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国際女性デー(3月8日)事務総長メッセージ

プレスリリース 18-011-J 2018年03月08日

~ 女性にとっての前進は すべての人にとっての前進 ~

女性の権利は今、転機を迎えています。抑圧や差別を蔓延させる温床となってきた歴史的、構造的な不平等がこれほど表面化したことは、かつてありませんでした。ラテンアメリカからヨーロッパ、さらにはアジアに至るまで、ソーシャルメディアで、映画のセットで、工場の構内で、そして街中で、女性は恒久的な変化と性的暴力、セクシュアル・ハラスメント、そしてあらゆる種類の差別に対するゼロ容認を求めています。

ジェンダーの平等達成と女性、女児のエンパワーメントは、私たちの時代では未だ成し遂げていない仕事であると同時に、私たちの世界で最大の人権課題でもあります。

数世代にわたる女性の行動主義とアドボカシーは実を結んでいます。学校へ通う女児の数は過去最大となり、有給で働く女性と、民間セクターや学界、政界、そして国連を含む国際機関で上級管理職に就く女性も増えています。ジェンダーの平等は数限りない法律で謳われ、女性器切除術や児童婚のような有害な慣行も、多くの国で違法とされています。

しかし、差別と搾取の根底にある歴史的な力関係の不平等に取り組むうえで、深刻な妨げが残っています。

全世界で10億人を超える女性が、家庭内性暴力からの法的保護を受けられていません。全世界の男女の賃金格差は23%に上り、農村部ではこれが40%にも達しているほか、多くの女性による無給労働の価値も認識されていません。国会議員に女性が占める割合は平均で4分の1未満であり、取締役レベルに占める割合はさらに低くなっています。協調行動を取らない限り、今後10年間でさらに数百万人の女児が性器切除術を強いられることになります。

法律が存在していても、無視されることが多く、法的救済を求める女性は疑いの目で見られたり、中傷を受けたり、申し立てを却下されたりしています。ジェンダーの平等で成果を上げていることを誇りにする国でも、職場や公共の場、家庭内でセクシュアル・ハラスメントや性的虐待が広がっていることが明るみに出ています。

国連は世界に模範を示すべきです。

必ずしもそれができていないことは、私も認識しています。私は昨年の就任当初から、国連の本部や平和維持ミッション、そして全世界のすべての国連事務所で、変革に着手してきました。

現在では、国連のシニア・マネージメント・チームで初めて男女同数が達成されていますが、私はこれを国連の組織全体で達成する決意でいます。セクシュアル・ハラスメントに対するゼロ容認も全面的に確約しているほか、報告と説明責任を改善するための計画も策定しました。私たちは全世界の国々と密接に協力し、平和維持ミッション要員による性的搾取や虐待の予防とこれに対する取り組み、そして被害者への支援を図っているところです。

私たち国連は、不正に直面し、これを克服しようと闘う全世界の女性と連帯しています。その中には、賃金差別に立ち向かう農村部の女性、変革を求めて団結する都市部の女性、搾取や虐待の危険にさらされた女性難民、複数の形態に横断的な差別を同時に受けている女性のほか、寡婦、先住民の女性、障害を持つ女性、ジェンダー規範に合致しない女性などが含まれています。

女性のエンパワーメントは「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中心要素です。「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けた前進は、すべての女性にとっての前進を意味します。欧州連合(EU)と共同で立ち上げた「スポットライト」イニシアティブは、平等とエンパワーメントの前提条件として、女性と女児に対する暴力をなくすことに重点的に取り組む予定です。

ひとつ明らかにしておきたいのは、これが女性に対するえこひいきではないということです。ジェンダーの平等は人権問題であるだけでなく、すべての人々、すなわち男性、男児、女性、女児の利益となるからです。逆に、ジェンダーの不平等と女性差別は、私たち全員に不利益をもたらします。

女性への投資が、コミュニティーや企業、さらには国を向上させる最も効果的な手段であることを示す証拠は十分にあります。女性の参加によって、和平合意はさらに確実になり、社会はさらに強靭になり、経済はさらに活性化します。女性が差別を受けているところでは、すべての人にとって有害な慣行や信条を見ることがたびたびあります。一方、父親の育児休暇や家庭内暴力禁止法、同一賃金法はあらゆる人の利益となります。

女性の権利が重要な局面を迎える中で、男性が女性を支持し、女性の意見を聞き、女性から学ぶべき時が来ています。私たちのコミュニティーで、社会で、そして経済で、女性がその潜在能力をフルに発揮し、私たち全員の向上を図れるようにするためには、透明性と説明責任が欠かせません。

私はこの運動に加われたことを誇りに思います。そして、国連内部と全世界に、その反響が続くことを願っています。

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