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安全保障理事会決議 1633

2005年10月21日

2005年10月21日、安全保障理事会第5288回会合で採択

安全保障理事会は、
コートジボワール情勢に関する従前の安保理諸決議および安保理議長諸声明を想起し

コートジボワールの主権、独立、領土保全および一体性に対する強い公約を再確認し、善隣、不干渉および地域協力の原則の重要性を想起し、

2003年1月24日にリナ・マルクーシでコートジボワールの政治諸勢力が署名し、2003年1月25日から26日にかけてパリで開催されたコートジボワールに関する首脳会議で承認された合意(S/2003/99)(リナ・マルクーシ合意)、2004年7月30日にアクラで署名された合意(アクラIII合意)ならびに2005年4月6日にプレトリアで署名された合意(プレトリア合意)を了としたことを想起し、

リナ・マルクーシ合意、アクラIII合意およびプレトリア合意が引き続きコートジボワール危機の平和的、恒久的解決を図る上で適切な枠組みであることを再確認し、

2005年10月6日にアジスアベバで開催された第40回首脳レベル会合で採択されたアフリカ連合平和安全保障理事会の決定(平和安全保障理事会決定)(S/2005/639)に留意し、

また、閣僚級国際作業部会(国際作業部会)の創設、および、国際作業部会の代表(調停グループ)による日常的な調停も顧慮し、

アフリカ連合代表を務めるナイジェリア外相およびアフリカ連合平和安全保障委員、国連事務総長特別代表、ならびに、選挙担当上級代表による2005年10月13日のブリーフィングを聴取し、

コートジボワールにおける危機の継続と情勢悪化に対する深刻な懸念を表明し、

コートジボワールにおけるすべての人権侵害に対する断固とした非難を繰り返し表明し、

コートジボワール情勢は引き続き、地域における国際の平和と安全にとって脅威であると判断し、

国際連合憲章第7章にもとづいて行動して、

  1. アフリカ連合、とりわけ、アフリカ連合議長を務めるナイジェリアのオルシェグン・オバサンジョ大統領、アフリカ連合で調停役を務める南アフリカ共和国のタボ・ムベキ大統領、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)および地域の諸指導者による、コートジボワールにおける平和と安定の促進に向けた継続的取り組みを賞賛するとともに、これらに対する全面的な支援を繰り返し表明する。
  2. また、国連事務総長特別代表を務めるピエール・スコリ氏と選挙担当上級代表を務めるアントニオ・モンテイロ氏による不断の努力も賞賛するとともに、選挙担当上級代表が担う仲介と認証の役割をはじめ、両者に対する全面的な支援を繰り返し表明する。
  3. ロラン・バグボ大統領の任期が2005年10月30日に満了すること、および、予定期日までに大統領選挙を実施するのは不可能であることに関するECOWASと平和安全保障理事会の所見、ならびに、バグボ大統領は2005年10月31日から12カ月を越えない期間、国家元首の地位にとどまるという事実についての決定を含む、平和安全保障理事会の決定に対する安保理の支持を再確認するとともに、リナ・マルクーシ合意、アクラIII合意およびプレトリア合意の全署名当事者、ならびに、コートジボワールの全関係当事者が、これを十分に遅滞なく履行することを要求する。
  4. ともに国連事務総長特別代表を共同議長とする閣僚級国際作業部会と調停グループの設置を支持し、国際作業部会に対し、できるだけ早く会合を開くよう求めるとともに、国際作業部会事務局の調整は、平和安全保障理事会決定第10項の第6節に従い、国際連合が担当することを確認する。
  5. アフリカ連合議長、ECOWAS議長およびアフリカ連合調停官に対し、平和安全保障理事会決定第10項の第2節に従い、リナ・マルクーシ合意に署名したコートジボワールの全当事者が許容できる新首相の任命を2005年10月31日までに確保するため、直ちにコートジボワールの全当事者との協議を行い、この過程全体を通じて事務総長と緊密な連絡を保つことを促す。
  6. 全閣僚は内閣に対する全権を有する首相に対して行為者責任を負うことを強調する平和安全保障理事会決定第10項の第3節に対し、全面的な支持を表明する。
  7. 2004年5月25日付の安保理議長声明(S/PRST/2004/17)で強調されたとおり、全閣僚が国民和解政府に十分に関与することの重要性を繰り返し表明し、ゆえに、ある閣僚が国民和解政府に十分に関与しない場合には、首相がその職務を担うとともに、国際作業部会に対し、この点に関する状況を仔細に監視するよう要請する。
  8. 首相は、政府の実効的な機能を確保し、コートジボワール全域にわたる治安および行政・公共サービスの回復を保証し、武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)プログラムおよび民兵組織の武装解除・解散作業を主導し、公正な身元確認プロセスと有権者登録を確保することで、国際連合の支援により、自由、公開、公正かつ透明な選挙を実施するため、リナ・マルクーシ合意に従い必要なすべての権限、ならびに、特に治安、防衛および選挙問題に関して、政府の財政的、物的、人的なすべての資源を掌握しなければならないことを強調する。
  9. コートジボワールの全当事者に対し、上記第8項で述べたすべての権限と資源を首相が掌握し、その任務の履行にあたって何の妨害にも困難にも直面しないことを確保するよう求める。
  10. 国際作業部会に対し、平和安全保障理事会決定第10項の第3および5節に基づき、首相が上記第8項で述べたすべての必要な権限および資源を掌握していることを検証し、首相が職務の遂行に当たって何らかの妨害や困難に直面した場合には、これを直ちに安全保障理事会に報告し、それについて責任を負うべき者を特定するよう要請する。
  11. 国民議会議員の任期が2005年12月16日までに満了することに留意しつつ、国際作業部会に対し、コートジボワールで選挙が実施されるまで、同国行政機構の正常な機能を確保することを念頭に、平和安全保障理事会決定第11項にいうところの国民対話フォーラムと適宜連携してコートジボワールの全当事者と協議し、この点に関して安全保障理事会とアフリカ連合平和安全保障理事会に逐次、情報を提供するよう招請する。
  12. 平和安全保障理事会がその決定第9項で言及したように、DDRプロセス、民兵組織の解散と武装解除、身元確認プロセスと有権者登録を含む自由、公正、公開かつ透明な選挙を実施するための条件整備をはじめ、リナ・マルクーシ合意、アクラIII合意およびプレトリア合意の一部規定の実施を迅速化するためには、追加的措置が必要であると見なす。
  13. よって、国際作業部会に対し、できるだけ早く、かつ2006年10月31日までに自由、公正、公開かつ透明な選挙を実施することを念頭に、コートジボワールの全当事者と協議の上、特に下記に関し、できるだけ早くロードマップを策定するよう要請する。
    1. 上記第5項に規定されている新首相の任命。
    2. 2005年5月14日にヤムスクロで署名された国家武装解除・動員解除・社会復帰プログラムに規定されたとおり、身元確認プロセスと部隊宿営を並行的に実施すれば、自由、公正、公開かつ透明な選挙の実施に向けた条件整備が迅速化されるであろうことを想起しつつ、上記第12項で言及されている未解決の課題すべての決着。
  14. 国土全域にわたる国家の権威回復、国家の再統一、および、できるだけ早い選挙のための組織化を促進するため、「新しい諸勢力」がDDRプログラムを遅滞なく進展させることを要求する。
  15. 身元確認プロセスも遅滞なく開始しなければならないことを確認する。
  16. コートジボワールの全当事者が、ラジオおよびテレビ放送ならびにその他何らかのメディアによる憎悪と暴力のすべての扇動をやめることを要求する。
  17. また、国土全域にわたる民兵組織の武装解除と解散を直ちに行うことも要求する。
  18. 平和安全保障理事会決定第5および7項を想起し、コートジボワールの全当事者が、民間人と外国人に対するものを含むすべての武力行使、および、混乱をもたらすあらゆる街頭抗議運動を慎むことを要求する。
  19. コートジボワールの近隣諸国に対し、戦闘員や武器の、コートジボワールへの越境移動を防止するよう促す。
  20. コートジボワールにおけるすべての人権侵害と国際人道法違反に対する深刻な懸念を再度表明するとともに、コートジボワール当局に対し、罰を受けない状態に終止符を打つため、これらの侵害行為を遅滞なく追求するよう求める。
  21. 国際連合コートジボワール活動(UNOCI)要員に対する大がかりな攻撃、および、UNOCIとフランス部隊の移動の自由に対する受け入れがたい妨害を非難し、コートジボワールの全当事者が、特にコートジボワール国土全域にわたり、両部隊の要員と関連要員の安全、保安および移動の自由を保証することにより、両部隊の活動に全面的に協力することを要求するとともに、両部隊の要員の移動の自由、または任務の完全な履行に対する妨害があれば、いずれも許容しないことを確認する。
  22. 平和安全保障理事会決定第13項に留意し、2005年10月14日付の安保理議長声明(S/PRST/2005/49)、ならびに、第4、5および6項をはじめとする2005年6月24日の決議1609(2005年)に基づく安保理決定を想起し、コートジボワール情勢を踏まえ、2006年1月24日のUNOCIの職務権限満了までに、UNOCIの部隊の規模を再検討する意図を表明する。
  23. 平和安全保障理事会決定第12項、ならびに、2004年11月15日の決議1572(2004)第9および11項に定める個別措置に対する平和安全保障理事会の支持を想起し、特に上記第13項で述べたロードマップで定義された和平プロセスの実施を妨害する者、コートジボワールにおける人権と国際人道法の深刻な侵害の責任者と判定された者、憎悪と暴力を公然と扇動した者、または、武器禁輸措置に違反したと判定された者もしくは組織はいずれも、かかる措置を科す用意があることを再確認する。
  24. 調停グループから定例報告を受けることになる国際作業部会、および、2004年11月15日の決議1572(2004)によって設置された制裁委員会に対し、上記第14から18項で触れた問題に関する進捗状況の念入りな評価、監視およびフォローアップを行うよう促す。
  25. この問題に関し引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1633 (2005)