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国際障害者デー(12月3日)に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 07/104-J 2007年12月03日

今年の「国際障害者デー」は、障害を持つ人々にとってのディーセント・ワーク(人間らしい働きがいのある仕事)を確保するという目標に焦点を当てて います。自由、平等、安全、そして人間の尊厳を尊重する条件のもとで生産的雇用を得る資格は、誰にでもあるのだということを改めて認識するためです。

障害を持つ人々はほとんどあらゆる社会で、十分な雇用機会を与えられていません。推計によれば、先進国の障害者のうち半数以上、そして開発途上国の 障害者の大多数が失業者となっています。就職している障害者も、ほとんどは不完全雇用か、労働市場に十分に参加できない状態にあります。これは嘆かわしい 限りです。

障害を持つ人々は被雇用者として、起業家として、さらには雇用主として、貴重な労働力となれる能力を備えています。しかし、その潜在能力の発揮は数 多くの障壁によって妨げられているのが現状です。障害者は幼いときから、教育を受けたり、就業能力を取得したりする上で困難に直面します。成長してから も、恐怖心やその能力に対する偏見から、健常者なら得られる雇用機会を奪われてしまいます。しかも、障害者にとって立ち入ることのできない職場、明に暗に 差別的な法令や慣行、好ましくない労働環境などが、こうした障壁をさらに高くしているのです。

それでも、障害を持つ人々は機会あるごとに、生産的労働力としての価値を立証してきました。こうした積み重ねにより、障害を持つ人々を雇用すること が意味をなすという認識を持つ雇用主も徐々に増えてきました。職場環境の変化や情報通信技術の進歩も、障害を持つ人々がディーセント・ワークに就ける道を 広げています。

ほとんどの国には、職場での障害者保護を図る法令がありません。来年早々に発効が見込まれる障害者の権利条約は、障害を持つ人々が健常者と平等に働 き、雇用される権利を認めています。また、障害者が自由に選択した仕事によって生計を立てる権利や、アクセス可能かつ受容的な環境で働く権利も強調してい ます。

今年の国際デーにあたり、すべての人々にとって平等な権利を求める決意を新たにしようではありませんか。そして、それぞれのコミュニティでの暮らしに、障害を持つ人々を全面的に参加させることを誓おうではありませんか。

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