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「保健を防災の中心に」 仙台会議で国連機関担当者が提言(2015年3月15日、仙台)

2015年03月15日

2015年3月15日 – 世界保健機関(WHO)の高官は今日、西アフリカでのエボラ出血熱の流行、アジア太平洋地域での猛烈な暴風雨、シリアをはじめとする各地で続く紛争などすべては、仙台で議論が進められている新たな災害リスク管理枠組みにおいて、保健と医療制度の強化を中心に据えなければならないことをはっきりと示している、と強調しました。

ブルース・エールワードWHO事務局長補(緊急事態担当)は、第3回国連防災世界会議が開かれている仙台で記者団に対し、「緊急事態をしっかりと脱するためには、より健康で、よりレジリエントな人々が必要です」と述べました。

エールワード事務局長補は、きのう開会し3月18日(水曜日)に閉幕する今回の防災会議は、2005年の画期的な「兵庫行動枠組(HFA)」の後継として、死亡率を減らし経済的損失を抑えるために新たな一連の災害管理措置を合意することを目的としており、これまでのところ、交渉では保健が極めて重要な問題として取り上げられているとの見方を示しました。

シロ・ウガルテWHO米州地域事務所防災・災害救援担当局長、アレックス・ロスWHO神戸センター所長、レミ・ソグンロ国連人口基金(UNFPA)リベリア担当官も同席するなか、WHO事務局長補は、「次の枠組みは、兵庫と大きく異なるものとなります。保健が、単に人々の健康を守ればよいという話に止まらず、災害リスク削減のまさに中心的要素として認識されているからです」と述べました。

エールワード氏はエボラ担当WHO事務局長特別代表も兼ねており、「保健と防災は深いところで結び付いています。健康な人々はレジリエントな人々であり、レジリエントな人々は災害からより早く立ち直ります」と付け加えたうえで、HFAでは保健への言及が3回しかなかったのに対し、新たな枠組案には約30回の言及があるという事実が、疫病にまつわるリスクを如実に物語っている点を強調しました。

西アフリカのエボラ危機は、2013年にフィリピンで壊滅的被害をもたらした台風ハイエン、シリアや中央アフリカ共和国などの国々で続く紛争とともに、保健を中心的な懸案事項に据える必要性を如実に示しています。

エールワード事務局長補は、WHOが国連システムの中でも、新規枠組みによる保健問題の効果的取り組みを確保できる立場にあると述べました。WHOは仙台で、いくつかの重要なイニシアティブを紹介することになっています。その中には、WHOと各地域のパートナーが、ポスト2015年枠組みを保健担当省庁による具体的な行動へと転換するために策定した政策枠組みや、病気の発生や流行をさらに迅速かつ効果的に発見、報告するとともに、これに対応できるよう、マルチハザードの早期警報措置と能力の強化を確保する取り組みが含まれています。

WHOはまた、仙台で発表するためWHO『病院安全指数』を急ピッチで策定しました。エールワード事務局長補の説明によると、このツールは、政府と保健担当省庁向けに151の具体的な指標を設けています。この指数は、周囲の環境や所属する保健サービス・ネットワークなど、構造的、非構造的、機能的要因に基づき、病院または保健施設が緊急時にも機能し続ける確率について大まかな情報を提供するものとなっています。

事務局長補はこの点について、台風ルビーが昨年、フィリピンを襲った際には、600カ所の医療施設を破壊した台風ハイエンで得られた教訓と、その後に導入された措置が功を奏し、医療施設にまったく被害が出なかったことを指摘しました。

エールワード事務局長補は、「しかし、これは単なる建物の問題ではありません」と述べ、災害リスクの管理には、危機や病気の発生、蔓延の直後に医療制度全体の適切かつ効果的な機能を確保することが含まれる点を強調しました。

ウガルテ局長も、WHOの指数や類似の尺度は医療サービスが欠かせないまさにその時に、病院がなくなってしまうことが多いという現実に対処するねらいがあると述べました。ウガルテ局長は、「私たちは理論を実践に移さなければなりません」と指摘し、日本の複数の自然災害への対応に倣い、「どんなことがあっても」運営を続けなければならない施設に重点を置く取り組みを行うべきだと付け加えました。

事実、専門家は、レジリエントな医療制度を確立すれば、根底にある脆弱性を低め、医療施設やサービスを守るとともに、災害時の多岐にわたる保健上のニーズに合わせた対応を拡大することもできるようになる、と強調しています。

原文はこちら →http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=50328#.VQoewNKsWVN

 

マラウィの洪水被害 UNDP/Arjan van de Merwe