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「世界報道自由デー」(5月3日)に寄せて

1999年05月03日

コフィー・アナン事務総長のビデオ・メッセージ

 1999年世界報道自由デーを皆様とともに迎えることを、たいへん嬉しく思います。報道の自由は人権の礎石となるものです。それは、各国政府の行動に責任を持たせ、また刑罰を免れられるという考えは幻想にすぎないという警告を、私達すべてに発するものです。また、それは国の中で、国々の間で、知識と理解を深めるものです。

 報道の自由により、世界中の人々は私達を分け隔てるものばかりではなく、私達を団結させるものを正しく認識することができます。しかし、未だに社会に対する言論の自由の価値に対して疑問の声を投げかける人もあります。さらには言論の自由が、全ての人々の自由を求める生来の表現方法ではなく、外国からのお仕着せであると考える人さえあります。

 しかし、この論争は人々によってではなく、政府によって行われているものです。力のない者たちではなく、権力を掌握する者たちによって、声なき者たちではなく、自分自身の声しか聞かせないようにしている者たちによって行われているものです。この論争に決着をつけるため、人々に対して、真に重要な唯一の問いかけをしてみましょう。人々はもっと知りたいのか、それとも知りたくないのか。声を聞いて欲しいのか、沈黙させられたいのか。自分の足で立ちたいのか、跪きたいのか。人々の自由な選択に任せましょう。

 報道の自由は、天から授かるものではなく、闘い勝ちとるべき権利です。しかし、それだけではありません。報道の自由は、各国や文化の間でそれぞれの考え方を交換するために不可欠の媒体です。そして、そうした意見の交換や相互影響なしでは、真の理解や継続する協力関係を築くことはできないのです。

 この20世紀最後の世界報道自由デーに際して、私たちに真実を伝える世界中のジャーナリストの勇気とコミットメントを称えます。すべての人々、すべての信条のため、あらゆる国々において、自由と報道が繁栄することを願って。