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世界環境デー(6月5日)事務総長メッセージ

プレスリリース 14-036-J 2014年06月05日

「海面を上げるのではなく、声を上げよう」

国際小島嶼開発途上国年のさなかに、きょう、私たちは世界環境デーを迎えます。この国際年は、すべての人々のために持続可能な未来を実現する方法について地球的な議論を広める一環として、この多様な国々の特別なニーズを啓発するため、国連総会で宣言されたものです。

世界の6,300万人が暮らす小島嶼国は、際立った自然美と、活気あふれる文化、そして世界的に高い評価を受けている音楽で知られ、多くの旅行者が訪れる観光地です。小島嶼国の国土面積は広くはありません。しかし、陸上および海上における自然の富の管理人としての小島嶼国の重要性は、その面積に反映されるものではありません。それらの国々は海洋を保護する重要な役割を果たしています。その多くが地球上最も豊かな動植物の宝庫を保有し、また、その生物多様性を脅かされています。

このような資産を持つにも関わらず、小島嶼開発途上国は多くの困難に直面しています。多くの国が遠隔地にあることにより、世界のサプライチェーンに参加することが難しく、輸入コスト(特にエネルギーコスト)が上昇し、観光業における競争力も制限されます。暴風雨や海面上昇などの気候変動による影響に対しても、ますます脆弱になっています。

小島嶼開発途上国は気候変動にほとんど寄与していません。これらの国々の温室効果ガスの年間排出量は、すべて合計しても総排出量の1%にもなりませんが、気候変動の被害を最も受けやすいことから、2015年の新たな気候変動の法的枠組み合意の交渉においては、その多くの国が前面に立って自らの要求を主張しています。災害対策・災害予防において主導的役割を果たしている国や、再生可能エネルギーの利用などの方法により気候変動の影響排除に取り組んでいる国もあります。

小島嶼国は、地球を持続可能な道に載せる必要について、共通の理解をしています。これにはすべての国の社会の全セクターの関与が必要です。世界環境デーにあたり、世界中の何百万もの個人、地域の集団、そして企業が、各地でクリーンアップキャンペーンや美術展示会、植樹運動などのプロジェクトに参加しています。今年、私はすべての人々に対し、小島嶼開発途上国の窮状について考え、気候変動に立ち向かう彼らの取り組みから着想を得て、レジリエンスを高め、持続可能な未来に向けて努力するよう求めます。海面ではなく、声を上げましょう。地球は私たちみんなの島です。力を合わせてこれを守ろうではありませんか。

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国際小島嶼開発途上国年については、こちらをご覧ください。