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地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー(4月4日)事務総長メッセージ

プレスリリース 15-032-J 2015年04月03日

きょうは「地雷に関する啓発および地雷除去支援のための国際デー」制定10周年にあたります。これまでの10年間に、対人地雷の脅威根絶に向けて大きな前進が見られ、現在までに162カ国が「対人地雷禁止条約」の締約国となりました。

国連は、世界から地雷と爆発性戦争残存物をなくすために不可欠な役割を果たすとともに、被害者と遺族のニーズ充足や、その人権の確保を図っています。昨年だけでも、国連は40万発を超える地雷と爆発性戦争残存物のほか、旧式の弾薬2,000トン以上を廃棄しています。また、延べ1,500kmを超える道路の地雷除去とその検証を行ったほか、数百万人に地雷リスク教育を施す傍ら、数千人の兵員と警察官を対象に、爆発性危険物の取り扱いと安全な処分に関する訓練を行いました。

私は、この成功に貢献したすべての人々を称賛します。しかし、老若男女を問わず、アフガニスタンやカンボジアなど、数十年前に地雷が敷設された国々で地雷の犠牲となる人々が後を絶ちません。私は今でも、これら無差別兵器が使用され続けていることを危惧しています。

しかも、民間人とコミュニティは、地雷からクラスター爆弾に至るまで、ますます幅広い爆発性危険物のほか、管理されていない危険なる武器や弾薬、簡易爆発物の危険にさらされています。私は、イラクの武装集団が簡易爆発物を多く用い、これが民間人に大きな脅威となっている現状を深く憂慮しています。シリアでは、人口密集地区で「樽爆弾」その他の爆発性兵器が広く用いられ、甚大な物的、人的被害が生じるとともに、爆発性戦争残存物という遺産は、すべて除去されるまで脅威として残ることになります。

今年の国際デーのテーマ「More than Mines(地雷の先にあるもの)」は、戦争地帯と紛争から復興しつつある国々で民間人、人道支援要員、平和維持要員、開発機関が直面する現状を反映しています。爆発性危険物が行く手を阻んでいたのでは、食料は届かず、難民と国内避難民は安全に家に戻れず、子どもは学校に通えず、交易は混乱し、開発と平和構築の取り組みは妨げられ、平和維持活動も安心して展開できません。

今年の国際デーにあたり、私は加盟国に対し、資金拠出と政治的支援を通じ、地雷対策の理念を引き続き忠実に守るよう強く促します。このことは今年、総会で地雷対策への援助が話し合われる予定である点から見ても、特に重要です。決議案は、地雷対策がまさに「地雷の先にあるもの」を提供するということを認識するとともに、影響を受けている国々と協力し、地雷や爆発性危険物の脅威を削減するという決意を新たにする機会にもなることでしょう。

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©UN Photo/ Logan Abassi