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障害を持つ人々に関するファクトシート

2013年12月04日

* 以下は、UN Enable (国連障害者の権利条約事務局ウェブサイト)がまとめたファクトシートの日本語訳です。

概 要

  • 世界人口の約15%にあたる10億人が障害を持って暮らしている。彼らは世界最大のマイノリティである。
  • 世界保健機関(WHO)によると、この数字は、人口増加、医学の進歩、および高齢化に従って増加する。
  • 平均余命70歳以上の国の国民は、平均で約8年間、すなわち人生の11.5%を障害とともに過ごすことになる。
  • 国連開発計画(UNDP)によると、障害者の80%が途上国に暮らしている。
  • 経済協力開発機構(OECD)事務局によると、OECD諸国において教育水準の低い集団では障害者の割合が著しく高い。教育水準の高い人の障害率が約11%であるのに対し、低い人は19%である。
  • OECD諸国の大半で、女性は男性より高い障害発生率が報告されている。
  • 世界銀行の推定によると、世界で最も貧しい人の約20%には何らかの障害があり、自分たちが暮らす地域社会では最も不利な条件に置かれた人とみなされる傾向にある。
  • 障害を持つ女性は複数の不利益を負い、ジェンダーと障害を理由に疎外される。
  • 障害を持つ女性と女児は特に虐待を受けやすい。インドのオリッサ州で2004年に行われた小規模調査では、障害を持つ実質上すべての女性と女児が自宅で暴力を受け、知的障害のある女性の25%はレイプされたことがあり、障害を持つ女性の6%は強制不妊手術を受けさせられていた。
  • 国連児童基金(UNICEF)によると、ストリートチルドレンの約30%は何らかの障害を持っているという。
  • 英国国際開発省によると、5歳未満の乳幼児死亡率が全体で20%以下に下がった国において、障害を持つ子どもの死亡率は80%にも及ぶことがあり、まるで子どもが「雑草のように抜かれている」ように見える例もあると言う。
  • 障害規定に関する比較研究によると、差別禁止やその他障害について特に定めた法律を持つ国は45カ国しかない。
  • 英国では、ロンドン株式市場FTSE100種総合株価指数の75%の企業がウェブアクセシビリティの基本水準を満たしていないため、1億4,700万ドル以上の収益チャンスを見逃している。

教 育

  • 国連教育科学文化機関(UNESCO)によると、開発途上国では障害を持つ子どもの90%が学校に通っていない。
  • 1998年のUNDPの調査によると、障害を持つ成人の世界全体の識字率はわずかに3%であり、障害を持つ女性に至っては1%に過ぎない。
  • OECDによると、OECD諸国において高等教育における障害を持つ学生の数は増えているにも関わらず、その数はまだ十分ではない。

雇 用

  • 国際労働機関(ILO)によると、世界の労働人口のうち、3億8,600万人が何らかの障害を持つと推定される。障害者の失業率が80%に達する国もある。雇用主はしばしば、障害者には働く能力がないと考えがちである。
  • インド全国障害者雇用促進センターによると、インドでは障害者が人口の5~6%を占めるが、政府雇用の3%について障害者を採用することを定めた「障害者法」があるにも関わらず、障害者の雇用のニーズは満たされていない。インドの約7,000万におよぶ障害者のうち、産業界で職を得ることができたのは10万人程度に過ぎない。
  • 2004年の米国の調査によると、労働年齢で障害のない人の78%が実際に働いているのに対し、障害者では35%に過ぎない。調査に回答した障害のある失業者の3分の2は、働きたいが仕事が見つからないと答えている。
  • ラトガース大学の2003年の調査では、米国の職場では身体的・精神的障害者の多くが依然として十分な機会を与えられていないことがわかった。調査した雇用主の3分の1は、障害者が要求されたタスクを十分遂行できないと答えている。障害者を雇用しない理由の中で2番目に多く挙げられたのは、特別な施設に費用がかかるということであった。
  • 米国労働省の障害者雇用オフィスのジョブ・アコモンデーション・ネットワークが雇用主を対象とした2010年の調査によると、56%もの施設が雇用者によって全く整えられておらず、残りの施設においても、概して600ドル程度しかその目的に費やされていないという。
  • 2002年の米国での調査では、企業からの報告によると、障害者は定着率が高く、労働移動の費用が削減されるという。別の米国での調査でも、障害者の就職1年後の定着率は85%になっている。
  • 米国労働省によると、多くの障害者が中小企業事業主として成功している。1990年の国勢調査では、障害のある人(12.2%)はない人(7.8%)に比べて自営または中小企業経験が多いことがわかっている。

暴 力

  • 戦争で命を落とす子どもを1とすると、負傷して永久的障害を負う子どもは3となる。
  • WHOによると、ある国では障害の4分の1がけがと暴力に起因する。
  • 2004年の英国の調査によると、障害者は暴力やレイプの被害に遭いやすく、警察の介入、法的保護、予防的ケアなどを受ける可能性が低い。
  • 調査結果では、障害のある子どもに対する暴力の年間発生率が障害のない子どもに比べて1.7倍以上も高いことが示されている。

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視覚障害を持つ男の子(右)が、友達の助けを得てカセットの録音方法を学んでいるところ(1979年、米国)©UN Photo/Sally Dimartini