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米州CEOサミットでの事務総長演説 「共に:持続可能な開発のための官民パートナーシップ」 (パナマシティー、2015年4月10日)

プレスリリース 15-035-J 2015年04月22日

©UN Photo/Eskinder Debebe

この重要な会議で皆様にお目にかかれたことを嬉しく思います。

2つの大陸の架け橋の役割を担い、2つの大洋を結ぶ運河を擁する国での開催は、このサミットにふさわしいことです。

なぜなら、今年は、すべての人が繁栄と公平性、尊厳を享受でき、人類と地球のニーズのバランスが取れた暮らしへの架け橋の完成が望まれる年だからです。

先月、私は日本の仙台で行われた国連防災世界会議に参加しました。

国連は7月に、アディスアベバで第3回開発資金国際会議を主催します。

9月には国連創設70周年を祝います。

国連本部はポスト2015開発アジェンダの採択に向けて、特別サミットを主催します。

そして12月に、世界はパリで気候変動に関する有意義で普遍的な合意に至るはずです。

企業はこれらすべてのフォーラムの成功と、それらの成果の実施において重要な役割を担います。

新しいグローバルな開発アジェンダや気候変動との闘いには、資金と技術、能力が不可欠です。

民間の資源とパートナーシップは必須のものとなるでしょう。

今世紀の幕開けにおいて、ミレニアム開発目標(MDGs)が策定され、国連は企業と社会の間にグローバル・コンパクトという概念を持ち込みました。

15年以上にわたってこのグローバル・コンパクトが示してきたのは、共通の重要課題に企業とすべての主要なプレイヤーが関与したとき、進歩を生み出すことができるということです。

私たちは現在、国連全体で企業とのパートナーシップによる取り組みを日々拡大しています。

たとえば、グローバル・コンパクトの「CEO Water Mandate (CEO水マンデート)」と「Caring for Climate(気候への配慮)」というイニシアティブは、いずれも企業のリーダーたちが自発的に立ち上げたものです。

昨年の気候サミットでは、実業界と金融界のリーダーが、排出量の削減とグリーン成長の促進に対する約束を発表しました。

国連グローバル・パルス・イニシアティブは、すでにモバイル通信事業者とソーシャル・メディア企業とのパートナーシップの形成に成功しており、ビッグデータを利用して、メキシコでは人道的な支援の改善、エルサルバドルでは政策変更に関する社会的関心についての洞察、そしてブラジルではHIVとエイズに対する意識調査を行いました。

また、官民パートナーシップは、私の「ゼロ・ハンガー・チャレンジ」への支援にも協力してくれています。

本日ここにお集まりの皆様の多くは、私たちの積極的なパートナーです。国連のイニシアティブに対する皆様の力強いパートナーシップと支援に感謝いたします。

世界中の企業や投資家の間では、企業の健全性と社会の健全性の結びつきに対する認識がますます高まってきています。

企業責任に関する取り組みと規範が国内外で拡大しています。

主要な投資家が化石燃料から離れつつあります。

多国籍企業が最低賃金の引き上げを行っています。

社会的責任と環境責任が主流となり、企業の戦略的活動の標準としてますます組み込まれるようになっています。

このような流れによって、市場はその内側から変化を ― それもよい方向への変化を遂げようとしています。

私たちはこうした勢いに乗り、今なお進歩よりも利益を優先して事業を行っている企業をも巻き込んでいく必要があります。

今年はそれを実践する年です。グローバル・アクションを起こす年なのです。

なぜなら、このサミットのテーマからおわかりいただけるように、現在の世界では不平等があまりにも顕著だからです。

繁栄と公平性に手の届かない人があまりにも多すぎるからです。

そして、私たちの環境が損なわれているからです。

しかし、この状況に甘んじる必要はありません。

皆様が持続可能な開発目標の実施を支援してくだされば、私たちの世界を変えることができます。

現在、国連グローバル・コンパクトには8,000社以上の企業と4,000以上の非営利組織が参加しており、ラテンアメリカの多数の国を含む、86カ国にローカルネットワークがあります。

本日の議題に上げられている課題の多くについて、グローバル・アクションを起こす基盤があります。

企業は、大きな力となっています。

女性と子どもの健康から持続可能なエネルギー、気候変動まで、また、ジェンダー平等から平和で説明責任のある社会まで、グローバルな課題に取り組む解決策に積極的に協力する姿勢をますます見せるようになってきています。

一連の新しい持続可能な開発目標の作成のために、グローバル・コンパクトは責任ある企業の様々な見解を取りまとめています。

1,000社以上の企業が、グローバルな課題と解決策に関して意見や情報を提供してくれました。また、一連の世界の優先事項が新たに策定される見通しであり、持続可能な開発目標の実践に民間セクターを参加させる取り組みがなされていることへの喜びを表明しました。

こうした企業との協議の多くがここラテンアメリカで開催され、コロンビア、アルゼンチン、チリ、パラグアイ、ニカラグアの各国企業がこれに先鞭をつけてきました。

持続可能な開発目標に関して国内の合意を確立するためのボトムアップ式アプローチが、この地域では特に力強いことがわかりました。

本日ここにお集まりくださったすべてのビジネス・リーダーの皆様に対し、すでにそれぞれの会社において社会的・環境的責任を果たすべく熱心に取り組みを進められるとともに、より持続可能な未来の実現に向け、他者との協働を図られていることに感謝します。

2015年を歴史的な1年にするために、皆様の協力をお願いします。

非常に重要なステップが4つあります。

第一のステップとして、企業の皆様には、持続可能な開発目標が普及し、支持を得られるよう協力していただきたいのです。

皆様のアウトリーチとアドボカシーの仕組みは、強力な拡大効果をもたらします。

持続可能な開発目標は、私たちが望む未来の普遍的な青写真として、誰もが賛同できるものになるでしょう。

第二のステップは実施です。

発展的なパートナーシップのモデルが必要です。

しかし、もっとも重要な進歩が訪れるのは、企業がこれらの目標を企業の戦略、研究開発、新製品開発に取り入れたときでしょう。

第三のステップとして、資金の調達が必要です。

投資家の皆様、アディスアベバでの開発資金国際会議にぜひ参加してください。そこではたくさんのチャンスに出会うことになるでしょう。

ぜひご参加のうえ、持続可能な未来に投資していただきたいと思います。

第四のステップとして、企業の皆様に、パリにおける有意義かつ普遍的な気候変動合意の形成に協力してくださるようお願いします。

民間セクターによるアドボカシーは、適切に機能する炭素市場の推進において、実質的な効果をもたらすことができます。

企業には、科学に基づく賢明な規制政策と排出削減目標を支持するよう政府を動かす影響力があります。

世界は各地の企業と投資家に対し、現代の人々が抱えるニーズを満たすと同時に、明日への展望に変化をもたらす上で、それぞれの役割を果たすよう求めています。

大志を抱き、協力して取り組みましょう。

2015年をグローバルな行動の年にするために、皆様一人ひとりの協力をお願いします。

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