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安倍晋三総理との共同記者発表における事務総長発言(東京、2018年8月8日)

プレスリリース 18-048-J 2018年08月09日

©UNIC Tokyo/Takashi Okano

まず、安倍総理のたいへん温かい歓迎に感謝したいと思います。

日本は今日の世界で、多国間主義を根底から支える柱の1つとなっています。日本は国連の熱烈な支持者であり、私はこの点について深い感謝と賞賛の意を表したいと思います。

私は国連に加わって以来、長年にわたり少なくとも年1回、日本を訪問してきましたが、今回の訪日には非常に特別な意味があります。

私は今、歴史上で二度しか使われたことのない原子爆弾の投下により犠牲となった日本の人々との深い連帯を示すために、この地を訪れています。また、日本の人々、特に犠牲者の方々の強靭な精神に敬意を表し、被爆者の声こそが、根本的な平和のメッセージであることを伝えるという目的もあります。「ノーモア・ナガサキ。ネバーモア・ヒロシマ。これ以上の被爆者を出してはならない」というのは、国連のメッセージでもあります。

このような連帯と、強靭性に対する敬意を表明するうえで、私たちは極めて重要な時期を迎えています。私たちは北朝鮮の非核化に全力を尽くす一方で、軍縮に向けた取り組みにも着手しているからです。

当然のことながら、私は国連事務総長として、北朝鮮に関連するすべての安全保障理事会決議の履行を全面的に約束しています。

そして、検証可能かつ不可逆的な全面的非核化を成し遂げ、北朝鮮がこの地域で国際社会の普通の一員になれるようにするという目的を共有しつつ、米国と朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の間で進められている交渉を全面的に支持しています。

私たちはまた、日本による北朝鮮との対話に向けた取り組みも、全面的に支持していますが、私は特に、拉致被害者が置かれた状況について、全面的な連帯を表明したいと思います。今日の社会で、このような状況を許すことは絶対にできないと考えるからです。

最近、私たちはジュネーブで、軍縮に関するイニシアティブを立ち上げましたが、これには3つの次元があります。

まず、人類を救うための軍縮があります。その中心となる目的はもちろん、核兵器がまったく無い世界を実現することです。私たちは、不拡散の原則が揺らぐことのないよう、全力を尽くしています。中でも北朝鮮とイランの情勢は、不拡散を守るだけでなく、不拡散に実効的な軍縮、すなわち段階的な核軍縮措置が伴わねばならないという必要性を認識するうえで、2つの重大な懸案となっています。それと同時に、化学兵器・生物兵器禁止の全面的履行も必要です。

また、命を救うための軍縮もあります。特に、通常兵器が市街地で民間人にどれだけ破壊的な影響をもたらしているかを考慮せねばなりません。そして、将来世代のための軍縮もあります。それはすなわち、人間の統制と人間の責任を完全に逃れた武器や、武器システムの開発が行われないようにすることを意味します。

そして、こうした想いを長崎で表現することは、私にとって情緒的に大きな意味を持っています。長崎は16世紀、ポルトガル人がはじめて日本に渡来した地でもあるからです。

私は軍縮だけでなく、持続可能な開発目標(SGDs)の実現や気候変動対策、人権の推進、そして国連活動の全側面でリーダーシップを発揮している日本に対し、深い感謝の意を表します。

私は、日本のG20議長国就任が、SDGsの実現だけでなく、気候変動への対策についても、大きな転機となることを確信しています。気候変動は依然として、私たちの先を行く速さで進んでおり、今まさに近づきつつある台風もおそらく、このことを証明しているからです。

また、私は日本の支持を受けながら、国連改革を進めていく決意を固めています。そして、安保理を改革し、その正当性と効率性を十分に保証しない限り、国連改革は成し遂げられないという点についても、全面的に同意します。

ありがとうございました。

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*共同記者発表に関する UN News(英文)はこちらをご覧ください。