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議事インデックス

議事インデックス(Indexes to Proceedings)

総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会の活動に注目している場合には、調査を容易にするために、議事インデックスを利用することができます。この高度に専門化された一連の索引集は、基本的に2つの部分に分かれています。

  1. 特定の会期/年内にその組織によって発行されたすべての文書(報告書、書状、会議記録、決議など)の包括的な主題インデックス
  2. 特定の会期/年度内にその会議で行われた演説のインデックス

議事インデックスは、以前には利用できなかった多くの工夫を取り入れながら徐々に改良されてきたことから、たいへんすぐれた検索ツールになっています。

このインデックスに含まれている主題項目は、基本的に、一連の流れに沿った文献的な情報、議題項目についての情報、および安全保障理事会の場合には同理事会によって検討された事柄を示します。それぞれの主題項目を見ると、まず、最も重要な文書、すなわち報告書のリストという核心的な情報が提示され、続いて、一般的な文書(通常は各国政府による意見交換の書状)が示されます。それから、話の展開に従い、提案書(決議や決定の草案)のリスト、およびその項目/事柄がいつ討議されたかを示す会議記録のリストが提示されます。最後に来るのは、たいてい(ただし例外もあります)、その機関の意思を表明する文書の採択です。この文書は、たとえば、方針を定めたり将来の会議でのフォローアップを求めたりする決議、以前に提出された報告書を考慮した決定、行動を延期するという決定などであり、これによってその主題に関する当該会期/年度の記載事項は終わりになります。いうまでもなく、実際には特殊な性格を持つインデックスもあり(安全保障理事会議事インデックスの議長声明のリストなど)、これほど単純ではないのですが、上の説明によって、現在公表されているインデックスの高度に構造化されたアプローチが大まかにおわかりいただけるでしょう。

このほか、議事インデックスには、以下のような多くの付加的情報も含まれています。

  1. 投票表(総会については1975年から、安全保障理事会については1976年から収載)
  2. 会議が開催された具体的な日付を示す表
  3. 特定の会期/年度に採択された決議をリストする番号タイトル(安全保障理事会の場合には主題)

調査したい事柄が上記の4組織のいずれかにかかわっている場合には、議事インデックスに取り入れられたこれらの付加的情報を詳しく調べる価値が十分にあるでしょう。

UNDOC/国連文書インデックス

UNDOC、およびそれに代わって作成された国連文書インデックス(オンライン・バージョン:UNBISnet)は、ダグ・ハマーショルド図書館と国連ジュネーヴ図書館によってインデックスが付けられた1979年以降のすべての国連文書をまとめた、世界的な索引集です。これにより、国連の多数の組織や下位組織(総会、安全保障理事会、国連環境計画、国連貿易開発会議、国連大学、国連開発計画、ラテンアメリカ・カリブ経済委員会、アジア太平洋経済社会委員会など)によって世界中で発行された広範な文書カテゴリーを大まかな主題別に検索することができます。特定の会期/年度に発行された文書に限定されている議事インデックスと異なり、ある文書が発行された年は、必ずしもUNDOCの特定の号の発行年と一致していません(たとえば、1987年の文書は、UNDOC1989年号に掲載されている可能性があります)。しかし、これは一般的なインデックスのほとんどすべてに共通しています。

UNDOCの発行が始まったのは1979年、中止されたのは1996年です。1998年からは、それに代わるインデックスとして、国連文書インデックスが発行されています。UNDOCの中止から新しいインデックスの発行までの期間(1996年10月から1997年12月まで)をカバーする国連文書チェックリストは1999年3月に発行されました。文書記号はST/LIB/SER.M/120-ST/LIB/SER.M/CUM.18です。1979年より前の文書の検索には、UNDOCの前身として同様のアプローチが用いられたUNDIとUNDEXを利用することができます。

UNBISnet

UNBISnetは、1979年以降(一部の主要文書に関してはそれ以前)に発行された国連文書の主要なオンライン・インデックスです。これはダグ・ハマーショルド図書館およびジュネーヴ国連事務所図書館によって作成されています。これには国連文書以外の両図書館の収蔵文書のカタログが含まれているのに加え、総会(第38回総会以降)および安全保障理事会(1946年以降)によって採択された決議の詳細な投票記録にもアクセスを提供してくれます。また、1983年以降の総会、安全保障理事会、経済社会理事会で行われた演説(信託統治理事会については1982年以降)も、このデータベースで調べることができます。印刷物やCD-ROM版のインデックスに比べたUNBISnetの利点は情報がタイムリーであるということです。毎晩、その日にインデックスが付けられた資料がシステムに取り入れられ、すぐに世界中でアクセスできるようになるのです。

CD-ROM版UNBIS Plus

ダグ・ハマーショルド図書館とChadwyck-Healeyが共同で発行したCD-ROM版UNBIS Plusは、印刷されたいくつかのインデックスのオンライン・バージョン、すなわちUNDOC(および国連文書インデックス)、議事インデックス(投票記録ファイルを含む)と演説インデックス、UNBISシソーラス、国連文書シリーズ記号、ならびにこれまでに発行されていなかったファイル(地名、名前の典拠、決議全文など)を組み合わせてユーザー・フレンドリーな検索ツールとしたものです。

CD-ROM版で利用できる特徴としては、以下を行う能力などがあります。

  1. 決議に対する投票パターンの高性能の検索
  2. 総会、安全保障理事会、経済社会理事会の決議の全文に現れる単語(単数または複数)の高度に専門化された検索

また、広範にわたるリンクが設けられているため、ファンクションキーを1つ押すだけで、文献情報ファイル、決議全文ファイル、投票記録ファイルなどのあいだを簡単に移動することができます。

四半期に1度更新されるこのCD-ROMによってアクセスができるのは、1979年以降のインデックス付き文書、および同じく1979年以降にニューヨークとジュネーヴの国連図書館が取得した国連以外の資料の文献情報です。また、国連図書館は電子的に検索できる過去の資料を拡大しつつあるため、1979年より前の記録もアクセス可能な資料の中に含まれている場合があります。

RLIN

図書館情報調査ネットワーク(RLIN)の加入者は、このシステムを通してダグ・ハマーショルド図書館が作成した文献記録にアクセスすることができます。RLINの文献データベースには、毎週、国連図書館の新しい記録および更新された記録が加えられています。多様な検索のオプションを提供するRLINは、UNDOC、国連文書インデックス、およびCD-ROM版UNBIS Plusの一部に代わるものとして利用することができます。

UN-I-QUE

UN-I-QUEは、初めてサイバースペースに取り入れられたダグ・ハマーショルド図書館のデータベースです。これは1946年から現在までの選択された何万もの文書や発行物の記号/販売番号についてユーザー・フレンドリーな手引きとなる電子的な検索ツールです。

UN-I-QUEを通して容易に記号を追跡することができる文書は、国連加盟承認決議、国際年および国際の10年を指定する決議、総会の一般討論の演説、主要な委員会の会期別報告書と委任事項、人権と国際法の分野における特別報告者による報告書、共同検査ユニットおよび内部監督局による報告書、人権に関する法律文書に従って各国から提出された定期報告書、国連会議の報告書、現行の平和維持活動に関連する主要文書などです。

国連公式文書システム(ODS)

国連の文書と公式記録を検索する加入者向け検索システム、国連公式文書システム(ODS)には、「国連文書」と「決議」という2つの主な検索領域があります。

「国連文書」領域は、正式に発表された国連の討議文書(組織名と文書の記号を指すマストヘッドが付いた文書)へのアクセスを提供します。6つの公式言語(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語)のいずれで書かれたものにもアクセスすることができます。

このシステムには、以下の文書は含まれていません。

  • 販売用出版物
  • 国連条約シリーズ。これに関しては、国連条約集のサイトで、許可を与えられたユーザーだけがアクセスすることができます。
  • プレスリリースとプレスブリーフィング。これらは国連ニュースのホームページに掲載されています。
  • 広報資料
  • マストヘッドの付いていない非公式に発表された作業文書の大部分(会議室文書、「ノンペーパー」など)

「決議」領域は、1946年以降の主要な国連機関(総会、安全保障理事会、経済社会理事会、信託統治理事会)の決議へのアクセスを提供します。やはり、6つの公式言語のすべてにアクセスできます。

資料のインデックス作成は、文書の第1ページに記された関連データ(関与している国連組織、会期、議題番号、文書記号、言語、日付、タイトルなど)を基礎として行われています。また、UNBISシソーラスの記述子によって、主題別のアクセスをすることができます。さらに、このシステムでは全文検索も可能です。

もともとニューヨークとジュネーヴの国連事務所の共同事業であったODSは、1992年に試験的プロジェクトの1つとして開始しました。ゆえに、両事務所のどちらかで発行された主要な文書シリーズ(A/-、S/-など)の一部については、1992年のものからこのシステムの対象範囲に含まれています。しかし、もっと広い範囲の文書(ニューヨークとジュネーヴでの下位組織の会議の文書)が含まれるのは1994年以降です。ウィーンとバンコクの事務所も1997年にこのシステムに参加しました。それぞれの地域で作成された資料の入力については各事務所が責任を負っています。

短期的には、世界中のユーザーが世界のどこで発行された国連文書に対してもリリースと同時にアクセスできるように、国連のすべての事務所をオンライン化することが目標とされています。また、長期的には、アクセスの対象を1946年にまで広げ、国連が50年以上の歴史の中で発行してきたすべての文書への統合的なアクセスができるようにすることが目指されています。