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人身取引反対世界デー(7月30日)事務総長メッセージ

プレスリリース 14-045-J 2014年07月30日

人身取引は、被害者の権利と尊厳を否定し、組織犯罪ネットワークに数十億ドルの収益をもたらす冷酷なグローバル産業です。人身売買の対象となる多くは、だまされて過酷な生活へと追いやられた弱い女性や子どもたちです。こうした被害者は性的搾取を受けたり、奴隷に近い条件で強制的に働かされたりします。

今年が第1回目の「人身取引反対世界デー」は、この犯罪を終わらせ、気づかぬうちに社会に溶け込んで生活していることが多い被害者に希望を与えるための行動を呼びかける機会です。人身取引を止めるためには、資金源を断ち、資産を押収しなければなりません。私はすべての国々に対し、国際組織犯罪防止条約とその人身取引に関する議定書の批准および全面実施を強く促します。

法の執行や国境を越えた協力、情報の共有はいずれも効果的となり得ますが、人身取引に終止符を打つためには、その根本的原因に取り組むことも必要です。人身取引犯は極度の貧困、不平等の固定化、教育や機会の欠如などで生じた脆弱性につけ込むからです。究極的には、すべての人に寄与する開発を加速することが最善の防御策となります。

幸運にも解放された人身取引の被害者には、その権利を回復し、社会に復帰するための支援が必要です。「女性と子どもをはじめとする人身取引の被害者のための国連信託基金」は、被害者の支援に取り組んでいますが、資金が不足しています。私はあらゆる方面に対し、国連キャンペーン「人身取引被害者に思いやりを(Have a Heart for Victims of Human Trafficking)」に対する支援を訴えたいと思います。

この犯罪に私たちの目を、そして被害者に私たちの心を開こうではありませんか。今こそ人身取引に「ノー」を突きつける時なのです。

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