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安全保障理事会決議1607

2005年06月21日

2005年6月21日、安全保障理事会第5208回会合で採択

安全保障理事会は、
リベリアと西アフリカに関する従前の安保理決議および安保理議長声明を想起し、

国際連合リベリア専門家パネルによる2005年3月17日付報告書(S/2005/176)および2005年6月13日付報告書(S/2005/360)、ならびに、決議1579(2004)に従って提出された事務総長の2005年6月7日付報告書(S/2005/376)を顧慮し、

ダイヤモンドや木材などの天然資源の違法な開発、これら資源の違法な取引、ならびに、武器の拡散および密売と傭兵の募集および利用との連鎖は、リベリアをはじめとする西アフリカの紛争を助長し悪化させる原因の一つであることを認識し、

決議1521(2003)課された措置は、かかる違法な開発がリベリアにおける紛争再発の引き金とならないようにし、また、包括的和平合意の履行およびリベリア全土にわたる国民移行政府の権力拡大を支援するためのものであることを想起し、

国際連合リベリア・ミッション(UNMIL)の展開は、リベリア全土にわたる治安の改善に貢献したものの、国民移行政府は依然としてリベリア全土に権力を確立していないことに懸念を表明し、

国際社会は、国民移行政府がダイヤモンドと木材の生産地およびリベリア国境に対して支配力を確立することをはじめ、リベリア全土に権限を及ぼすための権能を拡大するように、支援する必要があることを強調し、

チャールズ・テイラー元大統領とその側近たちが、リベリアおよび地域の平和と安定を損なう活動に関与し続けているとの情報に深刻な懸念を表明し、

決議1521(2003)第2、4、6および10項、ならびに、決議1532(2004)第1項により課された措置と、決議1521(2003)第5、7および11項に定められた条件の充足に向けた進捗状況を再検討した上で、

リベリアからの違法な木材輸出を裏づける証拠はないとする専門家パネルの評価を歓迎しつつも、決議1521(2003)第10項によって課された木材に関する措置の解除につき、決議第1521(2003)第11項で定める条件を充足するのに必要なリベリア国民移行政府ロードマップにおける改革がほとんど実施されていないことに懸念をもって留意し、

最近における森林利権の再検討の完了を認め、また、森林利権再検討委員会の報告書を歓迎し、

リベリア国民移行政府によるダイヤモンド採掘担当官の研修が進んでいることを歓迎しつつも、ダイヤモンドの無許可採掘と違法な輸出が増大していること、および、リベリア国民移行政府が単一の企業に排他的な採掘権を認めることに同意し、かつ、この認定に透明性が欠けていること深刻な懸念をもって留意し、

政府の歳入が紛争を助長したり、その他の安保理決議に違反して用いられたりするのでなく、開発を含め、リベリア国民にとって利益となる正当な目的に使用されることを確保するのに資する透明な財務管理制度の確立に向けたリベリア国民移行政府の取り組みに、なかなか進展が見られないことに懸念をもって留意し、

包括的和平合意の迅速な履行を確保し、かつ、決議1521(2003)によって課された措置の解除を迅速化するために策定されたリベリア経済ガバナンス行動計画に関する議論が継続されていることに留意するとともに、この行動計画が適切なものであるとの意図を表明し、

動員解除と武装解除の完了にもかかわらず、除隊兵士の社会復帰と帰還、治安部門の再編、ならびに、リベリアおよび周辺小地域における安定の確立と維持については、重大な課題が残っていることを強調し、

リベリア情勢は引き続き、国際の平和および当該地域における安全にとって脅威であると判断し

国際連合憲章第7章にもとづいて行動し

  1. 決議1521(2003)によって課された措置の解除条件の充足に向けたリベリア国民移行政府による取り組みの進捗状況に関する上記の評価に基づき、決議1521(2003)第6項によって課されたダイヤモンドに関する措置を本決議の採択日から6カ月間更新することを決定する。
  2. リベリア国民移行政府に対し、UNMILの支援を得て、ダイヤモンドの生産地に対する権力を確立するための努力を強化し、キンバリー・プロセスへの参加を念頭に、透明かつ国際的に検証可能なダイヤモンド原石取引のための正式な原産地証明制度の確立に向けて活動するよう促す。
  3. 決議第1521(2003)第5、7および11項に定める条件が満たされれば、安保理は、決議1521(2003)によって課された全ての措置を終了させる用意があることを改めて表明する。
  4. リベリア国民移行政府に対し、透明性、アカウンタビリティおよび持続可能な森林管理を確保し、かつ、決議1521(2003)第10項に定める木材に関する措置の解除に資する森林開発局の改革、リベリア森林計画の実施および、森林権再検討委員会の改革勧告の実施のための努力を早急に強化するよう求める
  5. リベリア国民移行政府に対し、国際的協力機関の助力を得て、かつ、特定の期間、投資家の信頼を強高め、支援者からの更なる支援を引き出すために、リベリアのダイヤモンドおよび木材資源の管理について、外部から独立の助言を募る可能性について検討するよう要請する。
  6. 決議1532(2004)第1項によって課された措置は、チャールズ・テイラー元大統領、その肉親、テイラー政権下の元高官、または他の側近や関係者が、不正流用資金や財産を用いて、リベリアと周辺小地域における平和と安定の回復を妨害できないようにするため、その効力を継続することに留意するとともに、これらの措置につき、少なくとも年1回の再検討を行う意図を再確認する。
  7. リベリア政府が、リベリア国民にとって直接の利益となる形で、政府歳入の責任ある使用を確保するための透明な会計処理および監査メカニズムを確立した際には、決議1532(2004)第1項によって凍結された資金、その他の金融資産および経済資源を政府が利用できるようにすることの是非および方法を検討する意思図があることを改めて表明する。
  8. リベリア国民移行政府が、決議1532(2004)第1項に基づく義務を履行するための行動を何らとらないことに対する懸念を強調するとともに、同政府に対し、とりわけ加盟国から技術支援の提供を受け、必要な国内立法を行うことを通じて、直ちにかかる行動をとるよう求める。
  9. 決議1521(2003)第2、4および10項でそれぞれ武器、移動および木材に関して課され、かつ、決議1579(2004)第1項により更新された措置は、2005年12月21日まで有効であることに留意する。
  10. UNMILに対し、決議1509(2003)で与えられた職務権限に従い、ダイヤモンドおよび木材の生産地を含む、リベリア全土に権力を再び確立し、天然資源の適切な管理を回復することにつき、リベリア国民移行政府を支援するための努力を強化するよう促す。
  11. UNMILが、その能力と展開区域の範囲内で、かつ、その職務権限を損なうことなく、リベリア国民移行政府、決議1521(2003)第21項により設置された委員会(以下「委員会」とする)および専門家パネルに対し、下記の分野での援助を継続することの重要性を改めて表明する。
    (a) 決議1521(2003第23項に従い、同決議第2、4、6および10項における措置の実施を監視すること。
    (b) これら措置に対する違反を防止しようとする移行政府の努力を支援し、かかる違反があった場合には報告を行うこと。
    (c) 決議1521(2003)第2項を実施するために各国によってとられた措置に違反し、リベリアに持ち込まれた武器およびすべての関連物資を適宜回収し、かかる武器および関連物資を適宜廃棄すること。
    (d) 除隊兵士が和平プロセスを損なったり、リベリアおよび周辺小地域を再び不安定化したりする機会を少なくするため、除隊兵士の徴兵および移動を監視し、すべての関連ある情報をパネルおよび委員会に報告することにつきリベリア国民移行政府を援助すること。
    (e) 西アフリカ諸国経済共同体およびその他の国際的協力機関と連携し、リベリア国民移行政府による決議1532(2004)第1項における措置の実施を含め、決議1509(2003)で与えられた職務権限に従い、国内の法的枠組みを整備するための戦略を策定すること。
  12. UNMIL、ならびに、シエラレオネおよびコートジボワールの国際連合ミッションに対し、その能力および展開区域の範囲内で、かつ、その職務権限を損なうことなく、小地域内での武器密売および傭兵募集を監視するための協力関係を強化するよう求める。
  13. 国際的な支援団体のコミュニティに対し、除隊兵士の社会復帰および復興を含む和平プロセスの支援の提供を継続し、合同の人支援のよびかけに寛大な拠出を行い、2004年2月5~6日のニューヨークにおけるリベリア復興会議で行った拠出の誓約をできるだけ早期に履行し、また、リベリア国民移行政府が上記第3項に規定される条件を満たすことにより、これらの措置ができるだけ早期に解除されるよう支援することをはじめ、同政府の財政的、行政的および技術的必要に応えるよう、改めて呼びかける。
  14. 決議1579(2004)に従い任命された専門家パネルを、2005年12月21日を期限に再度設置し、以下の作業を行うことを決定する。
    (a) 委員会による、決議1521(2003)第4項 (a) および決議1532(2004)第1項に述べられている個人の任命に関連するすべての情報を含み、また、天然資源など、武器の違法な取引のための資金源を含め、決議1521(2003)により課された措置の実施状況、およびそのすべての違反を調査し、かつ、これに関する報告書を作成するために、リベリアおよび近隣諸国にフォローアップ評価ミッションを派遣すること。
    (b) 決議1532(2004)第1項により課された措置の影響および実効性を評価すること。
    (c) 決議1521(2003)により課された措置を解除するための条件の充足に向けた進捗状況を評価すること。
    (d) 決議1521(2003)第2、4、6および10項により課された措置の人道的および社会経済的影響を評価すること。
    (e) 本項に掲げられたすべての問題に関し、2005年12月7日までに委員会を通じて安保理に報告すること、ならびに、この期限までの間適宜、特に決議1521(2003)第6および10項により課された措置を解除するための条件の充足に向けた進捗状況につき、非公式の最新情報を委員会に提供すること。
    (f) 2005年2月1日の決議1584によりコートジボワールについて設置されたものをはじめ、その他の関連ある専門家グループと協力すること。
  15. 事務総長に対し、委員会と協議の上、決議1579(2004)に従って設置された専門家パネルのメンバーの専門知識をできる限り活用しつつ、特に武器、木材、ダイヤモンド、財務、人道、社会的および経済的ならびに他のすべての関連する問題に関し、適切な範囲の専門知識を備えた5人以内の専門家をできるだけ早期に任命するよう要請するとともに、事務総長に対し、同パネルの作業を支援するために必要な財政上および治安上の措置を行うことも要請する。
  16. すべての諸国およびリベリア国民移行政府に対し、専門家パネルに全面的に協力するよう求める。
  17. この問題に引き続き取り組むことを決定する。

S/RES/1607(2005)