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安全保障理事会決議 1739

2007年01月10日

2007年1月10日、安全保障理事会第5617回会合で採択

安全保障理事会は、

コートジボワールの状況に関連する安保理の従前の諸決議および安保理議長諸声明、とりわけ、2007年10月31日までにコートジボワールにおける自由、公開、公正および透明な選挙実施をもたらす移行期間に関する決議1721(2006)、を想起し、

またリベリアの状況に関連する安保理決議1712(2006)を想起し、

コートジボワールの主権、独立、領土保全および統一への安保理の強い公約を再確認し、また善隣、不干渉および地域協力の諸原則の重要性を想起し、

2006年12月4日付事務総長報告書(S/2006/939)に留意し、

国際連合コートジボワール活動(UNOCI)および同活動を支援するフランス軍に対する安保理の支援を再確認し、

大規模な市民の苦境と強制退去をもたらした、重大な人道上の結果を含む、コートジボワールの状況の悪化および危機の継続に安保理の重大な懸念を表明し、

コートジボワールの状況が同地域における国際の平和と安全に対する脅威を引き起こし続けていることを決定し、

国際連合憲章第7章にもとづいて行動して、

  1. UNOCIおよび同活動を支援するフランス軍の職務権限が、下記第2項および第8項においてそれぞれ決定されるように、2007年6月30日まで延長されることを決定し、またその日付までに、決議1721(2006)において言及されたように和平プロセスの履行において達成された進展に照らして、派遣期間を含む職務権限、およびUNOCIの兵力の水準を検討する安保理の意図を表明する。
  2. UNOCIが本決議の採択の日付より、以下の職務権限を有することを決定する。

    (a)敵対行為の中止および武装集団の移動の監視

    ―2005年4月6日の戦争終了の合同宣言および2003年5月3日の包括的停戦協定の履行を観察かつ監視し、その能力および兵力の展開区域内において、あらゆる敵対行動を予防し、また停戦違反を調査すること、

    ―フランス軍との調整の下、関連するすべてのコートジボワール勢力の間の信頼の再構築を促進する目的で、コートジボワール国軍(FANCI) および新勢力の軍事部門と連携すること、

    ―とくにリベリア難民の状況および戦闘員の越境移動に特別な関心を払い、国境監視においてコートジボワール政府を支援すること、

    (b)武装解除、動員解除、再統合、帰還および再定住

    ―関連するすべてのコートジボワール勢力の再編成の実行において、コートジボワール政府を支援し、また武装解除、宿営地および動員解除の場所の治安を確実とすること、

    ―UNOCIの現在の能力内で、女性と子どもの特別なニーズにとくに関心を払いながら、とりわけ宿営地の準備を含む、兵站支援を通じて、戦闘員の武装解除、動員解除および再統合のための国家計画の履行において、コートジボワール政府を支援すること、

    ―女性と子どもに対する特別なニーズにとくに関心を払いながら、コートジボワール政府の取り組みを支援し、また関係政府、関連する国際金融機関、国際開発機関および援助国との協力の下、外国人元戦闘員のための、自発的帰還および再定住計画の履行において、国際連合リベリアミッション(UNMIL)と密接に調整を行うこと、

    ―戦闘員の武装解除、動員解除および社会統合の国家計画と、また外国人元戦闘員の自発的帰還および再定住計画が、調整された地域的対処方法に対する必要性を考慮に入れることを確保すること、

    ―元戦闘員によって引き渡されたあらゆる武器、弾薬または他の軍事装備を厳重に保管し、無力化しまたは破壊すること、

    (c)民兵の武装解除および解体

    ―決議1721(2006)の第12項に一致して、民兵の即時武装解除および解体計画の作成および履行において首相を支援し、またその履行を監視すること、

    ―民兵によって引き渡されたあらゆる武器、弾薬および他の軍事装備を厳重に保管し、無力化しまたは破壊すること、

    (d)住民の確認と選挙人登録の活動

    ―決議1721(2006)の第17項において記されている作業部会と密接に連携しながら、その能力および展開地区の範囲内で、住民の確認および選挙人登録の活動の安全確保に貢献すること、

    (e)治安部門の改革

    ―決議1721(2006)第15項において記されている作業部会と密接に連携しながら、防衛治安軍の再構築についての計画の作成、またアフリカ連合およびECOWASによって組織された治安部門改革に関する実行可能なセミナーの準備を支援すること、

    (f)国際連合要員、施設および文民の保護

    ―国際連合要員、設備および備品を保護し、国際連合要員の安全と移動の自由を確保し、また、コートジボワール政府の責任に予断を与えることなく、その能力および展開地区の範囲内で、身体的暴力への差し迫った脅威の下にある文民を保護すること、

    ―首相との調整の下、コートジボワール政府の構成員の安全の提供を支援すること、

    (g)武器禁輸の監視

    ―決議1584(2005)の下で設立された専門家集団および、適宜、UNMILおよび関係政府との協力の下、必要と見なす時また予告なく、航空機および港湾、空港、飛行場、軍事基地およびコートジボワールの国境検問所を利用するいかなる輸送用手段の積荷検査を含む、決議1572(2004)第7項によって課された措置の履行を監視すること、

    ―決議1572(2004)第7項によって課された措置に違反して、コートジボワールに持ち込まれた、武器およびあらゆる関連物資を適宜回収すること、またそのような武器および関連物資を適宜処分すること、

    (h)人道援助の支援

    ―とりわけ、必要な治安状況を確立することを助け、また脆弱な集団とくに女性、子ども、および高齢者の特別なニーズを考慮して、人、モノおよび人道援助の自由な移動を促進すること、

    (i)国家行政の再展開への支援

    ―アフリカ連合、ECOWASおよびその他の国際的なパートナーの支援と共に、コートジボワール政府による、コートジボワール全土への国家当局および国家の社会経済復興に必要不可欠な制度ならびに公共サービスの再設立を促進すること、

    (j)公開、自由、公正および透明な選挙のための準備の支援

    ―アフリカ連合、ECOWASおよび他の国際的なパートナーの支援と共に、首相、政府、独立選挙委員会および他の関連する機関または組織に対して、公開、自由、公正および透明な大統領および議会選挙の準備に対し、決議1721(2006)に言及されているように、遅くとも2007年10月31日までに、すべての必要な技術援助を提供すること、

    ―技術に関する情報、助言および援助を、適宜、選挙のための上級代表に対して提供すること

    ―その能力および展開地区の範囲内で、投票が実施される地区の治安維持に貢献すること、

    ―その能力および展開地区の範囲内で、国際連合開発計画との密接な協力の下、独立選挙委員会に対する物流支援、とりわけ選挙物資の輸送を、必要に応じて提供すること、

    (k)人権分野における援助

    ―子どもと女性に対して行なわれた暴力に特別の注意を払いながら、コートジボワールにおける人権の促進および保護に貢献すること、不処罰を阻止する目的で人権侵害の調査を監視し援助すること、および決議1572(2004)の第14項に従って設立された安全保障理事会委員会(委員会)に対して、この点に関して進展を定期的に報告すること、

    (l) 広報

    ―UNOCIの広報の能力、とりわけONUCI FMを通じてのラジオ放送を通じて、コートジボワールの全領域において、決議1721(2006)に言及された和平プロセスを促進すること、

    ―とりわけ憎悪、不寛容および暴力に関するメディアによる煽動によるあらゆる事件に関して、コートジボワールのマスメディアを監視し、この件に関して委員会に対して状況を定期的に通知すること、

    (m)法と秩序

    ―コートジボワール全土に文民警察の駐留を回復することについて、アフリカ連合、ECOWASおよびその他の国際的な組織との連携において、コートジボワール政府を支援し、国内の治安サービスの再構築についてコートジボワール政府に助言すること、

    ―コートジボワール全土に司法および法の支配の権威を再確立することについて、アフリカ連合、ECOWASおよびその他の国際的な組織との連携において、コートジボワール政府を支援すること、

    ―必要に応じて、国営ラジオテレビ局(RTI)の施設の安全を提供することによって、公のメディアの中立性と公平性を確保することについて、コートジボワール政府を支援すること、

  3. 決議1609(2005)第3項および決議1682(2006)第2項の規定を、上記第1項に特定した期間、延長することを決定する。
  4. 決議1609(2005)の規定に従って、関係政府および関連する兵力提供国との協議に基いて、必要に応じてUNMILおよびUNOCIの間の一時的基本部隊を再配置することについて、事務総長に権限を与える安保理の意図を再確認する。
  5. その能力および展開地区の範囲内で、UNOCIに対して、その職務権限を実行するためにすべての必要な手段を用いる権限を与える。
  6. とくに国境を越える武器および戦闘員の移動の防止、ならびに武装解除および動員解除の計画の履行を含み、UNMILとの密接な連携において職務権限を実行するようにUNOCIに対して要請する。
  7. UNOCIに対して、地域および国際的な女性団体との協議を含む分野横断的な問題として、安全保障理事会決議1325に記された女性の権利およびジェンダーへの配慮を、考慮することを促し、また適宜、UNOCI全体を通じてのまた女性と少女の状況に関するすべての他の観点に関して、とくにジェンダーに基づく暴力から彼女たちを保護する必要性に関連して、ジェンダー主流化に関する進捗状況について安全保障理事会への報告に含めることを事務総長に要請する。
  8. フランス軍に対して、本決議採択の日から、UNOCIおよびフランス当局の間で達した協定に従い、UNOCIを支援する目的ですべての必要な手段を用いる権限を与える。とりわけ、

    (a)中立軍の活動範囲の一般的な治安維持に貢献すること、

    (b)UNOCIの要請に基いて、安全が脅かされている部隊の支援に介入すること、

    (c)UNOCIとの協議の下、UNOCIの展開区域外で、治安状況が求めている場合には、交戦行動に介入すること、

    (d)部隊の展開地区内で、民間人の保護を助けること、

    (e)決議1572(2004)によって制定された武器禁輸の監視に貢献すること、

    (f)防衛治安軍の再構築に関する計画の作成およびアフリカ連合とECOWASによって組織される治安部門改革についての実現可能なセミナーの準備に貢献すること、

  9. すべての当事者に対して、UNOCIおよび同活動を支援するフランス軍の展開および活動、ならびに関連要員に対して、コートジボワール全土を通じて、とりわけ安全、治安および障害のない即座のアクセスと移動の自由を保障することにより、その職務権限を十分に実行可能とするために、十分に協力することを要請する。
  10. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1739(2007)