本文へスキップします。

  • プリント

ここから本文です。

シリア危機と国連の対応【ウィークリー・アップデート第41号】4/30付資料

2014年05月02日

国連広報局(DPI)は、シリア危機への国連の様々な対応をまとめた資料を週に一度発表しています。以下はその日本語訳です。

*  * * * * * * * * *

ウィークリー・アップデート

国連広報局(DPI)第41号/2014430

◆事務総長、ホムス市街での自動車爆弾攻撃を強く非難

潘基文(パン・ギムン)国連事務総長430、声明を発表し、数十人の民間人死傷者を出したホムス中心部ザハラ地区での自動車爆弾と迫撃砲による攻撃を、最も強い言葉で非難しました。事務総長は、ホムス旧市街に関する停戦交渉が続いている最中に起きた今回の攻撃を極めて遺憾としつつ、政府と反体制派に対し、和平努力の頓挫を目論む挑発的行動を控えるよう強く促しました。そして、シリア紛争ではどちらの側にも軍事的勝利はあり得ないとの考え方を改めて示しました。事務総長は、この悲惨な紛争の全当事者に対し、少なくとも人道法に基づく責任を果たし、空爆や樽爆弾による攻撃を含め、民間人居住区域を標的とした攻撃を止めるよう訴えました。

-事務総長の声明は以下をご覧ください。

http://www.un.org/sg/statements/index.asp?nid=7636

 

◆エイモス事務次長、安全保障理事会に人道アクセス状況を報告

ヴァレリー・エイモス緊急援助調整官 人道問題担当事務次長430、安全保障理事会にシリアの人道アクセス状況を報告しました。事務次長は会合後、記者団に対し、この1カ月間、状況は改善するどころか悪化の一途をたどっており、暴力の激化によって恐ろしい数の死傷者が出ていることを強調しました。また、包囲地域に暮らす24万2,000人のうち、過去4週間以内に援助を受けられた人々が10%に満たないことについても、強い懸念を表明しました。事務次長は、国連創設の根拠となった価値と、国民の福祉を確保する国家の責任が、シリアでは日々踏みにじられているという事実を指摘しつつ、安全保障理事会に対し、この現実を認識するだけでなく、実際に対策を講じるよう強く促しました。

-メディア向けステートメントの全文は以下をご覧ください。

https://docs.unocha.org/sites/dms/Documents/30%20April%202014%20USG%20Amos%20Media%20Statement.pdf

 

OPCW、塩素ガス攻撃に関する調査団を新たに結成

シリアで最近、塩素ガスによる攻撃が行われた疑いがあることを受け、化学兵器禁止機関(OPCW)事務局長428、その事実関係を明らかにする調査団の結成を発表しました。OPCWは記者声明の中で、シリア政府が調査団の受け入れに合意していることを明らかにしています。潘事務総長もこれに支持を表明し、国連が調査団の安全確保と後方支援に協力することを約束しました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://www.opcw.org/news/article/opcw-to-undertake-fact-finding-mission-in-syria-on-alleged-chlorine-gas-attacks/

 

◆シリアの申告済み化学兵器の92%以上を搬出、廃棄

OPCW国連合同査察団シグリッド・カーグ特別調整官は記者会見に臨み、シリアが申告した兵器用備蓄化学物質の92%が国外に搬出されたか、国内で廃棄されたことを明らかにしました。「シリアはこの数カ月間で、申告済みの生産・混合・装填機材と弾薬のほか、化学兵器関連の建物数棟を破壊しています」。特別調整官はこのように述べ、大半の化学兵器貯蔵施設が閉鎖されたことを指摘しました。カーグ氏はシリア国内に残る8%の申告済み兵器用化学物質についても、できる限り早期に廃棄を完了させるようシリア当局に促しました。「兵器用化学物質の期限内廃棄の実現が近づいていることから、合同査察団は、シリア・アラブ共和国が早期に最終的なステップを踏むことを期待しています。OPCW執行理事会決定と安全保障理事会が定めた2014年6月30日という期限を守るため、全力を尽くさなければなりません」。特別調査官はこう付け加えました。

-詳しくは以下をご覧ください。

http://opcw.unmissions.org/AboutOPCWUNJointMission/tabid/54/ctl/Details/mid/651/ItemID/308/Default.aspx

 

◆イラクのシリア難民に広がる性的暴力

UNウィメン(UN Women)が行った調査によると、イラクのクルド地域に逃れたシリア難民の間で、性的暴力が広がっています。調査結果は、家庭内暴力が増加し、雇用主やタクシー運転手によるセクハラが横行し、難民キャンプ内外で性的商取引の報告が多く寄せられている現状を明らかにしています。男性はほぼ全員が、妻や娘の身の安全に不安を覚えています。427、エルビルで報告書を発表したUNウィメン代表は「暴行や嫌がらせを受けたり、性的な行為を強要されたシリア女性は誰にも言えず『黙っているしかない』と感じている」ことを指摘しました。この報告書は、2013年8月から12月にかけ、難民キャンプの内外に暮らす男性と女性を対象に行った調査に基づくものです。

-報告書の全文は以下のサイトからダウンロードできます。

http://reliefweb.int/report/iraq/we-just-keep-silent-gender-based-violence-amongst-syrian-refugees-kurdistan-region-iraq

 

主な国連ニュース記事

シリア全土の子ども290万人以上に予防接種 – WHO

2014年7月27日、ダマスカス – 世界保健機関(WHO)は保健関連のパートナーと連携し、2014年4月26日から5月1日にかけ、シリアで第4次「世界予防接種週間」を実施しています。このキャンペーンのねらいは、出産年齢の女性と、通常の時期に予防接種を受けられなかった子ども30万人に予防接種を施すことにあります。2013年10月にポリオの症例が発見されて以来、WHO、国連児童基金(UNICEF)、現地の保健当局とNGOパートナーは、シリアでのポリオ根絶戦略の一環として、5度にわたる全国的な予防接種キャンペーンを展開しています。最近のキャンペーンでは、政府、反体制派双方の支配地域で、291万人以上の子どもが予防接種を受けました。

http://reliefweb.int/report/syrian-arab-republic/who-launches-fourth-national-vaccination-week-syria

 

国連の事務局、機関、基金および計画へのリンク

国連広報局(DPI)シリア特集ページ

http://www.un.org/apps/news/infocusRel.asp?infocusID=146&Body=Syria&Body1=

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/media/index.html

世界食糧計画(WFP)

http://www.wfp.org/countries/syria

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/crisis/syria

世界保健機関(WHO)

http://www.who.int/countries/syr/en/

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/4f86c2426.html

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)

http://www.ohchr.org/en/NewsEvents/Pages/NewsSearch.aspx?CID=SY

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/

 

ソーシャルメディア:

Twitter: https://twitter.com/UN

Flickr: http://www.flickr.com/photos/un_photo/

YouTube: http://www.youtube.com/unitednations

Tumblr: http://united-nations.tumblr.com/

 

フォトギャラリー:

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)

http://www.unhcr.org/pages/49c3646c25d.html

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)

http://www.unrwa.org/photogallery.php

人道問題調整事務所(OCHA)

http://www.unocha.org/media-resources/photo-gallery

国連児童基金(UNICEF)

http://www.unicef.org/photography/photo_2013.php#UNI82253

統合地域情報ネットワーク(IRIN)

http://www.irinnews.org/photo/

* *** *

エイモス人道問題担当事務次長は4月30日、安全保障理事会にシリアの人道アクセス状況を報告後、記者団に対し、状況は悪化の一途をたどっていると述べ、強い懸念を表明した©UN Photo/Devra Berkowitz
OPCW国連合同査察団のカーグ特別調整官は4月27日、記者会見を行い、シリアの申告済み化学兵器の92パーセント以上が国外に搬出されたか、国内で廃棄されたことを明らかにした©UN Photo/Paulo Filgueiras
ヨルダン政府は4月30日、首都アンマンの東に新たな難民キャンプを設置した。UNHCRが運営を支援するアズラック・キャンプは、増え続けるシリア難民で圧迫状態にあるザータリ・キャンプの状況を緩和するために設けられた。新キャンプには現在5,000のシェルターが設置され、2万5,000人規模の難民受け入れが可能となっている©UN Photo/John Kohler