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山下所長の国連だより(最終回)

2012年12月27日

2010年7月の着任以来、およそ2年半にわたって国連広報センターを指揮してきた山下真理所長がこのたび離任いたしました。最終回となる「国連だより」では、特に思い出に残る活動シーンを振り返ります。なお、山下氏は11月中旬、ニューヨーク国連本部で政務局アジア・太平洋部部長に着任し、新たなスタートを切っています。

国連広報センター(UNIC)の使命は国連の活動や優先事項を広く日本国民に知らせ、理解を募ると同時に国連への支援を深めることです。2010年7月に着任して以来、いかにして幅広い国連の仕事を紹介し、国連を身近に感じてもらえるのだろうかと、毎日問いかけながら活動してきました。離任にあたり、この2年半を振り返って気づいたことは、UNICの仕事は同時に日本をより深く理解し、日本社会の隅々に存在する国連の重要なパートナーと一緒になって活動する役割も含んでいるということでした。そして、それに気づかせて下さったのは、UNICの大切なパートナーの皆様です。

私たちの主な年次活動の一つに、在日国連諸機関と共に開催する「国連デー記念イベント」があります。2011年は東北大学のご協力を得て、初めて関東地方以外で国連の誕生を祝うことができました。2012年は環境パートナーシップ会議など市民社会と連携し、「持続可能な開発」をテーマに、日本の果たす役割を議論しました。また、初の「国際ガールズ・デー」を記念するイベントでは、ガールスカウトやプランジャパンとパートナーシップを組み、尚美ミュージックカレッジ専門学校ダンス学科所属の女子学生らによる力強いダンス・パフォーマンスも披露されました。

アカデミアの分野では、「国連アカデミック・インパクト」という新しいパートナーシップが発足。世界の学術機関や学生との対話を促進し、大学と国連との連携強化をリードしていくこの取り組みは、国連にとっても大変貴重です。一方、学生との協同活動としては「模擬国連」のガイダンスやミニ模擬国連を開催しました。このほか、UNIC職員も月に2、3回の割合で幅広く講演・講義を行い、数多くの学生や一般の方々と対話をしてきました。

グローバル・コンパクト」を通した国連とビジネス・セクターとの連携は10年目を迎えています。さらに、年に一度の国連事務総長訪日時や、その他の国連高官の訪日の際には、メディアの方々との交流も深めてきました。このほか、UNICホームページの拡充や、フェイスブック、YouTube、ツイッターなどソーシャルメディアの導入を通じて活動範囲を広げてきました。外務省をはじめとした政府代表の方々の多大なるご支援があってこそ、こうした幅広い広報活動が可能であることを実感しています。

この他にも毎日のように新しい出会いに恵まれ、国連にとって新しいパートナーとつながってきました。すべてが国連にとって貴重な財産です。20数年間日本を離れていた私にとって、母国でこれだけ多くのパートナーと出会い、連携を深めていく機会に恵まれたことは、大変貴重な経験です。これまでUNICを支援してくださってきた多くの方々に改めて感謝の意を表するとともに、今後も引き続きご支援いただきますようお願い申し上げます。

【これまでのメッセージ】

「東日本大震災からの復興、そして新生~東北から世界へ」をテーマに、東北大学で開催された2011年の国連デー・イベント
2012年の国連デーには「持続可能な開発」をテーマに、日本の果たす役割を議論しました
初の「国際ガールズ・デー」を記念するイベントでは、世界の女子が直面している課題を共有しました。話し合いました。力強いダンス・パフォーマンスが印象に残ります©UNIC Tokyo/Hiroaki Yamaguchi
【写真説明】潘基文(パン・ギムン)国連事務総長に同行し、東日本大震災で甚大な津波被害を受けた福島県・相馬市を訪問。メディアの方々との交流も貴重な経験となりました©UN Photo/Evan Schneider