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パレスチナ人民連帯国際デー(11月29日)事務総長メッセージ

プレスリリース 15-105-J 2015年11月27日

今年の「パレスチナ人民連帯国際デー」は、安全も希望も底をついた状態で迎えることになりました。

凶悪な暴行や刃物での攻撃、銃撃、車両による攻撃をはじめとする暴力の応酬は、イスラエル人とパレスチナ人双方の家庭に計り知れない苦痛をもたらしています。私はこのような攻撃と、あらゆる暴力行為を非難します。違法な入植活動や入植者が絡む暴力は、パレスチナ人が所有する家屋や構造物の懲罰的破壊とともに、今でも続いています。

エルサレム旧市街の聖地に関連する緊張状態は、この紛争に厄介かつ危険な宗教的次元を加えてしまいました。先月、この地域を訪問した私は、イスラエル・ヨルダン間の合意に基づき、また、「管理者」としてのヨルダン国王の特別な役割に鑑み、神殿の丘の現状を維持する必要性を強調しました。イスラエルには現状を変える意図がない、とベンヤミン・ネタニヤフ首相は繰り返し約束しており、私はそれを歓迎しますが、この約束は、事態の鎮静化と信頼回復を図る行動で裏づける必要があります。

双方のリーダーが、紛争解決に向けて建設的な役割を担うことが欠かせません。双方とも、扇動や敵対心を掻き立てる公式声明を拒まねばなりません。

私は、イスラエルが直面する安全保障上の課題を認識しつつも、武力行使に節度が伴わなければ、怒りや不満を生むだけだということを、イスラエル当局に改めて訴えます。私はイスラエルの治安部隊に対し、特に致死的武力の行使において、最大限の自制を働かせるよう強く促します。

パレスチナ人は、50年近く続く占領に不満を募らせています。イスラエル人は、身の安全に大きな不安を覚えています。2国家共存という解決策に至る政治的見通しが立たなければ、事態は手に負えない状況に陥るおそれもあります。

国際社会には、膠着状態の打開に向け、より大きな役割を果たす能力と義務があります。中東和平カルテットは、パレスチナ国家の存続可能性を維持するとともに、有意義な交渉を再開するための条件を整備すべく、取り組みを続けています。

2012年11月29日、パレスチナ国は「非加盟オブザーバー国」として、国連に加わりました。現時点で136カ国がパレスチナ国を承認しており、その旗は全加盟国の国旗とともに、国連本部に掲げられています。しかし、ガザの子どもたちも、ナブルスやヘブロン、東エルサレムの住民たちも、こうした前進を実感できていません。これらの人々が感じているのは、自分たちの暮らしが良い方向に変わるという希望、そして、隣国との和平を通じ、自由と幸せを確保できる国の市民になれるという希望が潰えたということです。

今年の国際連帯デーにあたり、イスラエルとパレスチナの人々が享受すべき公正な平和を実現するという私たちの決意を、改めて確認しようではありませんか。

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