55カ国および25の国際機関等の代表が出席しました(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
カルザイ・アフガニスタン大統領、野田佳彦総理大臣と並んで席に着く事務総長(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
カルザイ大統領と会談を行いました(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
日本にある国連諸機関の代表とランチ・ミーティング(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
日本記者クラブでの記者会見(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
緒方貞子外務省顧問と会談を行いました(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
カル・パキスタン外相と会談を行いました(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
サーレヒ・イラン外相と会談を行いました(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe
玄葉外務大臣と共同記者会見に臨む事務総長(7月8日)©UN Photo/Eskinder Debebe