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*日本語訳(非公式)ができましたのでお知らせします
女性に対する
暴力撤廃の国際デー(11月25日)に寄せる 潘基文国連事務総長メッセージ

プレスリリース 07/102-J 2007年11月30日

女性に対する暴力は依然として、世界でもっとも悪質かつ組織的な人権侵害として広まっています。それはあらゆる女性にとって脅威であるばかりか、あらゆる社会で開発や平和、男女平等を目指す私たちの取り組みをことごとく妨げています。

この卑劣な犯罪行為に逃げ道を作ってきた法律、政策、慣行、態度を変えるという点で、大きな前進を遂げた国も多くあります。しかし、女性への暴力を時には容認するような雰囲気を取り払うには、さらに多くの課題が残されています。

この1年間、私たちの取り組みは新たな緊急性を帯びてきました。前任の事務総長が2006年に詳細な調査結果を発表したのを受けて、国連総会は女性 に対するあらゆる形態の暴力を撤廃するための取り組みを強化する画期的な決議を採択したからです。地域委員会による新たな取り組みから、各国レベルでの調 整とプログラム策定の改善に至るまで、国連ファミリーはあらゆるレベルで活動を本格化させています。世論の意識を向上させ、政治的な意思を作り上げ、効果 的な対応を行うための取り組みも進んでいます。私たちは現在、各国が女性に対する暴力の範囲、蔓延度、件数を把握し、これに効果的に対応するのを助けるた めの提案を策定中です。

このような取り組みを一本化するため、私は、国連システム全体が女性に対する暴力の撤廃を目指し、2015年まで繰り広げるキャンペーンの先頭に立 つことを決心しました。このキャンペーンは、グローバルな提唱活動、自ら模範を示すことによる国連のリーダーシップ、そして政府、市民社会、民間企業その 他による活動を支援する国内、地域レベルでのパートナーシップ強化という3つの重点分野を中心に展開されます。私は、総会が毎年、女性に対する暴力問題に 関する検討項目を議題に加えることを提案しました。また、安全保障理事会に対しては、女性と平和、安全に関する決議1325の枠内で、女性と女児に対する 暴力監視のためのメカニズムを設けるよう呼びかけました。

このような取り組みに対しては、「国連システムの一貫性に関するハイレベル・パネル(High-level Panel on United Nations System-wide Coherence)」が提示したような、国連のジェンダー構造を強化する提案からも支持が得られると思います。また、現行の断片的な機構をダイナミック な国連主体へと一本化すれば、私たちの主張を大きく前進させることもできるでしょう。このような主体の新設によって、全世界で女性のエンパワーメントと男 女平等の実現を図る活動に、国連システムのあらゆる資源を投入できるようになるはずです。また、グローバルなレベルで変革を目指す勢力を結集し、各国レベ ルで成果改善に向けた着想を与えることもできるはずです。

女性に対する暴力は常に人権侵害であり、犯罪であり、容認できない行為です。きょうの国際デーに限らず、毎日この問題に真剣に取り組んでいこうではありませんか。

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