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世界エイズ・デー(12月1日)に寄せる
潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 07/103-J 2007年11月30日

今年の世界エイズ・デーのテーマは「リーダーシップ」です。これが欠けていれば、私たちは決してこの病気に太刀打ちできないからです。

エイズはほかのどの病気とも違います。それは社会問題であり、人権問題であり、経済問題でもあります。その餌食になるのは、経済開発、知的成長、そ して子育ての担い手であるべき若年成人層です。女性は不釣り合いに大きな犠牲を強いられます。エイズ孤児は数百万人に上ります。そしてエイズは、HIVが 人体に及ぼすのと同じ影響を、社会に及ぼします。つまり、その抵抗力を弱め、能力を低下させ、発達を妨げ、安定を脅かすのです。

これは仕方のないこととあきらめてはなりません。私たちには、若年成人層を感染から守る手段があります。感染者を治療するすべもあります。また、ケアと支援を提供する手だてもあります。

私たちはこれらすべての点で、大きな具体的前進を遂げました。しかし、まだ十分ではありません。最新のデータを見ると、全世界でのHIV感染率は頭 打ちとなっているものの、感染者は依然として膨大な数に及んでいます。あらゆる人々がHIVの予防や治療、ケアや支援にアクセスできるようにすることは、 私たちにとって急務となっています。具体的な対象者としては、移住者、売春婦、注射による薬物使用者、男性の同性愛者など、社会から疎外されて暮らす人々 があげられます。しかし、政府、銀行、法律事務所、学校、国際機関など、社会の主流で活躍する人々のことも忘れてはなりません。どこに暮らそうとも、何を しようとも、あらゆる人々を対象とすべきです。

エイズを恥と考える風潮を克服することは、依然として大きな課題です。それは今でも、公のエイズ対策を阻む最大の障壁となっているからです。世界中でエイズの惨禍が収まらない理由の一つも、ここにあるのです。

私はきょう、エイズに伴う屈辱感を取り払うため、新たなリーダーシップの発揮を呼びかけたいと思います。HIV感染者であることを公言し、絶えず HIV感染者の人権擁護を提唱し、人々にエイズ教育を施している勇気ある方々に対し、私は拍手を送ります。政府関係者に対しては、エイズという病気を十分 に理解することで、もっとも必要なところに資源を投入できるよう、リーダーシップの発揮をお願いします。また昨年、すべての政府が約束したとおり、 2010年までにHIVの予防、治療、ケア、支援の完全普及を図るべく、あらゆるレベルで取り組みをさらに本格化させるためのリーダーシップの発揮も呼び かけたいと思います。この目標期限までに残された時間は、わずか2年です。リーダーシップは今すぐに必要とされているのです。

私は事務総長として、エイズ対策を優先課題に据え、加盟国にこの問題を国内的、国際的優先課題とするよう促し、国連が職場でのエイズ対策の模範例となれるよう、国連ファミリーによる取り組みを指導していく決意を固めています。

生活上でどのような役割を担おうとも、どこに暮らそうとも、私たちはすべて、何らかの形でHIVとかかわり合っています。その影響は私たち全員に及んでい ます。私たち一人ひとりが、その対策に責任を負う必要があるのです。きょうの「世界エイズ・デー」にあたり、この責任を全うするために必要なリーダーシッ プを示そうではありませんか。

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