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イベント「誰一人取り残さないユニバーサル・ヘルス・カバレッジ:すべての人の健康と福祉の実現に向けた協力」におけるアミーナ・J・モハメッド副事務総長挨拶(ニューヨーク、2018年9月26日)

プレスリリース 18-068-J 2018年10月10日

各国代表の方々、皆様、

本日のイベントの共催者に感謝するとともに、その共同ホストを務めるタイ、日本両国の政府に賛辞を送ります。

保健部門のこれほど多様な観点を代表する方々がこの場にお集まりの様子を目の当たりにでき、嬉しく思います。

今週は、結核と非伝染性疾病に関する総会ハイレベル会合をはじめ、重大な健康問題に関する討議が数回にわたり行われます。

それぞれの議論に独自の重要性があるものの、私たちはこれらの問題が孤立して存在するわけではなく、より包括的に医療を提供するためのさらに幅広い取り組みの一環として議論せねばならないことを知っています。

私は、2030年までにユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成するという私たちに共通のビジョンのもと、本日のイベントに私たちを結集させたUHC2030の取り組みを高く評価します。

今年は、すべての人の健康を達成するという目標を掲げた「アルマアタ宣言」採択40周年に当たることから、今はまさに絶好のタイミングと言えます。

来月、世界はカザフスタンのアスタナに集結し、UHCと持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向け、プライマリー・ヘルスケアの強化を改めて決意することになっています。

来年9月の「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)に関する総会ハイレベル会合」は、2030年までに健康と福祉のための行動を前進させるという政治的なコミットメントを最高レベルで醸成するうえで、さらに重要な転機となります。

健康は進歩の成果であると同時に、進歩を牽引する要因でもあります。また、より持続可能で包摂的、かつ平和で豊かな未来という私たちのビジョンの中心に位置しています。

しかし、甚だしい不公平のために、最も脆弱な立場にある人々は取り残されたままになっています。

あまりにも多くの人々にとって、健康は物理的にも金銭的にも、あるいは全面的に、手の届かないものとなっています。

医療費の自己負担は依然として大きく、これによって1億人が毎年、貧困ライン以下に転落していると見られています。

歴史的な数に達している若者も、その特殊なニーズに対応するに即したサービスを必要としています。

UHCは、こうしたギャップを縮めるために必要な傘と土台を提供するものです。

予防、保護、そしてすべての人の身体的、精神的福祉の増進を、私たちの目標とせねばなりません。また、私たちは福祉を結果論として捉えることを止めるべきです。

UHCの中心にいるのは、女性と女児です。私たちは、医療を依然として手の届かないものとしているジェンダーの格差を克服するため、女性と女児を優先するとともに、より多くの女性をグローバルな保健機関の指導者とせねばなりません。

制度を充実させれば、医療従事者も若返り、通院できる人々には施設でのケアを、最も手の届きにくい人々には訪問ケアを提供できるようになります。

急速な都市化や紛争の激化、抗菌薬耐性が危ぶまれる病原体の進化、さらには気候変動の影響を踏まえ、健康を決定する社会的、経済的、環境的要因に取り組むためには、大胆で創造性に富む部門横断的なパートナーシップが必要です。

各種の資金調達メカニズムを含め、歴史的に分断されてきた国際保健分野間のすり合わせを図ることも欠かせません。

私たちはあまりにも長い間、それぞれの病気や疾患が他から独立して存在するかのように行動してきました。

しかし、多くの複合的課題を伴う新しい持続可能な開発の時代には、新たな思考と協力の方法が必要となります。

私たちは、多くの保健パートナーの力を借りて、制度の強化を図り、それぞれのコミュニティーのニーズに対応できるようにせねばなりません。

農村の子ども1人にワクチンが配給されるごとに、結核の新たな症例が正確に発見、報告されるごとに、そして1つの感染症の流行が予防されるごとに、私たちは健康な社会に必要とされる高度な制度の基盤を構築しているのです。

国際的な調整の強化は不可欠となるでしょう。

私は、資源のより効果的かつ効率的利用の確保と、持続可能な開発目標3の達成に向けた各国に対する一貫した支援の強化をねらいに発足したばかりの「Global Action Plan for Healthy Living and Well-being for All(すべての人々の健康な暮らしと福祉のためのグローバル行動計画)」に関する活動を称賛します。

このアイディアこそ、国連開発システムの刷新を図る事務総長の取り組みにとって重要な要素です。こうした改革は現在、加盟国にも支持されており、私は行動計画の具現化を心待ちにしています。

もちろん「万能」型の解決策はなく、各国はUHCに向け、それぞれ独自の道を歩まなければなりません。

政治的コミットメントは最も重要ですが、市民社会もリーダーの責任を問い続けなければなりません。

国連システムには皆様の強い味方として、私たちのUHCを目指す集団的前進を支援する準備ができています。

UHCという私たちのビジョンのもとに、大胆かつ迅速に集結し、すべての人の健康を確保しようではありませんか。

ありがとうございました。

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原文(English)はこちらをご覧ください。