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安全保障理事会決議 1781

2007年10月15日

2007年10月15日、安全保障理事会第5759回会合で採択

安全保障理事会は、

2007年4月13日の決議1752(S/RES/1752)を含むすべての安保理関連諸決議を想起し、

2007年7月18日の(S/2007/429)および2007年10月4日の国際連合グルジア監視団の活動に関する事務総長報告書(S/2007/588)を歓迎し、

グルジアにおける紛争解決プロセスに影響を及ぼす最近のすべての武力衝突に重大な懸念をもちつつ留意し、とりわけ多くの人命が失われた衝突を憂慮し、兵力引き離しの維持および停戦の遵守の重要性を繰り返し表明し、

促進者の資格としてロシア連邦と同様に事務総長の私的諮問団の支援を受けて事務総長および事務総長特別代表ならびにOSCEの継続した努力を支援し、意味のある政治的対話のための公式の場としてのジュネーブ方式による会合の重要性が増大していることを強調し、

紛争区域における安定化のための重要な役割を現在果たしているUNOMIGとCIS平和維持軍との綿密かつ効果的な協力の重要性を強調し、また永続しかつ包括的な紛争の解決は適切な治安の保証を必要とすることを想起し、

紛争によって影響を受けた共同体、とりわけ難民および国内避難民の生活状況を改善するために、グルジア、アブハジアにおける経済発展が即刻必要とされることを強調し、

両者間の信頼が依然として欠けていることを遺憾とし、相互の懸案事項について建設的な協力的対応と尊重の重要性を強調し、

  1. 国際的に認められた国境内でのグルジアの主権、独立および領土保全に対するすべての加盟国の公約を再確認し、平和的手段によっておよび安全保障理事会の諸決議の枠組みでのみグルジア-アブハジア紛争の解決を促進するという決意によって導かれた、国際連合および事務総長の私的諮問団によるすべての努力を支援する。
  2. UNOMIGに対する安保理の強力な支援を再確認し、その任務に十分に協力することを当事者に求め、「2007年3月11日の上部コドリ峡谷におけるロケット発射事件に関する共同事実調査団報告書」および2007年10月4日の事務総長報告書S/2007/588でUNOMIGが勧告したとおり任務の監視能力を強化することが必要だと考え、それら勧告の実施のために選択肢を探求し進捗状況を安保理に報告し続けることを事務総長に要請する。
  3. 上部コドリ峡谷における状況が1994年5月14日の停戦および兵力引き離しに関するモスクワ合意に従うことを確保するようにグルジア側に求め、コドリ峡谷に関してはグルジアの取り組みに応じて抑制するようにアブハジア側に求める。
  4. 紛争区域における停戦および兵力引き離し制度に対して多数の違反が現在行なわれていることに重大な懸念を表明する。
  5. 2007年3月11日および2007年9月20日におけるものを含み、UNOMIGによって観察されかつ2007年7月18日および10月4日の事務総長報告書に述べられた紛争区域の内外で起こった衝突について重大な懸念を表明する。
  6. 相互の正当な治安上の懸念を真剣に考慮し表明し、政治的行動またはレトリックを含むいかなる暴力または挑発行為を控え、ならびに、停戦および暴力の不使用に関する従前の諸協定を完全に履行することを全当事者に強く促す。
  7. 暴力の不使用に関する文書を遅滞なく完了させることを両者に求め、ならびに難民および国内避難民の帰還に関する文書を遅滞なく完了させることを両者に求める。
  8. 共同事実調査団に対して両者が引き続き積極的に関わることを促し、これとの関連で、「2007年3月11日の上部コドリ峡谷に対するロケット発射事件に関する共同事実調査団報告書」に対する支援を表明し、ならびに、報告書においてUNOMIGが行なった勧告を了とする。
  9. 四者会談における定例の協議を再開するために2007年6月27日および28日にボンで開催された国際連合主催の会合の際に両者によってなされた公約を歓迎し、当該公約の履行を完結することを両者に促す。
  10. 難民および国内避難民の安全かつ尊厳のある帰還を含む、平和的解決に至るための関連する安全保障理事会の諸決議に記されている既存のすべてのメカニズムの十分な利用により二者間の接触を引き続き増加させることを両者に求める。
  11. 事務総長の私的諮問団によって提案され、2007年4月13日の決議1752によって了とされた信頼醸成措置に対する支援を更新し、分断された国における両共同体間の広範かつ偏りのない接触の進展に寄与するという確信において、無条件でそれらの措置を履行することをグルジア側およびアブハジア側に促す。
  12. 永続するかつ包括的な解決を達成するために、「トビリシとスフミ間の権限配分のための基本原則に関する文書」に含まれる諸原則への支援を想起し、国際連合の後援の下政治的対話を独創的かつ建設的に実施するために両者が自発的に提供するであろう追加の構想を歓迎する。
  13. ガリにおけるUNOMIG警察の展開およびアブハジア側の協力を歓迎し、この協力をさらに深めることを呼びかける。
  14. 難民および国内避難民の苦境を緩和する緊急の必要性ならびにとりわけグルジア、アブハジアの外で成長している新しい世代の安全かつ尊厳ある生活の見通しの必要性を改めて強調する。
  15. すべての難民および国内避難民のグルジア、アブハジアへの帰還の権利が根本的に重要なものであることを繰り返し表明しかつ再確認し、当該人民の帰還および財産の返還ならびに個人の所有権は所有者が紛争の期間逃走していたという事実ならびに居住している者の権利およびその所有者の同一性が尊重されるべきことによって影響されないことの重要性を再確認し、まず第1にガリ地域への帰還のためのUNHCRの戦略指示書の履行を両者に求める。
  16. 両者の市民社会の代表者間に接触があることを歓迎し、引き続き接触を続けるように促し、ならびに、当該接触における市民および官僚の積極的な関わりを留保無く促進することを両者に呼びかける。
  17. 紛争区域において、UNOMIG、CIS平和維持軍およびその他の国際要員に適切な治安を提供しおよび移動の自由を確保することが両者の主要な責任であることを強調し、この点に関する自らの義務を実行しおよびUNOMIGとCIS平和維持軍に対して十分な協力を行なうように両者に求める。
  18. 性的搾取・虐待に関する事務総長のゼロ・トレランス政策を実施し、その要員による国際連合行動規範の完全な遵守を確保するため、UNOMIGによってなされた努力を歓迎し、これとの関連で必要なあらゆる策を講じ、安全保障理事会に情報を提供し続けることを事務総長に対し引き続き要請し、兵力提供諸国に対して、展開前の啓発教育の実施を含む適切な事前予防策を講じ、かかる行為に自国の要員が関与した場合には全面的なアカウンタビリティを確保するため、懲戒処分およびその他の処分をとることを促す。
  19. UNOMIGの職務権限を2008年4月15日に終了する新しい期間の間延長することを決定する。
  20. 最高級レベルでの会合の促進を含む永続的かつ包括的な解決の達成を目的として、信頼醸成を構築し、集中的かつ意味のある対話を定着させるための措置を実施することについて両者を支援するために、この職務権限を用いること、また、この観点から見られる進展について、グルジア、アブハジアにおける状況について次回の報告書で安保理に報告することを、事務総長に対して要請する。
  21. 事務総長特別代表の努力を強く支援し、彼に対して確固としたかつ統一的な支援を引き続き行うことを事務総長の私的諮問団に求める。
  22. この問題に引き続き積極的に取り組むことを決定する。

S/RES/1781(2007)