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安全保障理事会決議 1615

2005年07月29日

2005年7月29日、安全保障理事会第5242回会合で採択

安全保障理事会は、
すべての関連安保理諸決議、とりわけ2005年1月28日の決議1582(S/RES/1582)を想起し、

2005年7月14日の事務総長報告書を歓迎し、

グルジア、アブハジア情勢に関する欧州安全保障協力機構(OSCE)によるリスボン・サミット(S/1997/57, annex)およびイスタンブール・サミットの諸結論を想起し、

1994年12月9日に採択された「国際連合要員及び関連要員の安全に関する条約」に含まれる関連諸原則を想起し、

搭乗者9人が死亡した2001年10月8日の国際連合グルジア監視団(UNOMIG)ヘリコプター撃墜事件の犯人がいまだ特定されていないことを遺憾とし、

グルジア、アブハジアにおける紛争の包括的解決の主要な問題につき、進展が見られないことは容認できないことを強調し、

しかしながら、ジュネーブにおけるグループ・オブ・フレンズの定例ハイレベル会合およびグルジア‐ロシア首脳会談により、国際連合主導の和平プロセスに建設的な気運が生じたことを歓迎し、

紛争地域の状況の安定化にUNOMIGおよび独立国家共同体平和維持軍(CIS平和維持軍)が果たした重要な貢献を歓迎し、それぞれの職務権限の遂行において両者の間に存在する密接な協力関係との結び付きを強調し、

  1. 国際的に承認された国境内におけるグルジアの主権、独立および領土保全に対する全ての加盟国の取り組み、ならびに、これら諸原則に厳密に従いながら、グルジア国内でのアブハジアの地位を定める必要性を再確認する。
  2. 事務総長および事務総長特別代表が、促進役であるロシア連邦、ならびに、事務総長のグループ・オブ・フレンズおよびOSCEの支援を受け、情勢の安定化、および、グルジア国内におけるアブハジアの政治的地位の確定を含む包括的政治解決の達成を促進するため、持続的な取り組みを行っていることを称賛するとともに、これを強く支持する。
  3. グループ・オブ・フレンズの全構成員の全面的な指示を受けて最終案が作成された「トビリシおよびスフミ間の権限配分に関する基本原則」についての文書およびその送付書簡に対する強い支持を再度表明する。
  4. アブハジア側が同文書の内容に関する協議への同意を拒み続けていることを深く遺憾とし、アブハジア側に対し再度、同文書と送付書簡を受理するよう強く促し、両当事者に対し今後、これら文書を十分かつ自由に審議し、その内容に関する建設的な交渉に臨むよう促し、両当事者に影響力を有する者に対し、この成果を促すよう求める。
  5. また、政治的地位に関する交渉の開始に進展が見られないことを遺憾とし、これら文書の目的は、国際連合主導のもとで、グルジア国内でのアブハジアの地位に関し、両当事者間の有意義な交渉を推進することにあり、何らかの特定の解決策を当事者に強要しまたは命令しようとすることにはない旨を再度想起する。
  6. 双方の側に対し、紛争の政治的解決に向けた建設的な交渉に参加し、継続的な相互不信を克服するための努力を惜しまないよう呼びかけ、双方の側にとって受け入れ可能な恒久的な政治的解決に繋がる交渉プロセスには、双方の妥協が必要であることを強調する。
  7. 紛争の平和的解決に向けたグルジア側の公約を歓迎し、両当事者に対し、あらゆる好戦的な発言および軍事的選択肢への支持を示す言動と公に決別するよう呼びかける。
  8. すべての関係者に対し、和平プロセスを妨害しかねないあらゆる行動をも慎むよう想起する。
  9. ジュネーブにおけるグループ・オブ・フレンズおよび国際連合の上級代表達による定例会合の開催、および2005年4月7日、8日に開催された直近の会合への両当事者の出席、ならびに、両当事者が同会合において表明した公約を歓迎し、双方の側に対し、今後の会合にも建設的な参加を続けるよう強く促す。
  10. 当事者に対し、第1回ジュネーブ会合(経済協力、国内避難民および難民の帰還ならびに政治および治安問題という優先分野に取り組むもの)において設立され、2003年3月にソチにおいて設立された作業部会によって補完されるタスクフォースに、より積極的、定期的かつ組織的な様式で参加するよう促し、これら3つの優先分野における結果志向の活動は、引き続き、グルジアおよびアブハジア双方の共通の基盤を構築し、最終的には「トビリシおよびスフミ間の権限配分に関する基本原則」と題する文書とその送付書簡に基づく包括的な政治的解決に関する有意義な交渉を完結させる上で手掛かりとなることを再度表明する。
  11. 2005年7月に予定されていた安全保障に関する会合が中止されたことを遺憾とし、双方の側による全面的な参加を得て、かかる会合が可及的速やかに開催されることを期待する。
  12. 停戦と兵力引き離しに関する1994年のモスクワ合意の履行強化措置を盛り込んだ議定書が、2005年5月12日に署名されたことを歓迎する。
  13. 当事者に対し、調整委員会およびその関連メカニズムでの活動を含み、和平プロセスのあらゆる重要な観点を再活性化するために具体的な段階を踏み、信頼醸成措置に関する2001年3月のヤルタ会合の成果(S/2001/242)を活用し、信頼醸成措置に関する第4回会議の開催を目的として、ヤルタ会合の際に合意された諸提案を、目的意識を持った協力的な方法で履行するよう再度呼びかけるとともに、紛争解決プロセスにおいて進展が見られるまで、経済協力と信頼醸成措置に関するかかる会合を主宰するという意図をドイツが表明したことを歓迎する。
  14. ソチおよびトビリシ間の鉄道再開ならびに難民および国内避難民の帰還に向けた前向きな進展を歓迎する。
  15. 市民社会レベルでの接触が相互の信頼を強化し得ることに留意し、双方の側に対し、かかる接触を促進するよう呼びかける。
  16. 難民および国内避難民の問題に関する進展が緊急に必要であることを強調し、双方の側に対して、帰還に特別な関心を払うという真の公約を表明し、UNOMIGとの緊密な調整と、UNHCRおよびグループ・オブ・フレンズとの協議により、この任務に取り組むよう呼びかける。
  17. 事務総長特別代表が提案した帰還に関する趣意書の早急の完成および署名を求め、SRSGとUNHCRの参加を得て、難民および国内避難民に関するソチ作業部会の会合が開かれたことを歓迎する。
  18. 紛争による人口の変化は容認できないことを再確認し、紛争によるすべての難民および国内避難民の不可譲の権利をも再確認し、これらの人々は国際法に従い、1994年4月4日の4者合意(S/1994/397, annex II)およびヤルタ宣言の定めるところにより、安全かつ尊厳ある条件の下、住居所に帰還する権利を有することを強調する。
  19. アブハジア側は、帰還民を保護し、残された避難民の帰還を促進する特別の責任を有することを想起する。
  20. ガリ、オチャムチラ、トクアルチャルの各地区におけるUNDPの活動の継続、および、スフミとガリにおけるUNDP事務所開設を歓迎する。
  21. 当事者に対し、ガリ地区に派遣された合同評価ミッションの勧告(2000年11月)を履行するよう再度求め、第1回ジュネーブ会合において当事者がこれら勧告を前向きに検討したにもかかわらず、この点で何ら進展が見られないことを遺憾とし、アブハジア側に対して、スフミにある人権事務所のガリ支所を可及的速やかに開設することに同意し、その支障のない機能を確保するための治安条件を整備するよう再度呼びかける。
  22. 決議1494(2003)において支持され当事者によって合意されたように、UNOMIGの一部として文民警察の展開が開始されたにもかかわらず、ガリ地区への警察官の展開が依然として滞っていることの懸念を改めて表明し、アブハジア側に対し、同地区への警察部門の速やかな展開を認めるよう呼びかける。
  23. 特にアブハジア側に対し、法執行による現地住民の保護を改善し、グルジア系住民の母語での指示の欠如に対処するよう呼びかける。
  24. 違法な武装集団の活動に終止符を打つためにグルジア側が講じた措置を歓迎し、かかる取り組みの継続を奨励する。
  25. 停戦および兵力引き離しに関する1994年5月14日のモスクワ合意(S/1994/583, annex I)規定のあらゆる違反を非難する。
  26. コドリ峡谷において比較的平穏が保たれていることを歓迎し、民間人の殺害や拉致を含む、ガリとズグジジにおいて継続している犯罪行為を非難する。
  27. 当事者に対し、2004年1月19日および2003年10月8日に署名されたガリ地区における治安問題に関する議定書の規定を遵守し、定期会合を継続し、ガリ地区における治安改善のために相互の協力をさらに緊密化するよう促し、アブハジアが4者会合および合同事実調査グループに復帰したことに留意する。
  28. グルジア側に対し、UNOMIGとCIS平和維持軍の合同巡回によるコドリ峡谷上流域における独立したかつ定期的な監視を可能にするため、包括的な安全の保障を提供するよう再度呼びかける。
  29. UNOMIG、CIS平和維持軍および他の国際的な要員に適切な安全を提供し、その移動の自由を確保する第一義的責任は、双方の側にあることを強調し、双方の側に対し、この点について義務を果たすよう呼びかける。
  30. これに関連し、過去においてこれら任務の要員の拉致が繰り返し生じていることを強く非難し、犯人の特定も裁きもいまだ行われていないことを深く憂慮し、この不処罰を終了させる責任は当事者にあることを繰り返し、当事者に対し、行動をとるよう呼びかける。
  31. また、当事者に対し、2001年10月8日のUNOMIGヘリコプター撃墜に責任を有する者を特定し、法に照らして遮断し、特に犯罪捜査においてとられた措置をSRSGに通知するために、必要なあらゆる措置をとるように再度呼びかける。
  32. 性的搾取と虐待を容赦なく取り締まるという事務総長のゼロ・トレランス政策を実施し、要員による国際連合行動規範の完全な遵守を確保するため、UNOMIGによって為された努力を歓迎し、これとの関連で、事務総長に対し引き続き、必要なあらゆる行動をとり、安保理に情報を提供し続けるよう要請し、兵力提供諸国に対して、展開前の啓発教育の実施を含む適切な事前予防策を講じ、自国の要員がかかる行為に関係した場合には、全面的なアカウンタビリティを確保するため、懲戒処分およびその他の行動をとるように促す。
  33. UNOMIGの職務権限をさらに2006年1月31日まで延長することを決定する。ただし、CIS平和維持軍の職務権限に変更が生じた場合には適宜、安保理による職務権限を見直すものとする。
  34. 事務総長に対し、グルジア、アブハジア情勢について、安保理への定期的な情報提供を継続し、本決議採択の日付から3カ月後に報告を行うよう要請する。
  35. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1615 (2005)